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勇者たちの鎮魂歌  作者: 砂場遊美
第2章コロッセオ編
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開戦4

「ところでお前らは勇者機関に心から忠誠を誓っているのか?」


チェスターがジェームズたちに問いかける。

ジェームズたちは先ほどの挑発の時から静かにしていたが、この質問に対しては答えを返した。


「愚問だな、当たり前だろう。私は勇者として世のために戦っているが、もちろん勇者機関への忠誠ゆえだ。」


ジェームズが堂々と返答する。

その答えを聞き、チェスターは拳を握りしめる。


「両者とも、初戦に参加する者のみ前へ‼︎」


勇者機関の審判が宣言すると、第一回戦、第一試合の参加者が前へ出た。

チェスター側はイングリス、ジェームズ側はジェームズが初戦に参加するようだ。


「では、これより第一試合を始める!

始め‼︎」


遂に戦いが始まった。

ジェームズは手にした長剣を構え、臨戦体制に入った。


「お前は確かパラディンだったな。」


「そうだ。お前らごときゴドフロアの当主が出るまでもない。オーラを見るにお前たちは既にどこかの勢力に買収されているな。」


ジェームズが一瞬固まった隙にイングリスは手にした三叉槍、トライデントの一撃をジェームズの体に叩き込んだ。

だが槍がジェームズの体に刺さることはなかった。

ジェームズは残像を残しその場から消えていたのだ。

すると次の瞬間、イングリスの背後からジェームズが突然現れ、長剣を縦に振り下ろした。

イングリスは背後の気配を感知したが、間に合わず長剣の一撃をその背中に受けた。

剣が鎧を切り裂く、鈍い音が響く。

長剣の衝撃は思った以上のもので、イングリスはよろめいた。

ジェームズは呪文の詠唱を始め、再び姿を消した。


「ほう、なかなかやりおる。この鎧に傷をつけるとはな。」


イングリスは辺りを見回すがジェームズの姿は目視できない。

イングリスは魔力を集中させ、ジェームズのオーラを感知しようとしたその直後、体に異変を感じた。


「体が…重い…だと…」


目に見えないジェームズの攻撃が止むことなく襲いかかる。

鎧にはヒビが入り、ところどころ剥がれ落ちている。

トライデントはジェームズの攻撃で手から弾き飛ばされてしまった。

イングリスは満足に体を動かすことができない。ひざまづいて魔法の詠唱もままならない。


「俺がどうして『高速の剣技』の異名で知られているかわかるか?」


攻撃の合間にジェームズはイングリスに話しかける。

イングリスは体を動かそうとするがうまく動けず、攻撃を受け続けている。






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