髪留めの試作をしよう
おはようございます。本日は服屋の店主さんと髪留めの打ち合わせ日です。朝食も食べ終わりましたので、シュシュとお団子カバーを作ります。
「ルーナさん。布の端切れとかあるかな」
「あると思いますよ」
「少し分けてくれるかなぁ? 裁縫道具も借りたい」
「メイドの休憩室に両方ありますから、お部屋に持って行きますね」
「私が休憩室の方に行くよ。自室からすぐに道具を持ってくるよ」
「先に休憩室に行ってますね」
一旦、自室に戻り髪ゴム、ペン、定規、打ち合わせの資料と絵を持って休憩室に行きました。
「お待たせー」
「セリカお嬢様、布はここに。裁縫道具はこちらに入っています」
「ありがとう。しばらく借りるね。それで、サツキさんに後で来るように言っておいてくれるかな」
「わかりました。それで何を作られるのですか?」
「髪留め用の小物だよ。昨日の夕食の後、サツキさんが着けていたでしょ」
「あぁ、見ました。私も欲しいです」
「昨日のはただ布をかぶせて髪ゴムで留めていただけだよ。それを一体化させた物をこれから作るんだよ。サンプル用を作るから、暫く部屋を借りるね。休憩のときは入って来ていいから」
「わかりました。それでは失礼いたしますね。」
ルーナさんが、部屋から出て行った。
私は作業を開始した。まずは、シュシュから作りましょう。
「えーっと、布はこれだから」ゴソゴソと箱の中の柄の付いた布を、探して行きます。
「ヨシ! この赤の花柄と青の花柄にしよう」
布を選び、形を決め裁断して髪ゴムを仕込みながら縫い始めた。
暫くして、サツキさんが入って来た。
「セリカお嬢様、遅くなってすみません」
「忙しいのにゴメンね。今髪留めを作っているの。それで2つできたから、ちょっと着けてみていいかな」
サツキさんを椅子に座らせ、青いシュシュをお団子に着けた。
「これで、どうかな」
丁度、姿見の鏡があるので確認させた。
「お嬢様、可愛いです。これください」
「駄目だよ。これサンプル用に作ったんだから」
「えー」
「今から、お団子カバーを作るから、チョットこっちに来て」
サツキさんを椅子に座らせ、シュシュを取った。
そして、お団子に被せる様にして、髪ゴムで固定した。そしてカットする位置にペンで線を引いていく。もう一つは、飾り付きにしよう。
「サツキさん、もういいよ。ありがとう。仕事に戻って」
「お嬢様、少し借りても良いですか。これつけたら気分良く仕事出来そうです」圧がすごい。
「しょうがないなー。お昼迄だったらいいよ」
「ありがとうございます」と言って、鏡の前で着け始めた。
「それでは、お昼迄お借りします」スキップしながら出て行った。
「さて、お団子用を作るか」また作り始めた。
途中で、サラさん、ルーナさん、ユーナさんが休憩室に入って来たが、声をかけづらかったのか、静かに休憩していた。
暫く布を縫っていて、もうチョットで終わりそうな時に、カリーナお姉ちゃんが突入してきた。
「セリカ、私にも頂戴」うわ、びっくりした。
「えっ、どうしたのカリーナお姉ちゃん」
「サツキが可愛い髪飾りを着けていたから、聞いたらセリカが作っているって言ったから」
「あぁ、店主に渡すサンプルだよ。サツキさんにはお昼迄貸してるの」
「私にも、貸して。お昼に返すから」
「いいよ。はいこれ。自分の好きな様にしてみて」お姉ちゃんに、赤いシュシュを渡した。
「ありがとう。チョット借りるね」慌ただしく出て行った。私はまた作り始めた。
「できたー」お団子用も出来た。これで打ち合わせが出来るぞ。集中しすぎて何時間経ったのかわからなかった。
そしたら、サツキさんがやってきて
「セリカお嬢様、昼食の時間ですよ。それと、これありがとうございます。気分良く仕事が出来ました」
「じゃあ、今度はこれを着けて見て」白いお団子カバーを渡した。チョットした飾りが付いたタイプです。
「着けて違和感とか無い?」
「これも可愛いです。少しだけでも着けていて良いですか」
「お昼の間だけだったらいいよ」
「ありがとうございます。」片付けをしてから、サツキさんと一緒にダイニングに向かった。
ダイニングに入ると、私が最後だった。
「遅れて、ごめんなさい」
「大丈夫だよ。皆来たばかりだから。それでサンプルは出来たのかい」とお父さん
「はい、できました。一つはカリーナお姉ちゃんに、もう一つはサツキさんに貸しています」
「カリーナ着けているのが、そうなのかい」
「そうです。どうですか、可愛いでしょう」カリーナお姉ちゃん、ドヤ顔だよ。
「すごく可愛いわね。似合ってるわよ」とお母さん。
「あれ、私の分は?」コロナお姉ちゃん
「お昼迄、貸してるだけだよ。サンプル用だから」
「んー わかった」チョット不服そうだ。
「それと、サツキさんチョット来て」
「はい」サツキさんが、こっちに来た。
「今サツキさんには、お団子を全体に包む様な形の物を着けて貰っています。チョット後ろを向いて下さい」
「はい」サツキさんは、クルンっと半回転した。
「あっ、そっちも可愛い」とカリーナお姉ちゃん
「サツキさん戻っていいよ」サツキさんは、戻って行った。
「この感じのを、色違いで2つずつ作りました」
「ご苦労だったね。じゃあ服屋の店主には、サンプル品と絵を渡すので良いのかい?」
「そうですね。絵の方は説明が必要です。それと、今カリーナお姉ちゃんとサツキさんが着けて貰っているので、このまま店主さんに見てもらうのはどうですか?その方がイメージが湧きやすいと思います」
「そうだね。カリーナ、サツキは、打ち合わせに出て欲しい。いいね」
「「はい」」二人は、返事をした。
「では、お昼にしよう」
やっとお昼ご飯になりました。
御覧いただき、ありがとうございます。