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虚空よりの使者  作者: 最有機
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第二話 学校2

私立釈迦院学校の魔術師学科。


全国にある、ワームの4個と日本ワームホールこれを監視・防衛に当たっている学校だ。

ワームホールと最初に出来たワームの距離は近く、僕達のいる本校が行っている。

魔術師学科の主力も本校に集中している。

これはワームホールがいまだ活動しているのと、最初のワームもまだ未攻略になっているからだ。

付近ではまだ感染者が出現する確率が高く、迅速な対応とって被害を少なくするためである。


現在日本の5個のワームの内4つが攻略され、活動を停止して繁殖の危険はなくなっている。

しかし、海外からのスパイや万が一に備えたり、未だに未知の部分があるので研究のために

学校や仙洞重工の施設は付近に建てられていた。


また本校の魔術師学科の生徒は現在80人在籍している。

クラスは全部で3クラスあり、僕のいる特進くらすは12名しかいなかった。

他はというと、Aクラスで28人、Bクラスで残りの40人となっている。

しかし、この前の戦闘でAクラスの一人が犠牲になったが。


クラス分けの基準は、基本的に使えるメモリーのランクによって決まっていて、

特進クラスは上位メモリーの保有及び使用が出来るもの、それと戦闘技術が学校の基準値を上回る事、

Aクラスは中位メモリーの使用と戦闘技術、Bクラスは下位メモリーの使用となっている。


この学科の授業内容だが、

午前中は、みな同じで一般教養と魔法学・デバイス等の機械学を学んでいる。

午後からの戦闘訓練及び魔法の実技訓練だが、クラスによって内容が異なる。

Bクラスは戦闘訓練と中位メモリーが使用できるように訓練

Aクラスにまで行くと上位メモリーの開発及び使用訓練となる。


特進クラスは自主訓練。

このクラスまで行くと、戦闘技術も教導官より高く、上位メモリーの魔法はほぼ固有になってくるので、

他人による指導が困難になってくるので、それだったら各自のラボや学校の訓練施設で、

勝手にさせた方が効率が高かった。


そして今受けているのが、魔法学のメモリーに関する授業だった。

まず下位メモリー、代表的なのが火メモリーや水メモリーのような変換系のメモリーだ。

このランクだと、メモリーの種類も多く負担も少なく、比較的簡単に魔法が発動できる。


次に中位メモリー、こちらは下位ランクと違い魔法の威力や事象への変換力がかなり高く必要となる。

変換系のメモリーでは、業火メモリーや洪水メモリーなどがある。

負担もかなり高く、人によって苦手な属性になると発動まで遅かったり、発動しなくなったりする。

その為、中位メモリーから得意な属性に絞って、デバイスや戦闘方法を変えたりする。


最後に上位メモリーだが、これは負担もさることながら威力が高く非常に扱いにくい。

というのも、このランクではシナジェティックシンクロ効果がかなり高いレベルで発現するので、

メモリーからBMCを通して入ってくる情報の処理だけでなく、発動する魔法が知覚できてしまうので、

自分がその新しい異物の感覚を受け入れて扱えるかという問題が発生する。

例えば、急に腕や足が一本生えてきて、その現実を受け入れて扱えるかという感じか。

また属性によってさらに違う、白馬が使う火の上位メモリー、轟業火メモリーだが、

発動させてあまり熱量を受け入れ過ぎてしまうと焼死する。

現に白馬は自分の特異の体質もあるが今回の戦闘で扱いに少しミスって、

腕を少し焼かれて治療していた。

人によって上位メモリーの知覚感覚が違うのでまったく参考にならないのだ。

そのため、特進クラスは自主訓練があっていると言える。


メモリーの開発したメーカーによって名前の付け方が異なるが、

文字数が増えると高いランクのメモリーになる。

現在、発動できる魔法メモリーのランクがこの上位メモリーだが、

この更に上の最上位メモリーも開発はされていた。

しかし、使用者が現れないのと実験が出来ないことが難点だ。

上位メモリー使用者でさえ、日本には少なく貴重な戦力なため、

安易に実験やテストが出来ない。


僕も一応、最上位メモリーを持っているが、発動出来なかった。

おそらくだが、デバイスとBMCをもっと最上位メモリーにアジャストすれば使えるかもしれない。

だが、そのためには莫大な資金と実験が必要で、とても自分でやろうとは、まだ思えなかった。


しかし、真面目に授業を受けている僕はなんて優等生なんだろう。

と思っていたら、本鈴がなって昼休みの時間が知らされた。


「七瀬君、ちょっと仕事を頼みたいからついてきて。」

と先ほどまで熱弁を振るっていたクソ担任から指名された。

「いくらでですか?僕は意外と高給取りなんで。」

冗談を交えながら返事をすると

「報酬はクライアントから貰いなさい。」

そう言って移動を始めてしまった。


「先生、僕は人が良いから内容も聞かずについてきたので、

 仕事の内容でも聞きながら歩きたいんですけど。」

「いいわよ、実はねこの前に戦闘の補充要員が入ってくれたんだけど、

 特進クラスに入ってもらうの。」

「へぇ、珍しいですね。うちに入れるなら前の場所でも重宝したろうに。」

「だから内にわざわざ入るってことは・・。」

「問題が大ありな人物か、工作員のどちらかですかねぇ。」

おそらくはどちらかだろう、どっちにしろ面倒だな

「さすがね、でもたぶんだけど、どちらでもないわね。」

「ほんとに珍しいですね。」

「両方だから。」

「はっ?」

「だから、あなたが言った両方の線ね。」

最悪だ・・・・・

もはや他の事を聞く気力がうせた。


なんて話していたら教員室にたどり着いた。

「七瀬君、学長室の前で待機してて、準備できたら呼ぶから。」

「はいはい。」

担任は、学長室の扉をノックすると入室していった。


うんざりしたため、仕事内容をすべて聞いてなかったが、たぶん転入生の案内役だろうと思案した。


暫し待った後、担任が顔を出してきて

「七瀬君、中に。」

ご指名を受けたので、入室して中にいるまず学長に向かって挨拶した。

「特進クラス、七瀬一輝招集に応じ参りました。」

釈迦院(しゃかいん) 彦河(ひこかわ)学長、黄河の親父さんだ。

あと担任ともう一人、転入生と思われる女の子が居た。

身長はあまり高くなく、スタイルがとてもスレンダーで着痩せして見えるせいか胸の膨らみが覗えない。

黒髪ロングヘアーで前髪を揃えていて、とても整った顔立ちで非常に美しい女性が。


「うむ、よく来てくれた。実は七瀬君に彼女の学校案内役を頼みたくてね。」

予想通り、

仙洞(せんとう) (あおい)です。よろしくお願いします、七瀬さん。」

僕は名前を聞いて理解した。なぜ担任が面倒臭そうに話したのと、

僕に話を持ってきたのかを。

「頼むわね、七瀬君。」

一応確認してみるか、もしかしたら勘違いかもしれないしな。

「すみません、セントウさんはもしかして、仙洞重工の仙洞ですか?」

「あっ、はいその仙洞です。」

彼女は僕の願いを砕いて丁寧に応答してくれた。

「仙洞重工の社長の娘さんよ、丁重に対応してほしいからあなたにしたの。」

この担任に殺意を覚えたのは何回目だろう。


僕は非常に厄介な仕事を受けてしまった。


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