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プロローグ2

首都フィンガルト。

大陸の中央に位置し、温暖な気候と精霊の加護を受けた聖なる場所。

かつて魔王討伐に際し、各国の勇者たちが集い、拠点とした。

多様な種族が交流し、物流や娯楽も活発なまさに一大都市だ。



都市は全部で5つの区画に分かれている。

都市の中央にはかつて勇者たちを統括していた’勇者機関‘が在りし日の魔王討伐の名残を残す。

要塞としての機能も備えた堅牢で巨大な塔は数百万メートルはあろう高さで、雲のはるか上まで伸びており、まさしく世界の中心の機関にふさわしい出で立ちである。


戦いが終わったのちも各地から人々が観光地として訪れているが、それだけにとどまらず、今だ世界各地で止むことのない紛争や海賊や山賊による被害にも対応する組織なのだ。


夕暮れ時で太陽が沈み、街は昼から夜へとその顔を変えていく。勇者機関の50階から街の様子を見下ろして、黒服を着た長身の男はこれから始まるであろう戦いのことを思っていた。


視線を窓から室内の机にやると、そこには今回の戦いに参加するであろう者たちの資料が置かれていた。

いずれも先の魔王討伐で功績をあげた歴戦の猛者たちだ。

その時ドアが開かれ、体格のいい禿頭の黒服の男が入室した。


「ジェラルド殿失礼します。これが最後の参加者たちの資料です。恐らくこれで参加者は全部揃ったでしょう。」


「ご苦労だったなデニス。しかし数奇なものだな。」


この長身の男ジェラルドは勇者機関所属の神官だ。黒髪のストレートで青い目をした男で肌は白く、やや冷淡な印象を持たれる。

この禿頭の男デニスも同じく神官だが、とても神官らしからぬ体格をした、いかにも武闘派な容姿だった。


「そうですな。魔王討伐で結束した者たちが、このような形でまた戦うことになるとは」


「結局魔王を倒したところで魔物との戦いが終わっただけだ。今も各地では民族、種族間の紛争は絶えず、海賊や山賊は減ることはない」


ジェラルドはデニスから資料を受け取り目を通すと、驚きを隠せなかった。


「なんだと!まさかこの男まで参戦するのか⁉︎しかも一緒にいるのは…」


「左様でございますジェラルド殿。此度の三人一組による真の勇者を決める戦い、いよいよ混沌としてきましたな」


ジェラルドは椅子に座り、机の上の大量の資料を前に溜息をついた。


「この戦いの結末、何としても見届けなくてはならないな。さて、参加者も出揃ったことだ。注目株は…」

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