夕食作りと夕食
帰って来た後は、そのままキッチンへと行きました。
「ユーナさんいるー?」
「セリカお嬢おかえり。どうだった?」
「うん、うまく行ったよ。でもレシピ登録してから勉強会をして、それから町でお披露目だって。
勉強会のときは、ユーナさんに手伝ってもらうかもしれない」
「それは、大丈夫だと思うよ。お嬢の手伝いをするよ」
「ありがとう。それで今日の夕食は、何?」
「今日は、魚のアジが入ってきたよ。焼こうかと思っているんだけど」
「今日のお昼に、お母さんとカリーナお姉ちゃんが、焼き魚を食べてたよ」
「メニューがダブっちゃたか、どうしようかな?」
「じゃあ、アジフライにしようよ」
「アジフライ?」
「アジを開いて、昨日のコロッケの様にパン粉の衣を付けて揚げるの」
「作り方を教えてくれるか」
「うん。私も一緒に作るよ」
夕食は、アジフライ タルタルソース ポテトサラダ スープ サラダとなりました。
ユーナさんに説明しながら作ります。
「まずは、フライのソース用の卵を茹でて、魚を下処理して三枚におろします。身が大きいので、半身ごとにします。骨を取って軽く塩コショウします。小麦粉、溶き卵、パン粉を付けて少し馴染む様に置いて置きます」
「本当に、材料以外は同じ何だな」
「そうだよ。卵が茹で上がってからソースを作ります。剥いた卵、玉ねぎ、ピクルスをみじん切りにしてマヨネーズに混ぜます。ソースの完成です」
まずは、一枚揚げてみましょう。骨せんべいもつくちゃおうかな。
「ユーナさん、骨はまだ捨てないでね」
「いいけど、どうするんだ?」
「これも揚げる」
「えっ! 本気か」
「本気も本気。骨せんべいにするの。骨は、カラダづくりにいいんだよ」
「そうなのか?初めて聞いた」
「まあ、食べてみてよ」
油が温まったので、まずは試食用を入れる。
途中でひっくり返す。しばらくして、出来上がり。
「フライにタルタルをのせて、骨せんべいに塩をパラリと 出来上がりーと。ユーナさん食べよ」
「そうだね。まずは食べてから」
「「いただきます」」
まずは、フライから、タルタルと一緒にパクっと。
「美味しい!」
「お嬢、美味しい! これソースがいいな」
まだ、ウスターソースが無いんだよね。残念。私は中濃派だけど。
「そうでしょ。これも万能ソースだよ。さて骨せんべい食べよ」
バリ、ボリボリ
「ん、これも美味しい。うまく行ってよかったよ」
「これ美味しいな。食感も面白い」
「夕食は、これで決まりだね」
試食も終わり。夕食の準備に入りました。しばらくして、サツキさんが手伝いに来てくれましたが、試食が終わった事を聞いて残念がっていました。なので、骨せんべいを一枚あげました。
無事に夕食の準備が終わったので、すぐに夕食になるので私は部屋に戻らず、ダイニングへ向かいました。しばらく、今日の事を考えていると。
「「お腹空いた」」と言いながら、お姉ちゃんズが入って来ました。
「セリカ、早いわねどうしたの?」とカリーナお姉ちゃん。
「ユーナさんの手伝いをしたから、そのままこっちに来た」
「じゃあ、新作?」とコロナお姉ちゃん。
「うん。新作だよ」
「「ヤッター。」」とお姉ちゃんズ。
話しをしながら両親を待っていると
「遅くなって、悪いね」と両親が入って来た。
席に座り
「じゃあ、お願いするよ」とお父さんが言うと、メイドさん達が、料理を運び始める。
料理が、揃った所で、サツキさんが、説明をした。
「魚をコロッケの様にしているのか!美味しそうだね。では、いただきます」とお父さんの合図で。
「「「「いただきます」」」」
皆で、食べ始めました。
「このフライも美味しいわぁー。このソースもとっても合っているわね」
