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対峙



 手斧を握りしめたカナンは、己と同じ構えの異形と対峙する。

 やや前傾で腰を少し落としたその構えは、師匠であるセツナから度重なる暴力と共に教わった。

 その思想はただひとつ。

 一秒でも速く敵を殺すことだ。


(イヤになるよな。あんだけ痛めつけられて覚えた構えだってのに)


 その術理に防御の概念はない。

 相手よりも速く動き、一撃で命を奪う。

 前傾姿勢は足を止めないためだ。相手の攻撃は前に動いて避ける。回避行動は近づき叩き斬るための過程だ。

 即ち、近づいて殺す。殺すために近づく。

 剥き出しの殺意に卓越した技術を乗せたそれは、およそ真っ当な人間が使うものではない。

 自分の命を一切勘定に入れず、対峙する相手を殺すための型だ。


(構えを見ればわかる。あいつはオレだ。……けど、オレよりも強い。迷いがない)


 ゆえに。痛みで鈍らず、自分の身を省みる知性を持たぬ異形の方が、常在死地の心胆という構えの思想に合致している。

 これは心持ちの違いに過ぎぬが──しかして完全に能力が同一な存在同士でのそれは、絶対的な差となる。


 ぐっと身体を屈めた体勢は、さながら引き絞った弓。両者は弾けるように地を蹴った。摩擦係数の少ない地面から、二対の影が矢が如く駆ける。両者共に狙うは喉笛、致命の一撃。

 しかして先手を取ったのは異形の側だ。カナンは思考に気が逸れて僅かに出足が遅れた。この場にセツナがいればそれだけで斬られている失態である。

 ──斬ってから考えろ。迷うな。足を止めるな!

 人格以外を尊敬する師の言葉が脳裏に響いた。死中にありて思慮捨つるべし。

 かくて眼前に迫るは触手が生えた横薙ぎの鈍刃。咄嗟にカナンは縦振りのスキル《クラッシュ》を合わせる!


(──重いッ!)


 斧に添えた両手に痺れるような衝撃が走る!

 遠心力を利用した横への腕の振りよりも、加えて重力を使った振り下ろしの方が一撃としての威力は高い。人体の構造としても、その可動範囲から振り回すよりも振り下ろす方が威力が出る()()()になっている。そして、そこにスキルの力──達人の動きの再現を乗せた。

 同じ力を持つもの同士であれば、こちらが勝つが条理。しかしカナンは重さを感じ力負けをした。それは即ち、相手の技量が上手であることを意味する──しかし怯めない!

 カナンは意志の力で痺れを押し込み、手斧を強く握り次に備える!


「ぐああッ!!」


 ──だが、遅い。

 一撃で相手を殺せなければ、連撃を振るうのみ。横一文字の振りは、次の殺意をぶつけるための布石である。

 カナンと同じ体躯体重の異形は、斧の自重と遠心力で自分の身体を空中に持ち上げ、転回しながら無防備な横っ面に鈍刃を叩きつけた。

 カナンの身体が吹き飛ぶ。そこに追撃が来る。頬骨が砕けた痛みに喘ぐカナンに致命の一撃・スキル《スマイト》が迫り──。


「あ──」


 カナンは死を体験した。

 そして間もなく、超常の力によって意識を取り戻した。

 一瞬の意識の断絶。秒数にしてコンマ一秒未満。しかしその時、カナンの姿を模した異形は既に斧を振りかぶっている。

 絶対的な殺意が篭もる一撃が、カナンの意識を再び刈り取る。

 三度刈り取る。

 四度五度六度と斬られ砕かれ潰されて、七度目にようやく意識の間隙から来る攻撃にカナンは反応できた。

 しかし、それは手先を動かせたに過ぎず、カナンの頭蓋は無防備のまま再び砕かれる。

 ──12回目。相変わらず何もできずカナンは死んだ。



(これが──オレ──な──のか──?)



