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勇者たちの鎮魂歌  作者: 砂場遊美
第2章コロッセオ編
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邂逅4

「暴動がこれほどとは…コロッセオから出るのも一筋縄ではいかないようですな。」


「早くヨハンさん探さないと…また様子おかしくなっちゃうよ」


「グリージャ殿の仰る通りだが………

これは……⁉︎」


コロッセオからいなくなったヨハンを探すためペンドルトンとグリージャは辺りを捜索していた。だがこの暴動で思うように動けずにいたのだ。

コロッセオ周辺でヨハンのオーラを探していたが、周りに溢れかえった暴徒や他の勇者たちのオーラがあまりにも多すぎて感知は困難だった。


だが今ペンドルトンは感じた。いやペンドルトンだけではない。コロッセオ周辺にいるものたちはほぼ全員、コロッセオ外部から発せられるおぞましいオーラをー


「この邪悪なオーラは…おそらくヨハン殿でしょう…。」


「何…このオーラは…

私、今のヨハンさんにはとても会えない。」


勇者たちだけでなく一般人でさえもわかるような邪悪な何かー

それが今コロッセオの外にいる。

それは3年前、世界を救った元勇者のものとは思えない。


それまで混沌としていたコロッセオはこの異変によって一瞬静まった。

だが次の瞬間、堰を切ったように群衆はコロッセオから逃げ出そうとした。

この邪悪なオーラに恐怖を感じたのだろう。

これにより騒動は更に激しさを増した。

群衆は我先にコロッセオから出ようと一斉に出口へと向かい始めたのだ。


ペンドルトンとグリージャは群衆によって引き離され合流が難しい状態となった。

ペンドルトンはテレパシーでグリージャに語りかけることにした。


ーグリージャ殿…!私は外へ向かいヨハン殿を止めてまいります!グリージャ殿はどこか落ち着ける場所まで向かわれますようー


グリージャはテレパシーが使えない。なのでこれは一方通行の伝言のようなものだったがそれだけ終えるとペンドルトンは群衆をかき分けコロッセオ外部へと向かった。



「ヨハン殿…おそらくあの魔剣を使ってしまったのでしょう。」




開戦以前ー

首都でヨハンとペンドルトンがグリージャと合流した後、ヨハンは時折ひどく苦しんでいた。

酷い時では丸一日、その間ずっとヨハンは呻きながら、頭をおさえてもがき苦しんでいた。


ヨハンが、いや元勇者をここまで変貌させてしまった原因ー

それが彼の持つ魔剣ダーインスレイブだ。

一度鞘から抜けば生き血を完全に吸うまで止まらない魔剣。彼が授かった呪い。勇者という絶対的存在から貶められた忌まわしい象徴。


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