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勇者たちの鎮魂歌  作者: 砂場遊美
第3章魔王討伐編(過去)
157/209

凱旋、そして5

この世界は次の段階へと進まなければならない。


ー絶叫。


その第一歩がこの国である。


ー断末魔。


偽りの平和を享受する狂王。彼は無数の屍を踏みにじり、笑いながら玉座に君臨し続ける。


ー血飛沫。


燃え盛るこの城は革命の狼煙である。そして産声をあげている。新たな世界、新たな平和、これから訪れる真の平和が。この場所で。


ー屍。


私にはそれだけの力がある。血筋だけの勇者共、何も知らず偽りの平和を謳歌し、考えることをやめた傀儡達を断罪する力が。


ー屍。


偽りの王は革命の下、玉座から引き摺り下ろされる。その身に宿った血筋というただ一つの、矮小わいしょうな価値しかない血統さえ奪われ、地を這うのだ。


ー屍。


代わりに与えよう。踏みにじられ、歴史の影に消えていった者達の苦しみを。終わることのない怨嗟の声が、その身を内から、外から焼き尽くすだろう。

狂王は初めて耳にするだろう。消えていった者達の声を。叫びを。

その声は決して止むことはない。未来永劫、止むことはない。


ー屍。


悔やみながら、自分が地獄と共にあり続けなければならない。その苦しみをもって偽りの平和を享受した罰としよう。

私は革命者。


ー偽りの王。


この剣は私を選んだようです。試しに…今のあなたが持ってみるといい。


ー拒絶。


聖剣はあなたを見限ったようです。当然でしょう…あなたはもう勇者ではないのですから。


ー拒絶。


今のあなたに精霊の声が聞こえますか?

聞こえないでしょう?意識を集中してみてください、あなたの中に聞こえるのはー


ー怨嗟。


勇者の血は私が頂いた。あなたの中に流れるのは忌々しい魔族の血。その身体ではあなたは正気を保てないでしょう。


ー暴走。


ですが心配することはないのです。あなたにはこれを授けましょう。


ー魔剣。


その忌々しい血でもって私に会いに来るといい。私は革命者にして代行者。穢れた世界を浄化し次の段階へと導く。旧世代の者は次代の礎として消えるべきなのだ。

故に旧世代の遺物は残らず排除する。その機会はいずれ設けることにしよう。

そして私が引導を渡す。その時こそが新たなる時代の始まりである。

穢れた勇者諸君、偽りではない本物の世界を私は創る。

この聖剣エクスカリバーは私と共に在る。

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