町へのお出かけ②
服屋さんを出てすぐの食堂に入った。
「女将、居るかい」
「あら領主様いらっしゃい」
「ちょっと時間あるかい。相談があるんだけど」
「何だい何だい、じゃあ奥の個室にどうぞ」
私達は、女将の後に続いて、奥の個室へと行った。
「実は、今年じゃがいもが大豊作だったじゃないか。それで、変わった食べ方を末娘のセリカが思いついて夕食に食べたのだが、とても美味しかったので、町でもどうかと思ってな」
「そうですね、ソテーかスープの具、蒸す、煮るぐらいしかありませんね」
「セリカ、サンプルを」
「はい、こちらの箱に入っています」
箱を取り出し、フタを開ける。
「あらまあ、いろいろと入っているわね」
「これは、朝作った物なので、冷めてしまってますが温め直せば大丈夫です。まずこちら側からフライドポテト ハッシュポテト コロッケ2種類 ポテトサラダ じゃがバターです」
そして各食べ物の説明をしました。説明が終わると女将が、温め直しに厨房に行きました。
しばらくして、女将が戻って来ました。
「では、試食させていただきます」
そう言って、女将が食べ始めました。
「これは、美味しいねー。町でも人気が出て流行りそうだよ」
私は、女将の言葉でほっとした。
「じゃあ、何店舗か集めて勉強会みたいなものを開くかね?」
「そうですね、そうしていただければ助かります。でも その前に商業ギルドでレシピ登録した方が、良いと思います」
「あぁそうだな、登録してから勉強会と言う事でいいかな」
「ええ。それでお願いします」
「話が纏まった所で、お昼をお願いしようかな」
私達は、お昼ご飯を注文した。
お父さんとコロナお姉ちゃんが、オニクセット。
お母さんとカリーナお姉ちゃんが、焼き魚セット。
私は、お刺し身のセットにしました。カルパッチョみたいな感じでした。脂がのっていて美味しかった。ただ、醤油で食べたかった。
美味しいお昼の後は、町ブラとなりました。
しばらく歩くと、なんか面白そうな道具が置いてある店を見つけた。
「お父さん、あのお店は何のお店なの?」
「あのお店は、魔導具を扱っているお店だよ」
魔導具と聞いて、なんかワクワクしてきた。
「あの店、覗いてもいい?」
「いいよ」
お父さんに許可を貰ったので、イザ突入!!
お母さんとお姉ちゃんズとは別行動になった。
「こんにちは」とお父さんと一緒にお店に入った。
「領主様、いらっしゃいませ」
「末娘と一緒に見させてもらうよ」
「はい、ご自由に御覧下さい。何かあればお呼び下さい」
お父さんと店内を見て回った。ランプ類が多いみたい。冷蔵庫やコンロなどのキッチン周りの物は無い様だ。水だけ出る物や回転羽根の無い扇風機みたいな物など、単純機能のみで、まだ発達していない様だ。
「セリカは、こういうのが好きなのかい?」
「うん。できればこの様なのを作ってみたい。領内には、魔導具を作る人はいないのかな?」
「聞いてみようか。おーい店主」
「あっ、はい」店主が来た。
「ここの魔導具は、王都で仕入れているのかね?」
「はい、そうですね」
「領内には、魔導具の職人は居るのかい?」
「何年か前に、王都の職人さんが引っ越してきたと言う噂は聞いたのですが、調べては無いです」
「そうか。もしわかったなら連絡をもらえるかね。急いでは無いので時間がある時にでも調べて欲しい」
「わかりました。見つかりましたら領主邸迄連絡させていただきます」
「頼むね。セリカ、これでいいかい?」
「はい、ありがとうございます」
そして、店主にお礼をしてお店を出た。
その後、お母さん達と合流して、屋敷に帰った。
御覧いただきありがとうございます。