知らせと到着
スバル家を出て数日後、セリカからの書状が届いた。
セリカの書状を読んでビックリしている。
「ダイナ、どうしたの? 何かあったの?」
ルシーダは心配そうに言って来た。
「悪い事じゃ無い、いい事だ。宿に着いたら義兄上と話さなくては」
今晩泊まる宿に着き、ダイナはレックスに話しかけた。
「義兄上、先程セリカより報告があり、砂糖が出来る植物を見つけたそうです。私が帰る迄には、試作するそうです」
「それでセリカは、何を言って来た。ただ作るだけでは言って来ないだろう」
「売るにあたっての情報収集をして来てくれと書いてありました。ついでに塩の事も」
「そこまで考えているのか。頭の回転が速いな。
砂糖にしても、塩にしても税金が絡んで来る」
「取り扱っている貴族もありますよね」
「それもあるが、先ず王城だな。それで南部のみの取り扱いにしないと軋轢を生む」
「そうですね、先ずはお伺いですね」
この後も話は続く。
ー・ー・ー・ー・ー
王都の外縁部の門に来たフソウ国の一行は、入都のチェックをしていた。王城からの通達があったため、スムーズに通れそうだ。
兵士の方より宰相と言う方からの伝言がありました。
「本日からの宿は、こちらの宿をお使い下さい。
場所は、この地図をお渡しします」
地図を護衛が受け取った。
「2日後の10時迄に登城して欲しいと連絡がありました。詳しい事はその時にお聞き下さい」
「ありがとう。貴方方も職務に励んで下さい」
そう言って、王都に入って行きました。
ー・ー・ー・ー・ー
2日後、王城で受付を済ませ、応接間に入り待っております。数分後、宰相らしき人が入って来ました。
「お待たせして申し訳ありません。
私は、この国の宰相を務めている、イオタ・ギニールランボと申します」
「お初にお目にかかります。フソウ・ヒシミツ連合皇国 第4皇女 ミラージュと申します。
左にいるのが、我が国より大使として赴任するスタリオンと申します」
スタリオンが礼をする。
「先ずはお座り下さい。この後、我が国の国王に謁見の間において会ってもらいます。
多少話があると思いますが、言えない事は言わなくて良いです」
若干の注意点を聞いて、移動です。
謁見の間に入り、国王を待ちます。
「国王陛下のご入場です」
合図があり、全員が頭を下げます。
国王が入場して、席に座る。
「頭を上げよ」
全員が、頭を上げる。
私は、一歩前に出て。
「お初にお目にかかります。フソウ・ヒシミツ連合皇国 第4皇女 ミラージュでございます。
お見知り置きを」
「うむ。この度は、遠いところご苦労であった。
今回は、魔法学園に入学したいと聞いておる。
何故、我が国を選んだのだ」
「昨年、暴風雨に巻き込まれ、こちらのホーデン領に座礁致しました。
その時にホーデン領では領主一家は勿論の事、領民の方にも親切にしていただきました。
その時に、友人となった領主の娘に魔法を本気で覚えたいのなら魔法学園に入学はどうかと勧められました」
「わかった。では、これから我が国とはどうしたい?」
「先ずは、貿易等で関係を深め、いずれは国交を持てればと思っております」
「そうだな。我もそう思う。フソウ国は遠いのか?」
「ホーデン領の港より南東に船で10日です」
「そうであるか。皇女の国では、船による貿易は盛んであるのか?」
「はい。盛んであります」
「うむ。皇女が、我が国に来たことを歓迎する。
これにて謁見を終了する」
そう言って退出をした。
先程の部屋に戻り、宰相とこれからの話をしています。
「皇女様の入学の試験ですが、明日でも宜しいですか? 入学希望は5名ですか」
「はい、構いません。私を含み5名です」
試験の日程表をもらいました。
「他に何か有りますか?」
「王都内に家を借りれませか?学園の長期休暇の時にはそちらで過ごしたいのと、これから両国の関係を深めるための拠点として使用したいのですが」
「そうですな。希望等有りますか?」
「ホーデン家かスバル家の近くがいいのですが。
それと借りた敷地内には治外法権を認めていただきたい」
「場所に於いてはわかりました。治外法権は犯罪等は協議すると言う事で宜しいですか」
「はい、構いません。私が寮に入っている時は、スタリオンと話をして下さい。彼が責任者となります」
その後も、打ち合わせが続いた。
ー・ー・ー・ー・ー
試験が始まりましたけど、この国の歴史等わかりません。計算と魔法の基礎は出来ました。
午後は、検査と実技です。
検査は簡単に終わり。
魔法実技は、水魔法で的の中心にしっかりと当てました。他の4人も中心に当てています。
試験官が私達の発動の早さにビックリしてます。
何故でしょう?
剣技は、バッチリです。これでも船乗りですよ。
無事に終わったので、良しとしましょう。
宿に戻るとスタリオンが来て。
「どうでしたか?」
「この国の歴史、地理なんてわからないわよ!」
「他はどうでしたか?」
「他はバッチリでした。魔法の基礎はあの人に感謝ですね。今何してるの?」
「本国で、魔法の普及の仕事をしてますよ。そのために主人を変えたのとですから」
「誰になったの?」
「第3王子です」
「あぁ、あの人ね。あの人は崖っぷちだったから、これから何とかしないと放出だから。私は今回の魔法と他の大陸の発見、貿易、外洋病の治療でどうにかなったけど」
「皇王は厳しいですね」
「民の事を考えてみれば遊んでなんかいられないわ」
「そうですね」
皇女の新しい生活と仕事が始まります。
王城では、国王と宰相が話をしていた。
「話をしてどうだった」
「しっかりとした女性でしたね。知識もあり観察力が凄いです。頭の回転が早いです」
「家の第1王女と仲良くなれそうか?」
「難しいですね。正反対の性格ですから。皇女は外交、貿易をやっていて外を見てますので。
第1王女は王宮から出ませんので、外の事を知りません。それに、自分中心ですから」
「批判か?」
「事実を言っただけです」
「くっ!」
「どうかなさいましたか?」
「何でもない。もう良い、下がれ」
宰相が退出して行く。
「第2と第3王女の教育を考えねばならんな」
これからの事で悩む国王であった。
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