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日常

家族の繋がりの物語。貴方は日々の喧騒で家族の繋がりを疎かにしていませんか?是非、たくさんの人に目を通していただけると幸いです。

 完全に失念していた。冷蔵庫の中やその他にも家の中は確認したはずだが、風呂の確認を忘れていた。シャンプーはなかったが、ボディソープはあった。しかし、努力の証を感じる薄まり方をしていた。頑張れば泡が立つ、絶妙なバランス。...これは俺が使おう。

 シャンプーは明日家から持ってくるとするか。次の往復であの家に行くのは最後になることだろう。

 何もないような日々だと思ってたけど、やっぱり13年もあれば色々なことがあったな。資格を取れたあの日、真っ先に母さんに電話したっけ。ちゃんと生活出来てるか心配して、姉ちゃんと母さんがきたこともあったっけ。そういう思い出も、日々の生活も、全て今の俺に繋がってる。暗い日々だけじゃないんだ、ちゃんと家に感謝して行こう。新しい生活に。

 明日、2人が学校から帰ってきたら一緒に買い物に行こう。子供たちはどんな服を選ぶかな、好きな食べ物はなんだろう。明日はもっと、上手く笑えるかな。そう考えながら俺は懐かしいベッドに身を潜らせた。

 いつもよりはやく寝たからだろう。5時に目が覚めた。朝ごはんを作ろう。やっぱり温まるのが良いよな。コーンスープにパンとスクランブルエッグ。

 まだ5時半。優真はもう起きてくる。

「はやいな」

「癖、ですかね。朝早くに出ていくお母さんをどうしても見送りたくて。」

「やっぱり...寂しいか...?」

「寂しいですよ。でも前を向かないと。」

「....!」子供の勘というやつなのだろうか。それにしてもなんて強い子供なんだ。まだ甘えたい年頃だろ!少なくとも俺は家を出るまでは...

「...?どうしたんですか?」

「いや、なんでもない。強い子だと思って。だけど、困ったことがあったら隠すんじゃないぞ。絶対に頼れ。」

「はい、必ず...。」

「ほら、冷めないうちに食べてくれ。」

 6時、優真が食べ終わったくらいに愛花が起きてきた。なんて、健康的な生活習慣なんだ...でも、思い返してみれば、俺もそうだったな。小学生はまだ生活習慣が整ってるから自分で起きれるけど、中学生になってくると段々寝るのが遅くなって、それでいつも母さんに起こしてもらうんだよな。この子たちも、いつかそうなる日が来るのかな。

 2人を学校に送り出し、俺は速攻で家に向かう。家に帰ってきたら、誰も居ないなんてことは今まであの子たちにとって当たり前だったんだろうけど、やっぱり、おかえりって言ってくれる方が良いもんな。

 タイムリミットは8時間。空港までの移動で往復大体2時間、飛行機で往復3時間。荷物を詰めたりする時間を加味すると結構ギリギリか。頑張るしかないな。

 なんとか2人が帰ってくる前に帰って来れた。今の時代は便利だな。スマホで1時間前でも購入出来るなんて。でも流石に何か食わないと死ねるな。アツアツの白飯に卵を落として、マヨネーズを掛けて鰹節で覆い尽くして最後に醤油を...ふぅ、生き返る..!!一人暮らしの時の朝ごはんは卵かけご飯のアレンジに大変お世話になったな。

 そして、ちょうど子供たちが帰ってきた。

「おかえり。」

「ただいま!!」愛花は元気よく返してくれた。

「た、ただいま...」分かる...!!分かるぞ優真!!小さい頃は近所の人などに行ってらっしゃいやおかえりと言われても元気よく挨拶できるが、中学年高学年といくとそうはいかなくなってくる!行ってきますやただいまは子供過ぎるので、どうもかこんにちはしか言えなくなるbotと化してしまうのだ。優真は、これから新しい生活が始まり、どうも。だと冷た過ぎると感じた結果、勇気を出してただいまを捻り出してくれたんだ!!

「もっと自然体で良いんだぞ?」自分でも分かる。俺は確実に今ニヤついている。

「からかってますよね!」

 久しぶりに笑った。他愛もない会話。こんな幸せがまた訪れてくれるなんて。

 そして、俺は2人を連れてショッピングモールにきた。まずは忘れないうちに、スースーしないお風呂セット。次に、子供たちの服選び。

「遠慮しなくていいぞ」

 優真は試着して気に入ったら恐る恐る手渡してくるが、愛花は試着する度にカーテンを開けて見せてくれる。あぁ、俺がまさかこの立場になるなんて。気付いたら3万を超えていた。初めて子供服の高さを知った。母さんに感謝だな。

「何か、他に欲しいものはないのか?」

「僕は特に」

「ホントに?遠慮してないか?」

「してませんよ、それに今の僕は充分、幸せ...ですから...」

「....!!!そうか...愛花は?」

「まなか、ねこちゃんのぬいぐるみがほしい!!」

「ぬいぐるみ!良いじゃないか、優真は?」

「え、僕ですか!?いいですよ、別に」

 なん...だと...俺はまだ子供の頃から持ってるぬいぐるみ抱いて寝てるというのに別に良いだと...?これからの生活で絶対に優真の隠してる心を暴いてやる...!

 愛花にぬいぐるみを買い、食材売り場で好きなお菓子を選ばせると、時刻は19時を回っていた。やむを得ない。今日は惣菜と、昨日のカレーで自分だけのオリジナルカレーを作らせることにしよう。から揚げ、コロッケ、ハンバーグ、エビフライ、フライドポテト。まるで子供の夢のようだな。

 そして帰宅。今日一日で俺たちはグッと仲良くなれた気がした。

日々を大切に。今日と全く同じ日なんて二度とやってきませんから。

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