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勇者たちの鎮魂歌  作者: 砂場遊美
第2章コロッセオ編
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光の使者たち

「イングリス、あなたの責任よ。」


光のゴーレムは勇者たちを結界で閉じ込める行動をとっていたが、唯一教会の戦士たちに対しては攻撃を行っていた。

コロッセオで竜人と戦っていたチェスター達は突如目の前に現れたゴーレムを対処せざるを得なくなっていた。

竜人はゴーレムの結界に覆われ、こちらからは手が出せなくなってしまった上に複数のゴーレムが彼等に襲いかかったからだ。


「当主殿、これではキリがない。今のテレパシーでもあった通り、我々はこれから狙われる立場だ。

私が申し上げるのもおこがましいが一旦退却いたしましょう。」


イングリスがゴーレムを叩き潰しながら言う。

既にコロッセオにはゴーレムがぞろぞろと集結しつつある。


「本当にあんたが言えた立場かしら?

どちらにしろ後であなたは折檻を食らうわ」


イングリスは黙る。

一方、聖剣で黙々とゴーレムを倒しながらチェスターは竜人に止めが刺せなかったことを悔やんでいた。

次々と瓦礫のように積み重なるゴーレムを聖剣で吹き飛ばしながらチェスターは怒りの感情を隠しきれずにいた。

そのあまりの恐ろしさにイングリスとハンナは身震いした。


「お前達、今は退くしかあるまい。時空魔法の準備をしろ。どのみち首都にはおれん。

しばらくヴァルハラにいるとしよう。」


その言葉を聞き、2人は準備を始めた。

コロッセオ内部で連携して大規模な時空魔法を発動するためだ。

絶えることなくゴーレムが襲いかかるが、3人は魔法を発動するために攻撃に耐えた。幸い傷を負ってもチェスターとハンナはすぐに回復するため、さほど影響はないようだった。イングリスは持ち前の耐久力でゴーレムの攻撃に耐えていた。

3人はそれぞれコロッセオの端に立ち、3人で三角形を成すように位置し、呪文の詠唱を始めた。

光り輝くゴーレムよりも遥かに強い光がコロッセオを包む。コロッセオに魔法陣が現れた。やがて魔法陣が宙に浮かぶと、魔法陣は回転しそこから空中に光の城が現れ始めた。

3人は魔力を全解放させ、空に浮かぶ光の城へと吸い込まれていった。これがチェスターの言うヴァルハラなのだろうか。


光の城へはゴーレムは近寄れず、近づいただけでバラバラになってしまった。

そして光の城もやがてフェードアウトするように空に消えていった。


「亜人種か……俺の右手を切断し、クラウ•ソラスの能力を見せることになろうとはな。

いずれこの手で引導を渡してくれる。」


チェスターは聖剣を鞘に収め、眼下のコロッセオを見ながら呟いた。

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