調味料を売りたい
朝食後から、自室でスマホの電子書籍で面白そうな新作を読んでいると。
「お嬢様、お客様です。応接室迄お願いします」
サツキさんに呼ばれた。
「は~い、いきます」
スマホをシャットダウンしてから、自室を出て応接室に行く。
執務室に入ると、クオンさんとカゼットさんがいた。
「座ったままで良いよ」
私も席に着く。
「クオンさん、おかえり。黙って行くのは狡いよ」
「お嬢様が「行きたい」と言いそうだったので」
「お父さんに止められているから言わないよ。
それで、今日はどうしたの?」
「先日の肌荒れ防止のクリームの件で来ました」
「うん、それで?」
「商会で作らせて下さい」
「それは良いけど、錬金術師の目処が立ったって事かな」
「そうです。数人ですが、確保出来ました」
「結構早くに確保出来たね」
「錬金術だけでは、食べていくことが出来ない人もいますから」
「そうなんだ。じゃぁお願いするよ。
カゼットさん、製品を使ってどうだった?」
「はい。とても良かったです。肌がとても良くなりました。使った従業員もそう言っていました」
「そう良かった。契約はお父さんが帰って来たらお願い。材料とかは、パレットさんに聞いて欲しい。
それで、もう一つ相談が、あるのだけど」
「何でしょうか」
「新しい調味料を作ってみない?」
「新しい調味料ですか。気になります」
「ちょっと待っててね」
一旦、席をはずしキッチンに行き、ユーナさんにキャベツの千切りを作ってもらい、お茶と千切り、小皿、ウスターソース、ケチャップをカートにのせて持って行きます。丁度サツキさんに手伝ってもらった。砂糖も持って行こう。
「お待たせ」
サツキさんにお茶を入れてもらう。
私が他のをテーブルに置く。
「これが、新しい調味料のウスターソースとケチャップ。千切りにかけて食べてみて」
2人は小皿に千切りをのせて、ウスターソースから試していた。
「「美味しい」です」2人がハモった。
「家は昨日、野菜炒めにウスターソースで味付けしたよ。フライにかけても良いし」
「作りたいです」カゼットさんが言った。
「レシピも作ってあるよ。お酢と香辛料が入っているから多少の保存は出来ると思う。
マヨは玉子だから保存出来ないけど」
「香辛料を使っていると言う事は他のところでは作れ無いと言う事ですよね」
「他で輸入していなければそうね」
「フソウ国との貿易品目にもなる。会長やらせて下さい」
「お父さんが帰って来る迄に考えてくれれば良いよ。契約が出来ないから。
それから、甜菜は見つかったから探さなくても良いよ」
「何処で見つけたのですか?」
「市場で、さとう大根の名前で売ってた」
「そうですか。もう試作はしたのですか」
カートから持って来る。
「これが試作品。摘んで舐めてみて」
2人は、口にしてみる。
「本当に砂糖だ」 クオンさんがビックリしてる。
カゼットさんも同じである。
「お父さんには報告して、王都で情報を集めてもらっています。塩の事も」
「塩も考えているのですか?」
「そう。せっかく海があるのに勿体ないよ」
「海の塩は苦いのでは?」
「全部やるとね。お父さんにも言ってあるよ。
とりあえずは、お父さんが帰って来てからだね。
それよりも外国の話を聞かせてよ」
クオンから船の旅やフソウ国、ドフォー帝国の話を聞き、いつか行く事を誓った。
店に戻った2人は話をしていた。
「お嬢様の許可はもらえたが、大変だな」
「化粧品に調味料、砂糖、塩、海藻。
お嬢様作り過ぎですよ。魔導具の事を聞き忘れた」
「魔導具は領主様より相談を受けてるから良い。
それよりも、食品加工部門を作らないといけないぞ。香辛料等のフソウ国の材料は、早くて夏以降だからな。準備だけでも進めよう」
「はい。食品関係は、私にやらしてもらえませんか?」
「構わんが、何かあれば相談する事。補助を最低1人付ける事。いいね」
「はい」
クオンはこれからの事を考える。新しく始まる事が楽しくてしょうがない。
学園関係者がクラス分けのため集まっていました。
「今回の試験はどうなっているのだ? 有力貴族の子息がB、Cクラスとなっている。王女殿下はCクラスだぞ。フソウ国の5人は歴史を除けば、ほぼ満点に近い。総合でもAクラスになる」
「南も総合だとAが4人、Bが3人」
「西は総合だとAが2人、Bが5人」
「東が総合だとAが1人、Bが5人」
「北が総合だとAが3人、Bが2人」
「候爵家が総合でAが1人、Bが1人、Cが5人」
「公爵家が総合でCが2人」
「王家が総合でCが1人です」
「宰相閣下に相談してくる」
学園長は宰相に相談に行ったが、そのままで良いと言われ、成績を発表すれば納得するのであろうとも言われた。
学園は、成績の発表をする事を決めた。
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