 20、30、40、豪雨のような暴力に晒されながら、意識を途切れさせながら、カナンは彼我の戦闘力を見積もり直す。

 カナンと同じ能力があるというが、それは違う。

 一撃の精度が違う。

 肉体の練度が違う。

 絶対の殺意が違う。

 異形の攻撃は、確かに生成された時点のカナンが取り得る人生最高の一撃を基準としており、身体構造上、持っている技術技量上、理論上可能な動きを行うという制約がある。

 しかしそれは、カナンの肉体で一世一代の(スーパー・)まぐれ当たり(クリティカル)を引き続けるというものだ。

 それ故に異形は、その身がカナンの小さな体躯を模したものであっても、スキルという補助輪なしで殺しきれるだけの一撃を次々と叩き込むことができる。



(……勝て──ね──え)



 打ち合えたのは一合。それ以降は、ただ打たれる巻藁だ。

 これは勝てない。彼我の技量が違いすぎる。

 癒えては増える痛みの中で、カナンの心は素直にそれを認めた。



(でも──)



 ──しかし、何度でもチャンスがある。

 カナンは自分の顔を砕こうと迫る刃に頬の肉をばっくりと切らせながら、全身全霊の力で相手の腕に噛みついてみせた。

 返す刃でカナンは死んだ。



 意識を取り戻して向き直る。腕には歯形がくっきりと形を残し、血液混じりの唾液がタールの油膜のように色を次々変えながらどろりと光った。

 ──それは、カナンが最初に当てた一撃であった。


(当た──た!)


 抗い続けていたカナンの心に、希望という熱が灯った。

 相手は無敵じゃない。オレと同じで、血だって流れる。

 なら、立ち続けていればいつか勝てる。


「そうだ──」


 どんなに見苦しくてもいい。

 どんなに汚い戦いでもいい。

 どんなに敗け続けてもいい!


 ──目の前のコイツを、殺せるのならッ!



 燃え尽きそうなほどに熱い気炎が胸の内に灯っている。

 その熱はカナンの矮躯のその端から端まで流れている。

 カナンの抱えた闘争心は窮地にこそ激しく燃え上がる!



(何より──オレはまだ、一度だって斧を落としてない!)



 燃えるような身体が心地いい。

 心がここにある。ひしと掴んだ両手、その中心に、灼灼とした心がある。



 ──何べん死んだって、この心は落とすもんか!



* * *

* *

*



 落差。

 落差があります。


「抗議! 抗議をしたい!!」


「まったは。ない」


「あいつ僕じゃないです! まず僕は目からビームとか撃てないし!!」


「りろんじょう。かのう」


「バカかよその理論!? ああもう理論上とかいう単語使っても誤魔化せないぜんッぜんバカ! 君が普段あんま難しいこと考えてないの僕は知ってんだからな!顔見りゃそんなのわかるんだからな!」


 カナンくんはバシバシやりあって自分との戦いみたいな様相を呈しているのに対し、僕は遠距離卑怯なクソビームを連射され続けている。

 しかもこいつ卑怯なんだ。


「ふざけやがって……!!」


 こいつは僕が避けていると、メリーを狙おうとする。

 そりゃあ、別に当たったところでメリーからすりゃ痛くも痒くもないんだろうけどさ。僕と同じ能力とかいうちっぽけな相手だし、それこそその辺のダンジョンの魔獣の方がよほど鋭い攻撃を放ってくるだろう。

 ──頭ではわかってる。だけど、身体は、心は、魂はお利口リコウな理性についていかない。


「ぐっ……!」


 攻撃を片側の手の甲や肩で受ける。

 痛みはある。だけど、光線の熱が抉った傷口をそのまま焼くから失血はしないで済む。

 痛みで怯まない限り──致命部位に当たらない限り、この光線はただ痛みを与えるだけの代物だ。

 だから、僕でもメリーを護るくらいはできる。


「きふぃ。むだなうごき」


 僕の左半身はもう熱光線で穴だらけのボロボロだ。うるさい。人の気も知らずに何言ってんだ。

 ビーム、ビーム、ビームがメリーめがけて飛ぶ。僕はメリーに直撃するコースだけは避けつつ距離を縮めようとするがラチがあかない! ああもう──メリー!バリアとか貼っててくれない!?


