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辺境の転生三女 田舎暮らしを満喫したい  作者: トシボー


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王都の新年②

 さて、パーティー会場ですが、大体は東西南北で固まっております。

 お母さんは、仲の良い御婦人方とお喋りをしています。

「ルシーダ様のバレッタはとても綺麗ですが何を使っていらっしゃいますの?」

「これは海の生物で、珊瑚と言うものです。イヤリングとお揃いにしています」

「私は、売っているのをそのままですの」

「バレッタのピンやクリップに、その土地の工芸品を付ければ、領の特産品になる事ができますよ」

「そうですわね! 旦那様に提案してみますわ」

 別の婦人が。

「ドレスの生地が私達と違う様ですが、何処でお求めになった物ですか?」

「これはフソウ国の生地ですの。船を修理してる間だけ、積み荷の1部を売っておりまして、その時に購入しました」

「まだそのお店はあるのですか?」

「昨年の年末に出港致しまして、閉店になってしまったの」

「そうですか、残念です」

 また別の婦人が

「ルシーダ様の髪がツヤツヤしているのはどうしてですか?」

「ツヤツヤなのは、フソウ国の櫛を使ってるからです。お手入れをちゃんして使うと、すこしツヤが出ます」

「今度は何時入るのですか?」

「予定は聞いていませんが、早くて2、3ヶ月後ですかね」

「そうですか」

 予定を聞いてガックリしている。

 ルシーダは、質問責めにあっていた。

 ダイナも南部の領主達と話をしていた。

「今回はたいへんだったようだね」

「座礁から始まって、イロイロありましたよ」

「他国だったのだから、余計に気を使ったろう」

「相手が皇女ですから。家の3女が上手くやってくれましたので友好も出来ました」

「結果的は良かったな。それで貿易はできそうなのか?」

「今回はスポット的に行いました。今、商会の人間が付いて行きましたので、様子をみてくると思います」

「クオンのとこか?」

「そうです」

「家の特産品も輸出出来ればいいな。またな」

 別の男性が来た。

「ダイナ、久し振りだな」

 北部に所属する男爵家の領主でダイナの同級生である。海つながりで仲がいい。

「おぉ久し振り、元気そうだな」

「儲かっているみたいだな。家にも分けてくれ」

「儲かってはいないよ」

「そうか?魔導具にも手を出したそうじゃないか」

「魔導具とか便利道具は、メイドやコックの仕事を楽にしようとして作っているだけだよ」

「思いつくだけでも凄いよ。魔導具は他のも作っているのか?」

「頼んでいるが、ポットの生産でいっぱいだよ」

「忙しい事はいい事だよ。それとお礼を言いに来た」

「何かしたか?」

「レシピだよ。家の領に来る人増えた。

 魚を食べに来てくれる様になったんだよ」

「良かったな! 家の3女が魚を好んで良く食べているよ。今回フソウ国の調味料が来たからもっと増えると言っていたよ。多分今頃作ってるよ」

「3女? まだ4歳じゃなかったか?」

「そうだよ。キッチンでコックと一緒に作ってる」

「凄い4歳だな」

「話は変わるが北では他国や他大陸の船は来ないのか?」

「偶に航路を南に流れているのを見る。今の所はこちらには来ない。貿易船ならいいが侵略だと怖いな」

「今回の座礁が貿易船でよかったよ。責任者に会うまで怖かったよ」

「そうだよな、俺もそうだよ。そろそろ行くわ。元気でな」

「あぁ」

 同級生の北の領主との話は終わった。

 カリーナ達は学園の入学希望者達と一緒にいた。

「コロナとステラちゃんは良く食べるわね」

「本当ですね」

 カリーナとシフォンが喋っていた。その時。

「チョットよろしいかしら?」

「はぁ」

「そのバレッタは何処で買った物ですの?」

「自分達で作った物ですが」

「そうです。飾りの材料を自分達でそろえましたよ。細かい所は職人さんにお願いしましたけど」

「そんな事が出来るのですね」

 話を聞いていると、王都、公爵家の南側にある候爵家の2女であった。1つ年上でした。

「それでその綺麗なのは何ですの?」

「珊瑚です」

「私のも珊瑚です」

「それは何処にあるのかしら?」

「海の中ですから潜れば取れますよ」

「海の中ですか、残念です」シュンとした。

「領地の工芸品等を付けても良いですよ。販促にもなりますから」

