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ドリーム×タイムにトラヴェル  作者: 明田 合志
1/1

マイドリーム

 ──避けろ!!

 

 全身に、命令する。しかし、身体は鉛のように重く、全く動かない。

 

 ──くそっ、うわぁぁぁ!!!!!






「……助。嘉助!!」


「くっ、ここは!?」

 

 俺はどうなったんだ!?


「は? 教室だけど」


「ふぇ?」

 

 瞬間、周りから笑いが上がった。

 

 寝てたのか? だとしたら、あれは夢?


「樟葉、居眠りで夢見てたのかよー」


「やっぱり、お前天才!」


「なっ、皆違うって、俺はホントにさっきまで」


「さっきまでどうしてたんだよ?」


「え? えーと……闘ってた」

 

 しまった、と思った時には既に、さっきより一際大きな笑いが上がっていた。


「……樟葉は罰として、放課後図書室に来い」


「……はい」 

 

 ──夢。

 


 担任であり、英語教諭である、天本結実(てんもとゆうみ)先生に睨まれ、俺は、徐々に冷静さを取り戻した。 

 

 そうだ、夢だよ。あんなことが起こるわけがない。 

 

 ──でも、やっぱりちょっと残念だな……


「どうした? 不満か?」


「いや、それは勿論ですが……まあ、いろいろと」  

 

 てゆうか、居眠りの代償としては、罰が大きくないすか?

 




 ──うん、いいよ。樟葉なら。


「夢だったのか……」


「まだ、言ってんの? よっぽどいい夢だったんだ」 

 ホント、いい夢だったよ。

 

 俺は、樟葉嘉助(くずはかすけ)。未だに、5時間前の夢に未練たらたらの、悲しい高校生だ。


「なあ、嘉助。どんな夢だったんだ?」

 

 さっきから、俺と話しているのは、財紘平(たからこうへい)。学業優秀で、女子にもモテるが、それを鼻にかける様子もない。誰とでも仲良くできるし、皆から慕われてもいる。自信を持って自慢できる俺の親友だ。

 

 今、俺と財は図書室へ向かっている。俺は例の罰で、財は本を返しにいくらしい。


「いや、なんか後半はいろいろ大変だったんだけどさ。前半はホントいい夢だったよ」


「夢の細部まで憶えてるなんて……一体何があったんだよ?」


「やっぱり気になる?」

 

 夢の中の話でも、あれを言うのはちょっと恥ずかしいな……


「質問してんのはこっちだっつーの。夢は深層心理を映し出す鏡だからな。気になるに決まってんだろ? つーかだから質問したんだし」


「くっ……深層心理だって? 余計恥ずかしいぜ……」


「さっさと言えよ。もったいぶるな」

 

 財が、微笑しながら催促してくる。

 

 まあ、でも財なら誰にも言わないだろうし、話してみるか。


「俺、夢の中で新城に告白して、オーケー貰った。夢の中だけど」


「マジ? 良かったな! 夢の中だけど」

 

  新城伊月(しんじょういつき)。俺の幼馴染みにして、昔から憧れの人だ。因みに、それを知っているのは財だけで、俺はこの思いを皆に知られないように努めている。『恋愛感情は内に深く秘めること』が俺のモットーだ。


「まあ、所詮夢の中なんだけどな。俺そんな度胸ないし……」


「そうだよな。リアルの嘉助はヘタレだからな」


「おい!! そこは慰めろよ!!」


「事実なんだからしょうがないよ。でもお前そういやあの時、闘ってたとか言ってなかった? あれは?」 

 

 ──瞬間、あの恐怖が体に蘇った。

 

 出来れば言いたくない。言葉に出すと、何故かあの夢をまた見てしまいそうな気がする。


「ああ、あれはさっき後半は大変だったって言ってただろ? それのことだよ……お、図書室着いたな」

 

 丁度いいタイミングで図書室に着いた。これで、違和感なくこの話を切ることができる。

 

 ほっと息を吐いて、俺はドアに手を掛けた。

 

 ──刹那。


「なっ!?」

 

 目に飛び込んできたのは、まるで墨を撒いたような漆黒の世界。さらに──。


「し、新城……?」

 

 血に染まった新城がいた──。

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