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勇者たちの鎮魂歌  作者: 砂場遊美
第2章コロッセオ編
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聖剣の真価5

「貴様はよくやった方だ、褒めてやろう。並の者なら今ので全滅して当然だからな。」


チェスターの身体が輝き出す。

彼のオーラを目の当たりにした竜人は何か気付いたような感じで言った。


「そうか、お前そういうことだったのか。

お前のその異常なオーラ、何なのか気になってしょうがなかったが、全部精霊なんだな?」


チェスターの背後、彼を覆い、見守る精霊。だがその数が尋常ではない。何体いるのかわからない。見えるものからすれば、チェスターは精霊の数の多さで見えないだろう。


「そうだ。やっと気付いたか。壮観だろう?

これが聖騎士の力だ。この精霊達の加護こそが、聖なる力の源。傷や呪いはたちどころに回復し、運勢に左右される不確定な事象はことごとく俺に有利に作用する。」


チェスターの傷は全回復し、切断された腕だけでなく、その鎧の腕の部分まで元通りになっていた。


聖剣が竜人に襲いかかる。

チェスターが使っていた時と遜色ないような動きで竜人に攻撃してきた。

チェスターは懐から短刀を取り出すと聖剣と共に竜人に攻撃し始めた。


「この状態でどこまで対処できる?亜人種よ。」


竜人は聖剣、チェスター両方の攻撃を防いでいたが、一瞬の隙をつかれ、聖剣からの斬撃を腹部に受けた。

畳み掛けるようにチェスターが背中を切りつける。

こうなるともう止まらない。実質2対1の状態、相手は万全、そうなると竜人の不利は決定的だった。

ガードもできないまま攻撃を受け続けるしかなかった。

やがて竜人は倒れた。


「戻れ、クラウ•ソラスよ。」


チェスターは短刀を懐にしまうと、右手を前方に差し出し、聖剣を掴んだ。


「これが聖剣クラウ•ソラスの力だ。

持ち主から離れても自律して行動する。武器は持っていなければ話にならない、相手に使用される、そういった弱点を克服した、まさしく最強の武器だ。」


見上げるとイングリスとハンナもいた。


「お前たちは野蛮で困る。首に噛みつきおって…節操がないんだ節操が‼︎」


イングリスが竜人を踏みつける。


「あの女と狼男は尻尾巻いて逃げたのね。あんた1人だけ英雄気取り?」


ハンナは竜人の両腕両足に氷柱を打ち込んだ。


「こいつらも俺と同じ精霊の加護を受けている。これが教会の戦士の力だ。

お前たち、離れていろ。こいつはしぶとい。グランドクロスで仕留めてやる。」



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