「だめ」


「なんでぇ!?」


「きふぃは。しってる」


 メリーの言葉はいつも端的だ。

 確かに僕は知っている。メリーが撃たれることに意味がない……なんてことはない。

 相手の弱い部分を突くことは戦術の基本だ。


 直線的な軌道なら、撃たれる前から避けておけばいい。雷のように自由軌道で向かってくるなら別だけど──顔から直線で飛んでくるなんてのは銃口が分かりやすすぎる。僕ですらそうなんだから、身体能力が僕よりずっと高い手合いにはビームなんて早々当たらない。ビーム以外だってそう。身体能力が違う相手に攻撃を当てるには工夫が必要になる。


 じゃあどうするか。答えは単純だ。

 相手から当たりに行ってもらえばいい。当たらざるを得ない状況を作り出せばいい。

 人質はその状況を作るにあたってわかりやすく便利だ。

 多少手が滑って痛めつけてもいい。そうした方が、ずっと自分から攻撃を受けたがってくれる。そういった卑劣さを僕は友としてきた。


 ────だから、この異形の行動は僕のそれだ。

 メリーの最小限の言葉は、僕にそれを最大限に思い出させた。


 メリーをめがけて光線が乱れ飛ぶ。

 それは或いは不完全な生命による傲慢な創造主に対する反逆であったろうし、自業自得と表現して差し支えがないだろうし、そもそもむっつりとした表情のもと行われる自作自演の疑いも消えない。

 どれでもいい。どれにしたって僕が許せない。


「ふざけやがって」


 ────だけど、こいつは決定的に僕じゃない。


 痛みに怯まなければ恐れも抱かない。

 僕は痛がりで恐がりだけど、それを恥じたことはない。

 勇敢であることは三百歩くらい譲ってまあ美徳かもしれないけど、無謀であることは美徳でも何でもない。


 そして何より。

 ──僕が僕である限り、魂が僕であるならば、メリーを傷つけるなんて選択肢は死んだって取らない……!!



