正統なる勇者2
「魔王討伐に参加したものたちで3人一組となり、パーティ同士で殺しあうのです。
そして最後に生き残ったものたちが、世界を導く次の王となる。その戦いがこれからフィンガルトで行われるのです。」
元勇者は黙っていたが、少しの沈黙の後、口を開いた。
「その戦いと俺が探してるやつに何の関係がある?」
「あなたはあのお方に勇者としての力を奪われた。いやそれだけではない。国を、名誉を、妃を、そして…」
「聖剣エクスカリバーも」
元勇者が動揺している。
「あなたから全てを奪い、勇者に固執する男が、この戦いに出ないわけがないのです。
元勇者殿、いや勇者殿、この戦いで私と組んでいただきたい。既にもう一人、腕利きの者に話を通してございます。あなたほどの力なら例えあの時の力の一部がなくとも、充分戦っていける…!」
元勇者は鞘に黒い剣をおさめると今度は魔術師に問いかけた。
「お前は誰だ。何故俺の素性を知り、俺を駆り立てる?」
元勇者が自分に興味を持っていることが分かると、魔術師はニヤリと笑った。
「申し遅れました、私始まりの魔法使いの一族マーリンの直系、15世のペンドルトンと申します。以後お見知り置きを…」
「マーリン…だと…」
元勇者は驚きを隠せず、思わず呟いた。そして少し考えたのちペンドルトンを見据え、こう言った。
「申し遅れた、私は始まりの勇者アーサーの一族、17世ヨハンだ。」