別れの合図
文才なくても小説を書くスレで、お題を貰って書きました。 お題:穴ボコ、水をまきにやって来た、さようなら
アスファルトが穿たれるような雨はそうそうない。
あったとしても舗装し直される方が早い。
だからこのイメージは、今はもう昔のもの。
夏の終わりには穴ぼこがあった。
土の地面を穿つ水痕を見ることが秋の到来を知ることと同じだった。
雨上がりの空は、箒で掃いたような秋の雲が流れるもので、雨が降る前より明らかに風は涼しくなっていくもの。
また残暑がぶり返すことがあっても、雨のたびに少しずつ少しずつ、確実に夏は遠ざかっていく。
そういう季節の移り変わりには変化はなくても、地面はもう穿たれることはない。
幼い頃に感じた夏はもう終わっていて、今の夏だけが残る。
感じる風もどこかコンクリートのにおいで、それもまた昔とは違う。
それでも、雨の匂いではあるのだ。
雨が降る。
その予感に刺激されて湧き出すイメージと同じ光景はもはやない。
それでも空は地に水を撒きにやってくるし、それを境に夏は終わるのだろう。
だから私は夏に向けて、例年通りにこういうのだ。
「さようなら」
と。
とても長くなる予定だったのだけれど、素直に季節の別れを詠ってみたら、とてもシンプルになりました。
とはいえ、それほど悪くはないかと。同時に貰ったお題を同時消化することができて一安心。
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390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/08/18(日) 07:23:42.92 ID:2+dlzNWy0
もう少し、いくつかお題下さい
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/08/18(日) 08:11:27.80 ID:cNUD/zxbo
>>390
穴ボコ
水をまきにやって来た
さようなら
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/08/19(月) 00:55:01.78 ID:Oit7IsLn0
>>391-392
把握しました