魔法使いの彼
掲載日:2010/12/14
本当に短いです。
小説とは言えないかもしれませんが、投稿させて頂きました。
授業中。これほどに暇な時間もないだろう。
授業内容は既に塾で習った。
学校の授業はゆっくりと進む。
それと一緒で、時間も果てしなくゆっくり進む。
――――――あたしの彼氏。
冬の白く軽い日の光が、窓側のあたしの彼氏の背中を照らす。
3年間着た制服は、もうすっかり小さくなって、
逞しくなった彼の背中には似合っていそうで似合っていない。
彼は真面目だ。
頭が良いくせに、授業はいつもしっかり聞いている。
そういうところが好きになったんだけど、やっぱりあんたは
もう少し不真面目になっても良い感じがする。
彼は頬杖をつく。
1年生の頃からの癖。
必死に彼に追いつこうとして、私も真似して頬杖をついていたら、
いつのまにか私の癖にもなっていた。
彼はペン回しをする。
彼の細いけど逞しそうな綺麗な指が
青いシャープペンをまるで魔法のように操る。
クルクル・・・
あたしがどんなに頑張っても出来なかったペン回し。
頬杖をつきながら、右手でペンを操る。
仕方ないから、あたしは頬杖だけ真似してみるよ。
凄く綺麗な円を描いて、シャープペンは彼の手に収まる。
時々、
失敗しちゃう彼が、とてつもなく愛しくて、
こどもみたいに
ぎゅっ
ってしたくなるんだ。




