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辺境の転生三女 田舎暮らしを満喫したい  作者: トシボー


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王都の年末

 王宮では王の執務室に第2王子、第3王子とそれぞれの母親が呼ばれた。

 第2王子は王妃との間に生まれた次男。魔法学園の2年生14歳。王妃は公爵家より嫁いで来た。子供は、2男2女

 第3王子は側妃との間に生まれた3男、10歳。側妃は候爵家より嫁いで来た。子供は、2男1女

「来たか」

 4人が入って来た。

「何ですか、父上」

 第2王子が少し横柄な態度で言ってきた。第3王子は、ムスッとしている。

「来年からのお前達の事を伝える。

 先ず第2王子だが、春より領地を与えるからそこを経営をしろ。

 第3王子は、教育の見直しを行う。

 今のままではダメだから基礎からの見直しだ。

 2人共、来年から父上では無く陛下と呼べ。

 学園を卒業すれば、王家の看板は無くなるから今のうちから慣れろ」

「王家の看板が無くなるとはどういう事ですか、父上」

 第2王子が言った。

「お前は王子教育をやったのだろう。

 王室法にも書いてあるぞ。

 特別な事が無い限り王家から貴族への転籍になる」

 王子教育は9歳から学園に入る迄の間におこなわれ、礼儀作法から始まり王室のあり方、国内情勢、外交、外国語等幅広く教育が行われる。

「俺は特別です」

「これまでの実績を答えよ。国のために何をした」

「・・・・・」答えなかった。

「答えが出たな。来年早々から春迄は基礎教育と人員を集めよ。王妃」

「はい。陛下」

「公爵家の関与は認めるが、卒業迄だ。

 それに全ての決定をコイツにさせろ。

 領地を繁栄させるか、衰退するかはコイツ次第だ」

「分かりましたわ陛下」

「次は第3王子だ。王子教育は、何処までいっている。

 時期から見ると基礎は終わっているはずだ。

 答えよ」

「・・・・・」

「答えろ」

「・・・・・」

「それが答えか。

 教育は中止で来年早々に王家より除籍。

 国外の男爵家に出す。

 王家の名を使えない様にする」

「陛下あんまりです」

 側妃が言ってきた。

「では、側妃が答えよ」

「基礎の半分も終わっておりません。

 王子教育から逃げていました。

 何度か注意をしたのですが、聞きませんでした」

「そうか。コイツは外へ出す。何の役にもならん。

 教育を受ければ、どうにかなると思ったがダメだな。

 しっかりと受ければ領地位持たせたのに。

 行き先が決まるまで謹慎とする。下がってよいぞ」

 王妃の応接室では戻って来た4人がいた。

「母上なぜこんな事になっているのですか?」

 第2王子が王妃に言った。

「ここからは母としてでは無く、王妃として言います。

 王子教育を終了している貴方が、王室法を知らないのは何故ですか?

 それと貴方の行動記録が来ています。

 王家の名を使い学園や下級貴族への態度、王都内での民達への迷惑行為が全て判っております。

 ある国の王女は貴方より年下ですが、外交をやっているそうです。

 別件では国内においても領地を豊かにするために色々とやっている子息がいます。

 貴方は何をしましたか?

 ただ俺は王子だから何をやってもいいんだと言って、迷惑行為をしてただけです。

 領地をもらえただけでもありがたいと思いなさい。

 公爵家から数人出して地ならしをしますが、決定権は貴方です。領民を生かすも殺すも貴方次第ですね」

 第2王子は何も言えなかった。

「次は第3王子ですね」

 側妃が話を始めた。

「私の所にも第3王子の行動記録が来ています。

 教育から逃げているだけでは無く、王宮や王城に来ていた貴族の子息達に王家の名を使い迷惑行為をしている事が判っています。

 今からだったら矯正出来ると思い陛下は見直しを指示しました。

 貴方は陛下に答えず不貞腐れただけです。

 そんな人間を救おうとは思わないでしょう。

 もう私は貴方を救う事が出来ません。

 もうその段階に来て仕舞いましたので、謹慎中に反省とこれからの事を考えて下さい。

 私は第4王子と第3王女の教育を考えないといけないので貴方には何も出来ません」

 第3王子は下を向いたまま何も言わなかった。

 ルバス家のタウンハウスでは。

 ホーデン家は王都にタウンハウスを持っていないので内縁部にある貴族専門の宿かルバス家に泊めてもらう事になっている。

 今回はスバル家に泊めさせてもらっている。

 「お姉ちゃん、学園はどうだったの?」

 コロナが質問してきた。

 カリーナとシフォン、両家の母親は魔法学園の見学に行っていた。

「校舎が大きく敷地も広くて迷子になりそうだったよ」

「校舎や寮の中は整備されていて清潔で綺麗でしたね」

 カリーナとシフォンが言った。

「寮は1人1部屋なの?」

「2人で1部屋になってた」

「知らない人だと不安だよね」

「シフォンちゃんと同じだったら良いのになぁ」

「それだと良いですね」

 その後もコロナの質問に答えていくカリーナとシフォンだった。

「コロナは今日は何をしてたの?」

「王都巡りをしてた」

「食べ歩きの間違いじゃない?」

「そうとも言う。

 何かセリカが作った物をばっかりだったよ。

 味は微妙だった」

「作り方が下手なのかも知れないですね」

「シフォンちゃん、言うねー」

「そろそろフソウ国の食材が来てる頃だから新作を作ってるかもよ?」

「えー、私も食べたい。セリカの新作はいつも美味しいから、いっぱい食べちゃうよ」

「コロナは新作の時は無言だよね。

 気が付くと3回位おかわりしてるから」

「そうなんだよねぇ、なんでだろう」

「セリカさんの料理は美味しいですから、私も好きです」

「最後にお母さんに怒られる迄がセットだよねー」

「それは言わないでー」

 セリカの話で盛り上がっている3人だった。

 ステラは疲れてお昼寝中です。

 

  

 



 

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