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心のスイッチ

家族の繋がりの物語。貴方は日々の喧騒で家族の繋がりを疎かにしていませんか?是非、たくさんの人に目を通していただけると幸いです。

 姉ちゃんの葬式は優真と愛花には伝えずに小規模で行われる予定になった。姉ちゃんがいなくなって気付いたんだ。何かを失って前を向かなかったら、また何かを失ってしまうのかもしれないって。だから、今回は持ち堪えることができた。

 ...あんなカッコつけて引き取ったは良いものの、今の俺はあまりにもだらし無さ過ぎる。髭も髪も伸びてるし、弱い。脆い。今生きてることが奇跡と言っていい。

 こんなんじゃカッコ付かないわな...深呼吸して気を引き締める。まずは俺が変わらないと...子供を不安にさせてしまう。今すぐ片付けなきゃいけないことが山積みだ。まずは、髪と髭をサッパリとして、形だけでも爽やかにした。見た目って大事だな、俺もまだ若く見えるじゃないか。そして、会社を辞めた。うん、少し躊躇った。夢のために入社した会社だったんだから。でも、今の時代は入社くらいならどうとでもなるし、人生で一つの会社だけに依存するのも時代遅れだ。それに、何より環境を変えるべきだと思ったんだ。いい機会...だよな。

 少しずつ荷物を実家に移そう。元々荷物は少ないんだ。数回行き来すれば終わるだろう。まずは、調理器具。この圧力鍋があればほぼ解決だろう。他の家電は...良いか。ちょうどいい機会だし、リサイクルショップに売ろう。かなりの間使ってきたし、姉ちゃんが使ってた家電を使いたい。そして足りないのは順次買い足そう。

 子供と仲良くなれるだろうか。まだ2人が小さかった頃に数回は会ったが、きっとあの子たちにとって俺の第一印象は、髪と髭が伸びた薄汚いおっさんになってしまっただろう。最悪だ。


 叔父さんに引き取られた。でも、僕はただ大人しく引き取られたんじゃない。交渉という名のわがままを言ったんだ。この家は離れたくないって。そしたら雄一叔父さんは少し躊躇った表情をしたけど、僕のわがままを受け入れてくれた。

 叔父さんから言われたことを聞いてハッとしたんだ。僕のわがままは愛花を苦しい生活に追い込んでしまうって。その通りだ。引き取られるのがイヤなら、施設に送るって言われて、どうしても僕はこの家を離れたくなかったからムキになっちゃったんだ。

 大人たちは誤魔化すけど、きっと、お母さんはこの世から居なくなってしまったんだろう。叔父さんの顔を見たらなんとなくそう思った。

さよなら、かな。ありがとう、かな。いや足りない。そんな一言じゃ足りない。探したい。お母さんに合う言葉を。でも今は、ありがとう。お疲れ様、そして何もしてあげられなくてごめん。お母さん。

 僕は、不思議と悲しみに打ちひしがれるような気持ちにはならなかった。寂しい。寂しかったけど、僕には守るものがあるんだ。ここで僕が折れたら愛花を不安にさせてしまう。これからは、愛花を守れる一人前の男になってみせる。そして、どこかで見守ってくれてるお母さんを安心させるんだ。

 お母さんは、いつも笑顔で僕たちを育ててくれたけど、きっと辛かったはずなんだ。お父さんが急に居なくなって1ヶ月後くらいにこの家に住み始めることになった。前の家にお父さんの書斎があったけど、この家にもお母さんは書斎を作って、毎日のように手入れしてた。誰も読む人もいなかったのに。お父さんがいなくなった理由を聞いても、お母さんは答えてくれなかったけど、きっと、お母さんも思い出したくなかったんじゃないかな...

 愛花にアニメを観させながら考え込んでいると、出掛けてた雄一叔父さんが帰ってきた。あまりにも変化した見た目に思わず後退りしてしまった。前の見た目の時からも、優しさは感じていた。けれど、帰ってきた雄一叔父さんは何かが変わったような気がした。雄一叔父さんが話しかけてくる。

「これからよろしくな。」そうだ。これから本格的に家族としての生活がスタートする。優しいということは充分分かっているのに、僕は接し方が分からなかった。だから敬語で「よろしくお願いします。」これしか捻り出せなかった。愛花はよく分からなそうだったので僕は優しく、「これから一緒に生活してくれる雄一叔父さんだよ。」と教えてあげる。

 愛花は会釈して、笑顔で雄一叔父さんを見つめるだけだった。


 愛花の笑顔は姉ちゃんそっくりだった。俺は弱い。これだけで喉が少し痛くなってしまった。早速夕食の準備を始める。無駄にお金だけは貯まってるんだ。俺はいっぱい食材を買ってきていた。子供の定番と言えばカレーだ。俺も母さんのカレーが好きだった。俺はかつて母さんと姉ちゃんが立っていたキッチンで思い耽りながら、カレーを作った。まずは味見。上出来だ。一人暮らし歴10年越えをあまり舐めないで欲しい。甘口にしたので、きっと喜んでくれるはずだ。

 ...子供たちは想像以上に喜んでくれた。こっちも嬉しくなった。子供との付き合い方はまだ掴めないが、もっと喜んでくれるものをあげたいと思った。姉ちゃんの心残りを俺がなくすことが出来るかもと思うと心が更に満たされた。この瞬間、久しぶりに生を感じた。自分は生きていると思った。

 もう時刻も20時...小学生は風呂に入る時間だ。

「風呂入っておいで」...そしたら、明らかに子供がソワソワし始める...俺は考えた、一緒に風呂に入ることを卒業できてないのかと。優真が答える。

「良いんですか?」...良いんですか?...俺はやっと理解した、きっとこれだ。小さい頃に親と風呂に入るのは自然のことだ。しかし、この子は今まで水道代節約のために3人で入るしか選択肢が今までなかったんだ。

「ああ、2人で入っておいで。温まってるよ」

 不思議そうな顔をしながら2人は風呂に入っていく。

「お湯が溜まってる!!」風呂浸かったことないのかよ...!!

 数十分後、子供たちが上がってくる。

「気持ち良かったか?」

「はい、とても」

 子供たちは21時半には部屋の布団で横になる。寝たのを確認した俺も風呂に入る。流石に今日は疲れた...

 風呂に入った俺は回りを見渡す。しかし、風呂にあるはずのものがどこにもなかったのだ。...水洗髪かよ!!!

初めての投稿、そして自分の感情を全面的に出した非常に拙い文章になっておりますが、最後まで読んでくださる方がいると思うととても嬉しいです。感想や評価ポイントを頂けるととても励みになるので良かったら応援してください。

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