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プロローグ
はじめてファンタジー作品を書きます。
拙いところなどございますが、読んでいただければこれ幸いです。
雲ひとつない青空、仰ぎ見る天は太陽の光に満ち溢れ眩しかった。
それまで暑い雲に覆われ、決して晴れることはないだろうと思われていた空の本来の青さにひときわ感動を覚える。
今日この日、世界を支配していた魔王は倒れ、平和が訪れた。国々は歓喜に湧き、人々は宴を開き、これから来るであろう希望に満ち満ちた未来に思いを馳せる。
銀色に輝く鎧に身を包んだこの精悍な男は魔王を倒し、国民から大いなる祝福を受けた。
馬車が通るのは城の正門へと続く大通り。脇道を大勢の民が埋め尽くす中、傍らに伴侶を共に勇者は凱旋したのだ。
勇者はこれから王になる。
国をまとめ、二度と醜い争いが起きぬよう世界を導いていくのだ。
「ねえ見て、こんな嬉しそうな民の顔、久しぶりに見るわ」
伴侶は屈託のない笑顔で今この時を楽しんでいた。伴侶はこれから妃となり、共にこの国の行く末を見届ける。
民からの惜しみない喝采と祝福を受け、勇者はこの平和を永遠のものにしようと誓った。