訓練と新作料理
ウナギ料理のお披露目は、無事に終わりました。
ステラお姉ちゃんは、帰ってからも食べれたのかな?
最近、コロナお姉ちゃんが、一緒に剣の訓練をしようと誘って来ます。
カリーナお姉ちゃんが、王都に行ってからは頻繁になりました。
今も一緒に、魔法の訓練場で素振りをしています。
「セリカ、姿勢が悪くなってきているよ」
「は~い」
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30分後
「はい、終了。チョット休憩しよう」
お姉ちゃんの合図で休憩になりました。
「はぁ、はぁ、はぁ」
「セリカ、もう少し体力つけないと大変だよ」
「お嬢様方、飲み物をお持ちしました」
サツキさんが来た。座り込んでいる私に、渡してくれた。
「ありがとう」しか声が出なかった。
「これ美味しいね」
お姉ちゃんは、一気に飲んだ様だ。
「昨年、セリカお嬢様が開発した塩分補給水です」
「飲み物迄作っていたんだ」
「汗をかいたときや、夏場等に良いですね。
キッチンでは、火を使うので飲み始めています」
「そうなんだ。剣の訓練ときに持っていこうかな」
「その方が良いですね」
お姉ちゃんとサツキさんが、話をしているのをチビチビ飲みながら聞いていた。
「そろそろやろうか」
「はい」立ちながら言った。
コップをサツキさんに渡した。
「打ち込みをやって、今日は終わろう」
「はい」
以前作ったマネキンにお姉ちゃんと交代しながら打ち込みを始めます。
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1時間後。
「セリカ、終わろう」
「はい。ありがとうございました」
「打ち込みは良かったよ」
「頑張りました」
「またやろうね」
そう言って、お姉ちゃんは走って行った。
「元気だな〜」
◆
昼食後、キッチンにいた。
「ねぇユーナさん。お肉は何があるの?」
「今日は、鶏だな。どうしたんだ?」
「午前中に、剣の訓練をしたからパワーをつけようと思って。牛が食べたい。市場に行こうかな?」
「行ってきな。お嬢が行くと面白い肉を買って来そうだけど。楽しみだな」
「ユーナさんが酷い。ビックリする様な肉を買ってきてやる」
サツキさんと一緒に、市場にやって来ました。
「お肉の場所はどこかな?」
「お肉はこっちですよ」
サツキさんに手を引かれ、売り場迄行く。
売り場に着くと牛の専門店があったので、店に入る。
「こんにちは」と言って入った。
「いらっしゃい。3女様じゃないか、嬉しいね」
「はい。牛肉を買いに来ました」
「店は、1頭買いだからどの部位でもあるよ」
「例えば、捨てる部分はどこですか?」
「尻尾、頭、内臓、足かな」
「尻尾と舌が欲しい。それと中バラ肉を5kg下さい。尻尾と舌の大きさを見せて下さい」
「変わったところを見るな?チョット待っててくれ」
店主が奥に入って行った。
「お嬢様、変なところを買いますね」
「ユーナさんを驚かせたいのもある」
「姉さんは、面白がるかもしれませんよ」
「それが狙いだよ」
店主が出て来た。
「お待たせ」
店主がお肉を見せてくれた。
「この大きさだったら、舌を3つと尻尾を2つお願いします」
「本当に買うのかい?捨てるところだぞ」
「買いますよ、勿論」
「年明けの花火のお礼にしよう。美味しかったら教えてくれ。今回は無料で良いよ。中バラだけ貰うよ」
「ありがとう店主」
商品を受け取り、店を出て屋敷に戻る。
屋敷に戻りキッチンへ
「戻ったよ。大漁大漁」
「何買って来たんだ?」
「舌と尻尾、中バラ」
「バラはわかるが、舌と尻尾は捨てるとこだった様な気がするぞ」
「その通りです。簡単にレシピを書いて来るから預かっといて」
お肉を預け、自室に行きレシピを書く。
牛テールスープ
○ 下処理をする。
○ 下処理をしたテール、酒、ネギ、生姜、水を鍋に
