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勇者たちの鎮魂歌  作者: 砂場遊美
第2章コロッセオ編
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開戦3

「一回戦は教会の回し者か、ガハハハハハ‼︎

面白い戦いになるぞ」


コロッセオ2階の観覧席でアドルフはこれから始まる戦いを見るために席を取っていた。

骨つき肉をむさぼりながらこれからの戦いに心躍らせていた。

傍らにはギーゼラもいる。


「相手は無名の自称勇者たち…教会側の勝ちは見えていますわね。」


「ううむそうだな。

相手の顔にはもう戦意が見れんからなあ。どこかの勢力に買収されている輩かもしれん。」


コロッセオの観覧席は観客や戦いに参加する勇者たちで埋め尽くされていた。

どよめく観覧席を見ると、これが世界の覇権をかけた戦争にはとても見えない。


アドルフ達も観客気分でこの戦いを見ようとしていた。

一回戦に参加するのは教会からの使い、聖騎士ゴドフロア10世のパーティ。

対するのは魔王討伐の先鋒として参加していた、高速の剣技で名を馳せたジェームズのパーティだ。

ジェームズのパーティも決して弱いわけではない。だが相手は聖騎士の一派だ。それもあの10代も続く名家ゴドフロアの当主。

観覧席からでも感知できるほどの強いオーラがその強さを物語っている。


「ほほう、連れもなかなかではないか」


召喚術師ハンナとパラディンのイングリス。

前々回の魔王討伐に参加していた歴戦の猛者だ。

だがその噂が事実なら実際に目の前にいるあの2人はあまりにも実年齢とは違い若々しい。

アドルフはそのことに少しばかりの疑問を抱いたが、戦いがいよいよ始まる雰囲気になると、そんな疑問など頭から離れてしまった。


「戦いになるとやはり疼きますわね…ハルトマンは見に来ないなどと…相変わらずつまらない男ね」


ギーゼラの呟いた一言はアドルフの耳にこそ入ったがアドルフは戦いに見入っていてそれどころではなかった。

ハルトマンは用事があると言って開会式が終わった後にコロッセオの外に行ってしまったきり姿を見ていない。




「高速の剣技で知られるジェームズか…

知らんな、聞いたことがない。イングリス、知っているか?」


チェスターが冷静に尋ねる。


「知りませんなあ、こんなみすぼらしい奴らは。」


イングリスが挑発する。

だが相手も安い挑発に乗るような小物ではない。仮にも魔王討伐に参加し、生き残った勇者たちなのだ。

3人とも静かに殺気立っている。



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