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第11章

「あれ……?おかしいですね」

「どうしたの? エリュニス」

「以前まとめて買っておいた茶

葉のストックが減ってるんです」

「それって、自分で使わなかった?」

「いえ、使いかけのものは封は

開けてあるんです。未開封のものが

4、5袋ほどなくなっているんです」

「そうなの、変ね……?」

「なあ、俺のコーヒー豆知らないか?」

「私は違うよ」

「僕は使ってませんよ」

「私も使わないわよ」

「なんか最近変な事が起きてるな」


「今日の朝に、食事用にシリアルを

買っておいたんです」

「あぁ、ちょっと甘いけど美味しい

よね。食べ過ぎると太っちゃうから

注意しなくちゃ。……でもついつい

食べちゃうのよね」

「量さえ守れば、太らないはずですよ」

「めんどくさいけど、グラム数を毎回

測れば安心ね」

「栄養価も高いし面倒だから、主食

にしたいくらい」

「駄目ですよ。ちゃんと他のサラダ

とかスープも飲んでくださいね」

「まあ、パンとかパスタばっかりだ

ったからな。たまにはいいだろ?」

「うん、たまにならいいよ」


「あ、そうだ」

「どうかしたんですか?」

「あの、前に子猫を服屋の屋根裏に

戻した時に、買っておいたリボン」

「あぁ、魔物避けの効果があるリボ

ンですね」

「そう、ちょっと街の外で薬草を採

取したいんだけど……今使おうかな

って」

「それはいいですね。効果のほども

気になります」


「ポーション類よし、保存食よし、

その他よし……っと」

魔物避けのリボンに変えて、ルシェ

ットはエリュニスを見た。

こうしてみると、髪型は同じなんだ

なと思う。ルシェットは髪先がくる

っとした癖があるが、エリュニスは

ストレートだ。何故か髪を切らない

ようだが。

「ねぇ、エリュニス」

「なんですか?」

「どうして髪切らないの?」

「お金がかかるし、面倒だからです

よ。それに、兄さんと区別するため

に……」

「兄さん?」

「えぇ、僕と同じ髪色で眼の色も同

じなんです」

「確かに、同じ髪型だと見分けがつ

かない」

「さぁ、出発しましょう」


「ええっと、葉が丸いのが薬草で

ギザギザしてるのが毒消し草……」

「昔の事ですが、よく覚えてました

ね」

「うん、調合によく使うものだから」

「ポーションといえばメルカを使った

物もありますね」

「魔力回復ポーション」

「そうですね。味は濃いジュースみた

いなものですが」

「確か魔力のない人にも人気だとか」

「食べ続けると魔力が体につくという

噂が……。効果のほどは不明ですが」

「あ、そうだ」

「どうかしました?」

「私が住んでた小屋に行こう。あそこ

は木の実や薬草、茸や山菜がたくさん

ある」

「確か、あそこは人や魔物があまりい

ないんですよね」

「うん。小さい頃小屋の近くで採取し

ていたら、人が近寄らなくなったの」

「えっ……!」

(それはルシェットさんが危険人物だ

と知れ渡ってしまったからでは……)

「早く行こ? エリュニス」

「は、はい」


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