お父さん達が帰って来た
お父さん達が王都に行ってもうすぐ2ヶ月になろうとしてます。
料理もフソウ国の調味料や香辛料のおかげでレパートリーが増えました。
ブリ大根、サバ味噌、煮魚、野菜の煮物、オークの角煮、チャーシュー、焼き飯、餃子、焼売、カレーも具を変えたり香辛料を足したりして味を変えています。
サラダのドレッシングもお酢が来たので、数種類出来ました。
お酢を使った料理も作りましたよ。
酢の物、南蛮漬け、鶏のサッパリ煮、甘酢あんかけ、マリネ等を作りました。
レシピが増えたからユーナさんビックリするだろうな。
最近はラーメンやスパゲッティを食べたくなってます。ごま油も欲しくなってます。
便利道具では、精米機と鰹節の削り器(手動)が納品となりました。皇女様用に1台発注したよ。
籾摺りは試験中ですので時々リンダさんの所に行ってます。
カリーナお姉ちゃんが春から王都に行くからドライヤーとヘアアイロンの優先順位を上げないといけないです。
それに、そろそろ研究室の方に軸足を移そうかな。
お父さんさんからの先触れがあり、3日後に到着予定です。何を作ろうかな?
シンディさんに相談しよう。
「シンディさん、今いいですか?」
「大丈夫ですよ」
「3日後にお父さん達が帰って来るけど夕食何にしようか? 驚かせようと思って」
「やっぱりカレーですよ」
「自分が食べたいだけでしょ」
「それもありますけど、醤油や味噌はやってますから。香辛料はまだ領主様に出してないですよ」
「上手いこと考えたね。
じゃぁ海鮮を入れてシーフードにしよう。小さめのエビとイカ、アサリ、ホタテ辺りでやろうか。
香辛料は基本の3種にして味を見てから追加で。
大きいエビフライも乗せよう」
「あとはサラダで新しいドレッシングで良いと思いますよ」
「それでいこう」
ー・ー・ー・ー・ー
お父さん達が帰ってきます。嬉しいな。
待ちきれなくて玄関のところに座っています。
夕食の材料は頼んであるのでバッチリです。
馬車の音が聞こえました。もうすぐです。
門をくぐり玄関の前で止まりました。
家族皆が降りてきます。
「おかえりなさい」
と言いながらお姉ちゃんズ、次にお母さん、最後にお父さんに抱きつきました。
「セリカ、元気にしてたか? 変なことはいてないよね」
「変なことはしてません。町の皆が喜ぶ事をしました」
「何をしたのかな?」
「それは後で。疲れたでしょ早く入って休んで!」
「分かったから押すな。それとこの後ルバス家が来る事になってる」
「えっ」
お父さんさんから手を離し固まった。
「セリカどうした?」
「何人来るのですか?」
「どうした?」
「だから何人来るのですか?
材料がないから買いに行くので早く簡潔に答えて下さい。
サツキさん、市場へ行く準備とシンディさんに、作業はイカとアサリの下ごしらえでストップしてと言って」
「はい」
サツキさんがキッチンに向かった。
「で、何人ですか?」
「・・・・・」
「もういいです!! ルバス家は7人だから後メイドが3人ぐらいか? 護衛は兵舎だから関係なし」
「お嬢様、言ってきました」
「直ぐ市場に行くよ」
お父さんの膝裏に蹴りを入れて膝カックンさせ、そのままサツキさんと市場に向かった。
「お父さん、いきなりやっちゃたねー。先触れを出さないから」
カリーナが呆れて言った。
「セリカ相当怒ってたよ。蹴りを入れたの初めて見たよ」
コロナも呆れていた。
「ダイナ、言った事をやってなかったのね」
「お父さんもお祖父様の仲間入りだね」
コロナがトドメを刺す。
ダイナは固まっていた。
◆
買い物を終えて屋敷に戻ったセリカはキッチンの勝手口からサツキと入って行った。
「シンディさんごめんね、サツキさんもありがとう。
サラさんに王都に行っている間の事を報告をしといて」
「はい」
サツキさんが出て行き、入れ替わりでユーナさんが入って来た。
「ユーナさんおかえりなさい」
「ただいま、あの後たいへんだったぞ。ショックでへこんでた」
「自業自得だよ。どうせお母さんに先触れを出せと言われてたのにポカしただけでしょ。
シンディさん、何処までやってある?」
「海鮮と野菜の下ごしらえと鶏コンソメです」
「最大10人分追加です。私もやるよ」
「お嬢、私もやるよ」
「レシピを見といて、それからお願い。シンディさんはもう体で覚えているから」
「そんな事はないです」
「下ごしらえが終わったら炒めといて、お米と香辛料の用意するから」
倉庫に向かった。
レシピを見終わったユーナは下ごしらえの手伝いに入り野菜を切り始めた。
「いない間はどうだった?」
「新作の嵐でした。別にファイルしてます」
「そんなにたくさんあるのか?」
「ありますよ、サラダのドレッシング迄作りましたから」
「そうか楽しみだな。
今回のは香辛料がメインの味をなのか?」
「そうです。今日は基本の3種です」
「基本ということはまだ別の味をがあるのか?」
「そうです。最大はお嬢様しか分かりません」
「持って来たよ。煮込む方をやっといてお米を研いで炊飯器に入れて来るから。
ドレッシングは簡単醤油でいいよ。
大きいエビは全部フライにしといて」
「は~い」
◆
夕食になりました。ルバス家は5人とメイドさんが2名でした。
コロナお姉ちゃんのおかわりは出来そうです。
間に合って良かったよ。
サツキさんからの説明が終わり、食事の開始です。
お父さんはまだへこんでいるようです。辺境伯も黙って食べていました。コロナお姉ちゃんは勿論何も喋りません。
「セリカ、これ美味しいハマりそうだよ」
カリーナお姉ちゃんが大絶賛。
お母さんもニコニコしてる。
「王都では海鮮が無いと思ったので今回は思い切って海鮮に振りました」
「セリカちゃん、サラダのドレッシングは何使ってるの?」
「メインは醤油とお酢ですよ。酸っぱいのがお酢です」
「これ美味しいから好き」
良かったです」
ご飯も足りそうで良かった。
◆
夕食後、お父さんが部屋に訪ねてきました。
「セリカごめん」
「別に怒ってないですよ。お父さんがポカしただけですよね。蹴ったのは親子の戯れです」
「そうか良かった。嫌われたと思った」
「あれは市場が閉まってしまうので、急かしただけです」
「義父上の様になってしまうかもと思った」
「あれは人格否定したからですよ。
それより新作はどうでしたか?」
「美味しかった。あれもフソウ国の食材なのかい?」
「そうです。香辛料を3種使って味をを作ってます。
ここから他の香辛料やソース、果物を使って自分の好きな味を作るのです」
「あれだけでも相当美味しいけど?」
「個人的には味が足りないのでチョット研究ですね。
話が変わりますけど、色々な報告は明日でいいですか? 辺境伯の立ち会いは無しでお願いします」
「わかった、義父上には遠慮してもらおう」
「フソウ国の食材をよこせと言われても渡しませんよ。研究室でも使いますから。特に香辛料はあげません」
「どうしてだ?」
「香辛料はもともと薬なので、研究に必要なんです。
お米も今のペースだとギリギリかも醤油も新作をいっぱい作ったからの消費が激しいですね」
「そう言う事なら香辛料は断れるな。他も頑張ってみるよ」
その後も楽しく話していた。
皆無事に帰って来てくれて良かった。
ご覧いただきありがとうございます。




