最終ダンジョン攻略計画
時は1時間前に遡る
ダンジョン最下層で1人の少年がスライムを狩る
「えい!」
小さなナイフを投げスライムの核に刺す。
「やったー!」
小さな声ではしゃぐ
「魔王様のコピーに自慢しなきゃ」
ダンジョン最下層のもっと奥深くへ行く。1人の転生者が尾行しているとは知らずに。
「あれ?魔王様のコピーどこだろう」
いつも安息をとっている場所、と言っても結界の中にテントというものと灯火、その他の必要な物があるだけだが。
その時足音が聞こえた。
魔王様のコピーは浮遊術で浮いているため足音はしない、つまり
「転生者!?」
「あぁ俺は転生者だ、名乗るつもりもないし名乗らせるつもりもない。お前はここで殺すだけだ。」
相手はとてつもなく強そうに見える剣を取り出す。慌てて小ナイフを投げる
「残念だったな、俺のスキル《絶対防御》でおまえの攻撃は効かない」
これが魔王様のコピー体が言う「チート」、、
「い、いや、、」
腰が抜ける、もう死ぬ運命なのか。転生者は僕に向かって剣を振る
..........条件達成]
誰の声だろうか、、ただの幻聴だ。いつもより光り輝いている灯火をみながら僕は気絶した。
ーーー
「目覚めろ」
目が覚めると魔王様のコピーがいた
「ぼ、僕は、、生きてる、、」
「お前は転生者を殺した」
「え?僕が?」
魔王様のコピーの視線の先には八つ裂きになった転生者がいた。血まみれで原型がよく分からない。鞄から転生者の印と思われるものが刻まれている。
「オオノ、、」
オオノ。そう刻まれた紙と思われるものを拾う。しかし魔王様のコピーにとられ、燃やされた。
「あれには位置を特定する機能が備わっている。魔法ではないまた別の何かが、」
紙と思われるものはビリビリと音を立てながら燃え尽きた。
ーーー
あれから数日がたった、なぜあのオオノという転生者が死んだのか、理由は聞かされていない。
あの出来事があってから大きく変わったことがいくつかあった。
1つ目は身体能力が少しだけあがったこと。
「えい!」
一撃でスライムの核を斬る。スライムを倒しやすく感じた。少しだけいいことがあった。しかし
「ルイア、お前から魔力が一切感じなくなった」
魔王様のコピーによれば僕は一切魔法が使えなくなった。魔力の流れさえ感じない、詠唱しても何も起きない。
「最近やっと魔法できるようになってきてたのになぁ、」
ーーー
地上ー。
転生者によって作られた国、その中でとても目出す建物の中では議論が行われていた。
「あのダンジョンでまた死人がでたぞ」
「死因は不明だってよぉ」
「オオノだっけ?あいつ絶対防御ってチートスキル持っていたらしいぞ」
ダンジョン内で死ぬのはよくありえる、けどダンジョンの調査結果で防御貫通のスキルを持ったものは魔王以外にいない、しかも魔王の部屋に入った記録はない。
一人の男が立ち上がる
「先住民がいる、、」
その言葉に議論の場はざわめいた
「それは本当なの?」
「俺の能力は人狼ゲームで言う霊媒師だ。」
「もっといい例えはなかったの?」
「すまん、けど死んだ人の見たものを全て見ることができる。その中に先住民がいた。」
議論の場が静まる
途端、オオノの死ぬ寸前の記憶を見た一人の男は倒れた。
「お、おい大丈夫か?」
「し、死んでる、、何故だ」
ザワザワ騒いでいる中、1人の人物が入ってくる
「はぁー、最悪的状況だねぇー」
「「イータさん!」」
職人のような服装の女の人が空いている席に座る
「私がトクベツに行ってあげるよ」
周りの人達がざわつく
「ベータさんからの命令だよ、【最終ダンジョン攻略計画】」
イータが呆れながら言う、その言葉を聞いたもの達は皆賛成した。
「けどどうやってやるんだ?絶対防御が貫通した以上、防御面はどうすれば」
男の一言を聞いたイータはスキルを発動する
「《スキルクラフト》」
イータの周りに大量の画面が表示され、イータはそれを操作する
《即死》《無詠唱発動》《連続発動》
シンプルで最強のチートスキル
「こ、これってニューが言ってた物語の神ってやつが怒るやつじゃ、、」
イータは大きなため息をつきながら
「ただのルールでしょ?相手が即死使ってんだからこっちも使っていいじゃない」
それを聞いた者たちは勝利を確信したと思っていた。
ーーー
ダンジョン最終層
ルイアは魔王のコピーに連れられ層の奥へ行く
とても暗く、何も見えない。ただ魔王のコピーの冷たい手の感覚しか感じない。
歩いていくうちに明るく広い部屋にたどり着く、
《最終層転移エリア》
ここはダンジョンクリアしたものだけが使える転移装置があるエリア、この転移を使うとダンジョンは崩壊する。
「お前はここで、転移装置が光ったら転移しろ、」
魔王のコピーはそういうと小さなマジックバッグを手渡す
「これで20年分の食料と隠蔽のオブジェクトがある」
「なんで?またいつもの様に追いやってくれるんじゃないの?」
魔王のコピーはしばらく黙り込んだ後、部屋を出る
「中にある地図の場所へ行け、そこでお前が本来いるべき場所に行ける」
もう魔王のコピーの姿は見えない。
ルイアは1人になってしまった。周りは暗く何も見えない。雫の音が響きわかる。
数分後、2人の足音と共に奥から光が見えてくる。転生者たちだ。
「みっけー、案外可愛い子じゃん。アルファが殺せって言ってなかったら私が飼い主になっても良かったかもなぁ...」
怯えるルイアの頬を触りながらイータは小声で言う。直後、ルイアの頭を触る。
「それじゃ、来世は幸せに生活できる人生になるといいね」
魔法陣が出現する、ルイアは死を察し強く目を瞑る。その時、もう1人の転生者が殺される音がする。
「ねぇーなんでーせっかくチートスキルがあるんだからさー..」
イータが呆れながら後ろを向くとひとつの死体の隣に立つ1人の獣人がいた。
「我は1人の人間に言ったはずだ。面白くない能力を使うなと」
白の長髪に美しい狐耳に大きなしっぽ。
「へー、君がニューが言う物語の神ね」
イータは戦闘態勢に入る。
「ニューに聞いてはおるのだろ?君のそのスキルじゃ我には敵わぬ」
イータは大笑いしながらいくつもの魔法陣を展開する
「存在する全ての物語から能力を借りる権能をもつ神のような存在、だったわね?そんくらいスキルクラフターの私に比べたらちっぽけなことよ」
いつくもの即死レベルの魔法を物語の神に向けて放つ。その攻撃を受けた神はありえぬ方向へ吹っ飛んだ。別にイータが放った魔法に吹っ飛ぶようなものはない。
「まぁ、序盤に強制送還刺せられる人物のスキルとしてはちょうどいいかなってな。さて、次は我のターン。」
盛大に吹き飛ばされた割には無傷で立ち上がる。
手に魔法のようなものを展開し、イータの腹に向けて殴る。
「アッハハハ!こんな攻撃で私にダメージが...え?」
イータの足元に魔法陣が展開され、そこへ吸い込まれていく。
「強制送還術式って名付けようかしら。まぁ、君の元住む世界に帰ってもらうよ。」
イータは絶望と共に魔法陣に吸い込まれていく。イータの視線の先には怯えるルイアがいた。
「絶対に手に入れてやる。」
そう呟きながらイータは元住む世界へ帰っていった。




