海藻と魔導具
今日は、カゼットさんとの打ち合わせの日になります。
朝からキッチンに入り、昆布出汁、乾燥ワカメ、天草からのところ天と寒天、お酢を使ったドレッシングや甘酢餡掛けを作っています。
丁度出来上がった時に呼ばれました。
「セリカお嬢様、お呼びです」
サツキさんに呼ばれました。
「はーい」
サツキさんと一緒に食事を運ぶカートに乗せて、応接室に行きました。
◆
応接室に入ると、お父さんとカゼットさんがいました。サツキさんにはいてもらいました。
「今回来てもらったのは甘味を売りたいと聞いたので来てもらった」
「はい。フソウ国の食材の納入時にお話をさせていただきました」
「それで、領主邸では製造出来ないので、商会の方で手配出来ないかと思い、来てもらった」
「それは可能です。出来ればレシピを他に回さずに我が商会のみ公開の専属が条件となります」
「セリカはどうだ?」
「それで構いません。出来れば他の海藻も扱って欲しいのですが、どうでしょうか?」
「どの様な種類になりますか?」
「今は、昆布とワカメ、天草の3種ですが、他は海苔、ひじき等です。見つかれば一緒に取り扱って欲しいです」
「見つかった時に相談でいかがでしょうか?」
「それで構いません。
実際に海藻を使った物を見て、食べていただきたいです」
サツキさんにテーブルの上に乗せてもらい、1つ1つ説明をしていった。
お父さんも初めて食べる物もあった。
カゼットさんは、寒天ゼリーと羊羹以外は食べていなかったのでとても驚いている。
特にお酢を使ったドレッシングが気に入った様だ。
試食の後は、寒天や乾燥ワカメ、昆布の作り方をレシピと一緒に教えた。
「料理以外の物と甘味を商会で扱わせていただけるとの事ですね」
「そうなります。甘味は領主邸でも少量作りますが、販売等はしません。
ギルドに登録して商会のみ公開でいいですか?」
「はい、それでお願いします」
「お父さん、決まりましたよ」
「そうだな、甘味の特産品が出来そうで嬉しいよ」
「新作はどうでしたか?」
「美味しかったよ」
「良かったです。そうだ、カゼットさん寒天やお酢は多少の日持ちはしますが消費の期限を決めといて下さい。それで料理はどうでしたか?」
「とても美味しかったです。
今まで廃棄されていたのが残念です」
「これから海藻は値が付きますので、乱獲になる可能性があります。気を付けて下さい」
「はい」
「先ずは寒天ゼリーからですね。羊羹とドレッシングはフソウ国の材料が必要になりますから」
この後は、少し雑談をして終わった。カゼットさんはホクホクして帰って行った。
◆
自室に戻り魔導具の機能を考え始めました。
本人確認(登録使用者)は。
○身分証明のカードを作り機器に差し込んで使用
○個人の魔力を記憶した器具を機器に差し込んで使用
○マジックバッグの使用者限定の登録方法の使用
○指の指紋を使用
○1台1台違うキーの使用
○本人確認を3回間違えると魔導具がロックする
○登録1人用と5人用の2種類
盗難防止
○鎖と錠前の使用
○ステップ(スタンド)を使用するとグラビティがかかり重くなる。本人確認で解除
以上かな? 後は相談だね。
昼食後、リンダさんのとこへ行く。
「んーんー、本人確認は難しいですね。魔導具のロックは出来ます。最初に血を1滴ではダメですか」
「血を使うとどうなるの?」
「最初に魔石を付けて置いて、その魔石に血を1滴付け記憶させ、魔力流した時の反応で持ち主かそうでないかを診ます」
「それ採用します。魔石を簡単に交換出来ない構造にしないといけないけど」
「魔導具と一体化させればいいでしょう。
複数人も可能ですね。
専門の部署で交換や登録をしてもらう様にすればいいと思いますけど」
「それも採用です」
「盗難防止ですが、これは付与魔法を考えていますか?」
「いいえ、方法は何でもいいの。ステップ(スタンド)を出して魔法が発動して、本人確認者が魔力を流して解除すればいいだけ」
「魔法陣を魔石と併用すれば出来ます。ただ魔法陣にする事で魔法の中身が知られて仕舞います。秘密にしたい場合は不可ですね」
「別に1つ位公開してもいいわ。盗まれて悲しい思いをするよりはいい。それで複製は可能なの?」
「可能です。あまり知られていないのですが専門の用紙が有ります。私も少し持っています」
「それはクオンさんのところで調達は可能なのかな?
可能なら何処で出来るか教えて欲しい。
1枚の値段も知りたい」
「出来ると思います。ただ隣国での調達になって仕舞います。取り扱っているところをお教え致しましす」
「ありがとう助かるよ。纏めると本人確認は魔石で血の登録、盗難防止は魔法陣でいいのかな?」
「そうです。魔法陣をやる時にお嬢様に来ていただければ」
「わかった、これで進めて必要な時は連絡を頂戴。
難しく考えてた、リンダさんのおかげで上手く行きそうだよ。ありがとう」
リンダさんに用紙の取り扱いの店を教えてもらい、そのままクオンさんの店に行き用紙の事を伝えた。
隣国にもツテがあるそうなので良かった。
とりあえず30枚頼んだ。
用事を終わらせて屋敷に戻り、お父さんに報告をした。
今日は充実した日だったよ。
後は、美味しい夕食を食べて終了で〜す。
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