入れて中火で2時間煮る。灰汁を取る。
○ 煮上がったら塩を入れて味の調整する。
○ 完成。
牛たん下処理
○ 下処理をする。塩水で30分漬ける。
○ 下処理したら皮を取り上下で切り分ける。
上側の裏の筋、血管を取る。
○ たん先とたん元に分ける。
先ずここ迄やってもらおう。
一度キッチンに行き、説明をして進めといてもらう。
自室に戻ってから、続きをする。
たんシチュー
○ デミソースを作る。ウスター、ケチャップ、醤油
赤ワイン、バター、砂糖等の調味料を混ぜる。
○ 1口サイズの大きさに切り分けて塩胡椒で焼く。
○ 野菜、きのこを炒める。
○ 鍋に肉、野菜、デミソース、水を入れて煮る。
○ 30分程煮る。とろみがついたら完成。
牛バラ焼き
○ バラ肉は薄切り、キャベツは千切り。
○ 醤油、砂糖、生姜を主とした、調味料を作る。
○ 肉、野菜を炒め、調味料を入れて混ぜながら炒め
る。
○ 完成。
たん焼き
○ つけダレを作る。長ネギの微塵切り、塩胡椒
オリーブオイル、レモン汁、すりおろしニンニク
全てを混ぜる。
○ たん元を2cmの厚さに切り分け、片面に格子状の
切り込みを入れて焼く。
○ 焼きあがったらつけダレをのせて完成。
残りのレシピを書き終えたので、キッチンに行く。
キッチンに入ると、丁度下処理が終わったところだった。
「お嬢、終わったぞ。次はなんだ?」
「レシピを書いてきたから、見てもらえるかな?」
レシピを渡した。
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「お嬢、調味料を作ってくれ。シンディはスープの方と、バラ焼き。私がたんを切ってシチューの方に行く。たん焼きは後回しにする」
「スープの方は、煮込みが後1時間位です」
「わかった。バラ焼きから進めてくれ」
作業スタートです。
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「出来た!!」
「お嬢、早く試食しようぜ」
軽く盛りつけて、試食開始です。
「良いね、美味しいよ。上手くいって良かった」
「たんは美味しいな。今まで捨てていたのが勿体ないな。焼いたのもレモンが効いてさっぱりしてる」
「スープも骨から出汁が出てますね。お肉も柔らかいです。バラ焼きは玉ねぎの方が甘さが出て良いかもしれないです」
「次はそれでやってみようか」
「そうですね」
ユーナさんとシンディさんは、美味しそうに試食してました。
夕食が始まりました。新作ですとだけ伝えてました。
「美味しいけど、何の肉なのかな?」
お父さんから質問が、来ました。
「牛です」部位迄は言いませんでした。
「変わった味よね。牛のどの辺なのかしら」
お母さんも気にしているようだ。
「食べ終わったら言いますよ」
「何を隠しているのかしらねぇ?」
コロナお姉ちゃんは全品2回おかわりしてる。
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夕食が終わり、リビングでお茶を飲んでいました。
「さてセリカ、白状しましょうね。牛のどの辺なのかしら?」お母さんの圧が凄い。
お父さんが、カップに口を付けたとき、
「牛の舌と尻尾です」
「ブーーー」お父さんが噴いた。
「ダイナ、なにやっているのですか?」
「すまん。セリカの答えにビックリした」
ルーナさんが、拭くものを持ってきてくれた。
「なんでそんなところを買って来たんだ」
「食べたかったからですが?
お父さんも美味しいって言ってましたよね」
「他にも美味しいところはあるの?」
「内臓」
「「えっ!!」」両親が驚いて、固まった。
今のうちに逃げよう。
「おやすみなさい」
自室迄ダッシュした。
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