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お土産の魔導具

 今朝、ルバス家は帰って行きました。

 調味料とレシピちゃんと渡し、お金もいただきました。

 辺境伯様は、まだ沈んだままです。

 ステラお姉ちゃんが、私の作る魔導具を作る所が見たいと駄々をコネ始めなだめるのが大変でした。


「ルバス家も帰ったし、私も始めますか」

 先ずは倉庫に行き木材等使えそうなものを探します。

「これだけあればいいかな」

○後ろに付ける車輪は回る魔導具に直結する

○前に付ける車輪にはハンドルを取り付ける軸を付ける。

○乗る所は長さ60cm、幅20cm

○ハンドルは一文字

○車輪は直径25cmで滑りにくい様に溝を付ける

○木材なので強化、硬化を付与する

○出来るだけ細密にイメージをする

「さて、やるか!!」

 (イメージを固めて)

 「モデリング、強化、硬化」

 数分後に出来上がった。

「出来た!!」

 魔導具を付けたキックボードが出来た。

「降りた時の転倒防止のステップを忘れた」

 追加でモデリングして取り付けた。

「乗ってみよう」

 魔力を魔導具に流すイメージをして片足を乗せて2度程地面を蹴って走らせ魔力を流すと魔導具の力で走り出した。

「やったー、動いた!!」

 暫く敷地内を乗り回していた。

 舗装してないからガタガタするけど結構楽しい。

 乗り回していると、お姉ちゃんズが来た。

 一旦止めてから降りた。

「セリカ、何をしてるの?」

「昨日貰った魔導具で乗り物を作った」

「乗ってる所を見せてー」

 同じ様にスタートして乗っているところを見せた。

「私にも貸して!」

 カリーナお姉ちゃんが言って来た。

「私もー!」

 コロナお姉ちゃんも言って来た。

 2人の前で止めた。

 使い方を教えてから。

「順番にね」

 カリーナお姉ちゃんから乗る様だ。

「借りるね」

 そう言って乗り始めた。

 おっかなビックリしながら乗り始めたが、その内そこそこの速度で走り回っている。

「面白かった。コロナ交代」

 コロナお姉ちゃんも同じ様に最初はユックリとしていたが、慣れたら速度を出し始めた。

「何してるのかしら?」

 後ろから声がした。

 後ろを向くと、お父さんとお母さんがいた。

「昨日カリーナお姉ちゃんのお土産に貰った魔導具で乗り物を作りました。試験運転中です」

「面白そうなものを作ったわね。私でも乗れるかしら」

 話をしていると、コロナお姉ちゃんが帰って来た。

「面白かった。これ欲しい」

「魔導具が1個しか無いからダメだよ。

 使いたい時に言ってくれればいいよ」

「そうするー」

「セリカ、借りるわよ」

 お母さんが乗り始めた。最初から結構な速度だよ。

「あっ、ジャンプした」

 今度は。

「ジャンプして横に回転させた」

 硬化と強化をかけて良かったよ。

「良かったわ。ありがとう」

 戻って来たお母さんが言った。

 お父さんも乗り始めた。

 お母さんと同じ様にジャンプをさせている。暫く乗って戻って来た。

「ありがとうセリカ、面白かった。これも売るのかい?」

「作ったばっかりで考えて無いよ。考えが纏まったら相談します」

「わかったよ。その時は言ってね」

「はい」

 上手く出来て良かった。明日はリンダさんのところにいこうかな。


       ー・ー・ー・ー・ー

 日が変わり、サツキさんと一緒にリンダさんの工房に向かっています。

 お父さんには、朝相談したよ。

「お嬢様、乗っているのは何ですか?」

「キックボード。魔力を流すだけで走ってくれる便利な乗り物」

「私でも乗れますか?」

「魔力を流せば乗れるよ」

「今度貸して下さい。町に用事に行く時に便利そうです」

「その時は言ってね。でもその前に屋敷の敷地で練習してからにして」

「わかりました」

 リンダさんの工房に着いた。

 ノックしてから。

「リンダさんいますか?」

 扉が開き、リンダさんが出てきた。

「お嬢様、おはようございます。早いですねどうかしましたか?」

「チョット相談事があって来ました」

 工房の中に入れてもらい、打ち合わせ場の椅子に座った。

「眠そうだね」

「ポットの生産で昨夜チョット遅く迄やっていたので」

「今回のロットは終わったの?」

「はい。今朝出荷しました」

「それで、籾摺りの方はどうですか?」

「チョット時間がかかりそうなんです」

「じゃぁ、一旦止めて別のを作って欲しいのだけど」

「良いですけど、何を作りますか?」

「ドライヤーとヘアアイロンで最大で10台ずつだけど先ずは1台ずつ」

「分かりました。ドライヤーは出来てます。気分転換したい時に作ってました」

「では、ヘアアイロンを作って完成したらプレゼンしましょう」

「分かりました。出来上がったら連絡します。それでお嬢様が持って来たものは何ですか?」

「魔導キックボードです。回るだけの魔導具をお土産で貰ったので、作ってみました」

「見せてもらっても良いですか?」

「いいよ」

 リンダさんが、キックボードを細かく見始めた。

「お嬢様、この魔導具は数年前に私が作ったものです。こんな使い方をするなんて思っても無かった。

 面白い。これを作っても良いですか!!」

「作ってもいいけど、少し別の機能を付けてもらうよ。それとルール作りが必要になるから」

「機能とルールとは?」

「機能は、本人確認と盗難防止。

 ルールは人や馬車等とぶつから無い様にする事や危険な行為を止めるための物が必要になるの。

 ルールは領主側でする事になるから、それの準備が整うまでは売れないわ」

「そう言う問題もあるのですね。

 確かに人に当たればケガをしてしまう」

「ただ7台だけは機能を付けたのを作っていいわ。

 私が買うから。

 機能は仕様書を書くからその後、相談させてね」

「分かりました」

「それと、この魔導具の軸を反対側にも出せ無いかしら?」

「出来ますけど、どうしてですか?」

「キックボードより大きいのを作りたいの。

 3輪式にして安定して荷物が積める様にしたり荷車を付けれる様にしたいの。簡単に絵を描くわね」

 バッグから紙とペンを出して、描き始める。

           ・

「こんな感じのを先ず1台。機能を付けた物をお願いしたいの」

 セリカが描いたのは3輪のスクーターである。後ろが2輪で回転の魔導具を直結したものである。

「面白い。お嬢様は本当に面白い物を考える」

「これは直ぐに手を付けなくていいわ。

 先にヘアアイロンを作って、プレゼンしてドライヤー、ヘアアイロンとキックボードの少量の生産でお願いします」

「分かりました。仕様書をお待ちしてます」

 リンダさんの工房を出て、食堂で昼食を食べてから屋敷に戻った。

◆ 

 屋敷に戻り、お父さんに報告をした。

 明日、カゼットさんが来て海藻の打ち合わせが入って来た。

 

 


 

ご覧いただきありがとうございます。

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