 身を焦がすような怒りを幾重と繰り返す思考の中に埋めて、麻痺する気配のない痛みもその山の底の方に適当にぶち込んで、思考を氷点よりもずっと下まで冷やして。

 僕はあのカス野郎(ぼく)の殺し方を考える。


 ──僕の勝利条件は、あいつの生命活動の速やかな停止。

 それだけだ。あいつが一秒生き長らえることが、メリーと同じ地面に立っていることそれ自体が僕の人生における汚点であり敗北だ。

 直ちに殺さなければならない。


 そのためにも殺害対象を観察する。奴は射撃のかたわら、己が生来の異形を活かして虚空に触手を蜘蛛糸のように張り巡らせている。

 僕の脳裏に殺し方が次々に浮かぶ。

 刺殺。斬殺。撲殺。絞殺。圧殺。轢殺。撃殺。毒殺。焼殺。爆殺。挌殺。抉殺。凍殺畜殺電殺溺殺殺殺殺殺殺殺──ひとつひとつにバツとマルを付けて手段を吟味していく。

 この不安定な世界には、道徳倫理だの社会秩序だのといった僕を遮るモノは何もない。

 だから、『対象を殺害すること』だけを目的に何百何千回と脳内でシミュレートし、冴えたやり方(最短プロセス)を実践するだけだ。


 歩くような速さで、僕は前進を続ける。

 メリーは微動だにしていない。

 そんな僕を焦らすように、少しずつ相手は後退していく。

 メリーによって作られた天地は造りがどうしようもなく雑で、地面は薄い板切れが地平線の向こうの先の遙か遠くまで続いている。

 だから僕が距離を詰めようとすれば、しぜんメリーからは離れることになる。

 もちろん僕の後ろへ光線は通さない。それは防御のため──ではない。最短距離で確実に殺すためだ。

 僕がこの立ち回りを続ける限り、一定の距離を保ちながら攻撃するという行動を変えることはないだろう。


 そして、ついに触手が張り巡らされた蜘蛛の巣まで辿りついた。

 てらりと光る粘液が付着した糸は、試しに十尺の棒で触れてみるとちょうど十尺先の僕の首を落とすような動きで隠し糸が飛んできた。

 普段のダンジョンの罠に比べて、なんて稚拙なワイヤートラップだろう。まあ、相手は僕だ。仕込むよりも避ける方がずっと得意だからね。

 ──そして、これが僕だということは、相手だってこれだけじゃ通用しないと認識しているはずだ。

 豆鉄砲の光線だってそうだ。これでは、僕ごときを殺すにも至らない。ただ苦痛を与えるだけのもの。……持ってたら僕が愛用しそうだな、その性質は。


 しかしそもそも、一回二回殺す程度じゃ何の意味もない。

 僕ならどうする? 何度でも生き返る相手と対峙するのが僕ならどうする。

 ──相手を無限に殺し続けられる罠を設置した屠殺場スローターハウスを作り、いけ好かない創造主が介入するまで、出来の悪い相似形じぶんを殺し続ける。

 相手の勝利条件はそこだ。どこかでそれを狙っている。

 この蜘蛛の巣は、何手も掛けた詰み手のひとつ。


 僕は懐から一本の瓶を取り出した。

 その内容物は不吉な黄緑色をしている。

 迷宮都市じゃあ間違っても使えない、僕の切り札のひとつだ。



「惜しかったね」



 そして僕は瓶を割った。黄緑色の気体は、空に四散する。

 僕をここまで詰めるまで何十手掛けただろう?

 だけど、こっちは一手だ。

 この瓶を取り出した瞬間から、僕らはもう終わってる。


 ──何億倍と希釈しても、心臓まで麻痺させる気体状の麻痺毒。肌に触れた時点でその死が確定する、最悪の毒物のひとつ。

 その物質の名前は《タランテラ》。

 それは僕の両足よりも速く、半径300mを汚染し侵襲する。その地に誰も住めなくなるし、使った自分だってタダじゃ済まない。


 僕は、異形が倒れ伏すのを見た。

 もちろん、その時には僕も倒れていた。

 身体が動かない。痛みがないことだけは幸いだった。

 僕にとっても、相手ぼくにとっても。


 僕は何度でも死ねて、一方で相手は一度死ねば終わり。

 僕の勝利条件には自身の生存という付帯条件が付いていない。

 僕を殺すために/殺されるために創られたいびつな生命と対峙するにあたって、これ以上なくアンフェアな環境だ。


「つまり。君は僕でありながら、メリーに最初から見放されていたってわけだ」


 ……それはまた、なんとも。ずいぶんと残酷なことだなと思う。





 ──まあ、しかし、これは。意識を取り戻してもまったく身体は動かないし、ずっと死に続けている。

 流石は暗殺者だって使わない麻痺毒だ。ほんの少しずつでも体動かして何とかできる、とか甘いことを考えていた。

 ぜんぜん動けない。指一本すらろくに動かない。当然舌だって回らない。さっきの言葉だってろれつ全然回ってなかった。


 ふむ。

 となると、彼の勝利条件も達成されたということかな、これは。

 案外、スローターハウスを成立させる最後のピースは僕だったのかもしれない。


「やら──れたな──」


 メリーを傷つけようという素振りを見せたのも、あるいは僕が僕であることを信頼していたのかもしれない。そして、その結末として自分が斃れることまで織り込んでいた、と。

 ……うん。妄想かもしれないけれど、案外嫌いじゃないな、彼。もし喋れたなら、もし彼が僕の考えるとおりの僕だったなら、仲良くやれていたかもしれない。ひょっとすると同族嫌悪から更に殺し合いが白熱したかもしれないけど。

