表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Amber World Striker アンバーワールドストライカー  作者: TTA
第壱章 その黒き龍は先導者となるか
8/20

第七話 もう一人の自分

「失礼します。」

「ん、来たわね。」

前の通り椅子と机しか無い、殺風景な部屋。

その中に彼女、湯館は居た。

「まぁ、座んなさいよ。」

「はい。」

彼女に促され、椅子に腰掛けた。

「そんで、この部隊の説明だけど、まずあんたには試作機のフレイスヴェルグ推進改良型ってのに乗ってもらうわ。」

「フレイスヴェルグ…推進改良型…?」

「ほら、フレイスヴェルグってさ、加速力低いじゃない?それを外付けのバックパックと内部機構をマッチングさせたのよ、それがフレイスヴェルグ推進改良型。」

「名前…そのまんまですか?」

「あんた、それ気にしたら負けよ、試作機だもの、文句言わない。」

「は、はぁ…?」

「そんで、本題の部隊活動内容だけど、実戦に出てもらうわ、データ取りのためにね。

「他に、居るんですか?部隊所属パイロットは。」

「うーん、今のところ、あんたと田神ってガキと、三上、幹原、そんぐらいね。」

「田神…。」

「あぁ、最初ほんと面倒だったわ、グノーシス盛大に壊すし、機構に文句言うし、今はそうでもないけどね。」

「グノーシスって…?」

「こっちも試作機、万能側面装備の機体、あたしの自慢、なんだけどねぇ…。」

「やっぱり、雪弘ですか。」

「そうよ、でもあんたはちょっとまともそうだし、むしろあんたにグノーシス渡したかったわ…、あと五日間ぐらい早く起きなさいよ。」

「す…すみません…。」

「今の所の所属機体とパイロットを教えたげる。」

「幹原は、一号機イェーガー、三上は五号機ウィルシェル、田神はさっき言った通り八号機のグノーシスよ。」

「お…俺は何号機ですか。」

「知らない。」

「えぇ…。」

「ともかく、湯館局長、これからよろしくお願いします。」

「湯館局長…ねぇ…、幹原から聞いたの?あたしの名前。」

「はい、勇谷との事も聞きました。」

「そう…なの…?」

「もし、俺だったら、ですけど、苦しくなったら、言ってください、俺もある程度は力になれると思います。」

「…ふふっありがとね、でもあんたに言うようになったら、そろそろやばいかしら?」

「いえ、問題ないです。」

そしてゆっくりと椅子から立ち上がった。

「そう?じゃこれからよろしくね、伊勢川担当員。」

「はい、それじゃ失礼します。」

ドアを開けて外に出た。

彼女にも、幹原隊長にも三上にも雪弘にも、誰にでも、苦しいことがある筈だ、それを俺が、どんなに時間がかかろうと変えていかなきゃいけない、そんなことを思っていると、いつの間にか、弓佳のことが頭に浮かび、もう二度とあんなことを起こすかと、拳を強く握りしめた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