「このソースだけでも美味しい。衣がサクッとして、魚の身がフワフワで、サクフワ」お母さんとカリーナお姉ちゃん。
「セリカ、どうしてこれを作ったのかな」
「ユーナさんに、今日の事を話しに行ったら、夕食がアジの焼き魚と言ったので、お母さんとカリーナお姉ちゃんがお昼に焼き魚を食べていたから、提案しました」
「そうか、ありがとう」
「セリカ、お母さん嬉しいわ」
「私も嬉しい」
両親とカリーナお姉ちゃんが喜んでくれた。
コロナお姉ちゃんは、ひたすら食べていました。おかわりを二回したそうです。早い。
美味しかったの後は、リビングで、今日の事を話していきます。
「セリカ、アジのフライもセリカが考えたものかい?」
「そうです。魚もアジ以外でも出来ますし、お肉でも出来ますよ」
「お肉でもできるの?今度作ってよー!!お肉お肉」
「「楽しみねー!」」
お父さん、コロナお姉ちゃん、お母さん、カリーナお姉ちゃんが言っていく。
「では今日の事だけど、洗濯の道具は一週間後に納品されて、実際に使ってみてからと言う事になった。次に髪用の小物だけど、セリカが絵を描いて明日の昼過ぎに、店主との打ち合わせとなった。そして、じゃがいも料理だが、まずは商業ギルドにレシピ登録してから勉強会となった。セリカ、いいかい。負担をかけて悪いけど」
「いえ。楽しみです」お父さんの説明に返事をした。
「それじゃぁ。洗濯道具や髪の小物なども登録した方がいいのかしら」
「結果しだいでは、登録した方がいいな」
「じゃあ、ユーディー商会には、話を通しておいたほうがいいわね。特産品ともなるのだから」
「後々の事を考えるとその方がいいか」
両親の話がだんだん大きくなって行く。
「ねぇセリカ、髪の小物って昼間見た物だけなの?」
「あと、ヘアピンとバレッタとお団子用」
「それって、どうやって使うの?」
「ヘアピンは、前髪とかを落ちて来ない様にするんだけど、ピンに花や星とかの細工をつければワンポイントの飾りになるの。バレッタは後ろで髪を纏める事ができるの。これも柄の細工をすればポイントになります。お団子用はと、サツキさんちょっと来て」
「ハイ」サツキさんがこっちに来た。
「ここに座って」座る様に促し座らせる。
「サツキさんの様に、後ろや横でクルクルと纏めているのがお団子です。そこに布や網状の物をかけて髪ゴムで留めます」
サツキさんの髪に柄のついた布をあてがい髪ゴムで留め、見栄えが良いように整えた。
「どうですか」
「「可愛くなったぁ!」」とお姉ちゃんズが、声を揃えて言った。サツキさんには鏡を渡した。
「本当は、髪ゴムと一体になれば、一人で出来ますよ。」
「お嬢様、これ良いです。早く作って下さい」
サツキさんが興奮してる。
「出来たら、私にも欲しい」
「私も、私も」とお姉ちゃんズが言ってきた。
「出来上がったら、品評会だね」と皆でワイワイとしました。そしたらお父さんが
「セリカは、どんな事をやりたいのかな?」
「魔導具を作ってみたいし、錬金術や薬師にも興味がある」
「将来は、王都の魔法学園かな?カリーナも13歳になる歳に入学だからね」
などと、家族でいろいろと話しをした。お父さんが、
「そろそろ、お開きにしようか」と言ってお母さんと一緒に退出した。
「セリカって、いろいろとやってるのね」
「今回は、たまたま思いついただけだから」
「でも、いろいろとできる事はいい事だよ。楽しみだね」と三姉妹で話しをしていたら、サラさんに
「早くお部屋にお戻り下さい」と言われ部屋から追い出された。
自室に戻り、着替えたあと、机で髪用の小物の絵を描きはじめた。あぁでもない、こうでもないと考えて絵を書き終えると、夜の見廻りのルーナさんに「早く寝てください」と怒られてしまった。
それでは、おやすみなさい。
御覧いただきありがとうございます。