「そうですか、ありがとう」立ち去って行った。

「カリーナお姉ちゃん、いた!」

「どうしたの?食べないの?」

「半分位セリカが作った物だったけど、味が微妙だった。思わずコックに家で食べてる方が美味しいと言っちゃた」

「そうです、カリーナお姉様。甘味は砂糖がちゃんと混ざってなくて溶け切ってもなかった」

「卵焼きはふわふわしてなくて堅かった。

 フライは油をちゃんと切ってなくてギトギトだった」

「そんなに酷かったの?」

「あれだったら女将さんの食堂の方がいいよ」

「シフォンちゃん。チョット行ってみない」

「そうね、行ってみましょうか」

 席を立ち食べに向かった。

◆ 

 食事のコーナー来た。

 伯爵家と子爵家の女の子も一緒についてきた。

「先ずは卵焼きからいきましょう」

 卵焼きを受け取り、1口食べて見る。

「コロナの言った通りね」

 カリーナはコックに聞いた。

「コックの人、これ専用の四角いフライパンを使ってるの?」

「いえ、普通の丸いフライパンです。専用なんてあるのですか?」

「確かレシピと同じ位に登録してるはずよ。

 もっとふわふわになるわ。

 それと砂糖がちゃんと混ざってないです」

 次にフライをもらい1口

 「コックの人チョットいいですか? 

 これ油を切ってないでしょ。

 ギトギトだし、タルタルがしつこくなってる」

 甘味のクレープと円盤焼きをもらい食べた。

 同じコックの人に。

 「砂糖が混ざってなくて、溶けてないからジャリジャリする。

 生地も同じでダマもある。

 他の人に言われる前に下げた方がいいわね」

「そんなに酷いですか?」

「そうね、やることをちゃんとやっていない証拠ね」

「どうかしましたか?」宰相がきました。

「宰相閣下」 

 シフォンちゃんがカーテシーをした。

 私達もやや遅れてした。

 シフォンちゃんが事の経緯を説明した。

「直ぐに下げなさい、不完全な物を置いて置くわけにいかない」

「はい」

 コック達は下げ始めた。

「どうして指摘したのかな?」

「私の妹が、皆に美味しく食べて欲しいとレシピを公開しました。

 しかしこの様に料理人として中途半端な事をした物を見たら悲しむと思い指摘しました」

 カリーナが思っている事を言った。

「ホーデン家の方ですか」

「ダイナ・ホーデンの長女カリーナ・ホーデンでございます」

「確かそうですね。料理人として恥ずかしいですね。それでは」宰相は立ち去った。

 

「愛されていますね。噂の3女様は」

 宰相はボソッと言った。

 

 一方カリーナ達は

「緊張したー。シフォンちゃんがいてくれて良かったよ。最初、誰このおじさんと思ったよ」

「面白いですね、カリーナさんは。

 私もセリカさんの事はそう思ってますよ」

「私も普通のフライパンで作ってました。

 専用があるのですね」

 子爵家の子が言った。

「確か4種類位作っていたような。

 魔導具もやり始めたはず。

 今はフソウ国のお米を優先にするとか言ってた」

「カリーナ。それ以上はダメだよ」

 お父さんが来た。

「お父さん! そうだった、ごめんなさい」

「わかればいいよ」そう言って立ち去った。

「ユーディー商会のクオンさんに言えばわかるよ」

「スバル家でも使ってますよ。

 混ぜるのに泡立て器がいいと言ってました。」

「絶対買います」

「話変わるけど、甘味は酷かったね。

 あれはないと思ったよ」

「私も思いました。ジャリジャリでクリームのなめらかさがありませんでした。」

 伯爵家の子が言った。

「そうだよね。この前コロナが食べ歩きでも微妙とか言ってた。

 王都って美味しい店がいっぱいあると思ってたのに何か残念。貴方達は何処か入ったの?」

 この後は、王都のお店の話をしていた。

 パーティーはそろそろ終わりです。

 その頃キッチンでは、宰相が料理長に話をしていた。

「今回の事は、王宮として恥ずかしいですよ。

 料理として完成されてません。

 中途半端な物を提供するなど、貴方は本当に料理人ですか?

 忙しいのはわかりますが、このようではダメですね人員を変えましょう。

 後程、連絡します。下がって下さい」

 料理長が退出した。

「はぁ~」ため息をついた宰相であった。

 

 

 


  

 

 

 

ご覧いただきありがとうございます。

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