 はは。殺してから相手への理解を深めるとは、何とも本末転倒な話だ。


 意識の喪失と回復を繰り返しながら、僕はそんなことを考えていた。



* * *

* *

*



 数えるのをすっかり忘れた頃に、カナンはついに意識の外から振られた一撃を避けることに成功した。

 返す二撃目はカナンの方が速い。しかしそれは異形に避けられた。

 ──避けるのは次の一撃のため。宙返りで身を躱し、その勢いを攻撃へと繋げる。

 しかし、カナンとて同じ術理を知る者。カナンもまた、連携のための回避──身を翻し斧を振る!

 相手の動きに抗する形で、戦闘は加速する。こうなると、定型的な動きを再現する戦闘スキルは邪魔だ。

 こうなればお互い、スキルの動きを乗せなくてもお互いを殺すことができる。


「おおおおオオッ!!」


 カナンは叫ぶ。吠える。哮る。

 この身に抱えた熱量に、少しずつ身体がついてくる。

 ──スキル・ステータスの存在によって、この世界の知的生命体は想念の力で無限に強くなることができる。

 もはや、今のカナンは戦闘直後のカナンより、身体的にも精神的にも倍は強い。

 幾重もの死線を乗り越え、目の前の敵を打倒するための力を求め、その身に熱を宿す者は──どこまでも強くなることができる!


 斧を振る。

 斧を振る。

 斧を振る!

 攻防が瞬時に入れ替わる。攻撃のための紙一重の防御をお互いに続け、その速度は加速を続ける。


「っア──おッらぁッ!!」


 異形の攻撃がカナンに刺さり、カナンは即死し──今度はカナンの側から異形に攻撃をした!

 斧と斧がぶつかり合い、火花を散らす。即ち、今度は異形の側がカナンの一撃に間に合わせの一撃を重ねた。

 ──ついに、カナンが戦闘のテンポを握った。


「っハハ! ──楽しいな、オレッ!!」


 異形は言葉を発さない。しかし、戦闘者は戦いを通じて物言わぬ相手と対話する。

 幾度も幾度も斧がぶつかり火花を散らし、その軌道から、その威力から、相手の言葉を読みとる。


 斧がぶつかる。火花が弾ける。カナンに、もはや手の痺れはない。しかし相手も怯まない。攻撃を受け流し、その衝撃で宙返りをする。

 ──ああ。確かに、楽しい。


 宙から反転して背を狙う攻撃を、カナンは旋回し斧の一撃を合わせる。技量は相手が上だが、力のぶつかり合いならばカナンが上回っている。

 異形はその勢いに身体を弾かれる。

 ──出逢えてよかった。

「ああ!」


 カナンは地を蹴り宙を跳び、スキル《スマイト》を発動し、その遠心力で全身を加速させ──。



「だから、ここで死ね!」

 ──だから、ここで死ね!


 お互いの刃が、お互いの肉体にぶつかった。


 そこには歓喜と、感謝と、純粋な殺意があった。








「ありがとな。……オレは、お前(オレ)も連れてくから」


 相手の魂魄を吸い上げることで、肉体の《適応》は引き上がる。

 異形の生は、カナンの確かな糧となった。






「おう、アニキ。オレも倒してきたよ。すげえ楽しかったな!」


「楽し……? え、うわぁ……。どうしよう……」


 カナンくんの感性がおかしい。おかしなった。

 やばい。ど、どうしようこれ。どうすればいい?やばいぞやばいぞやばばば……!

 ぼ、僕の責任は重い……。


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