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閑話 ルバス領に着いた

 ルバス家にホーデン家が到着しお互いに挨拶をした。

 屋敷に入り男性は執務室、女性はリビングで話をしていた。

 先ずは男性陣から。

「義兄上、暫く振りでございます。

 プレオも久し振りだな」

「ダイナ叔父様ご無沙汰しております」

「久し振りだなダイナ」

「義父上はこの前会ったのでいいですね」

「うむ。セリカは来ないのか」

「セリカは皇女様の関係をやっています。

 修理が終われば海に浮かべて出港になるでしょう。

あと7日程度で修理が終わります」

「そうか」

「今回なぜか家族全員で来いと言われましたので、条件を付けてクリアすれば行きますと返答しました」

「その条件とはなんじゃ」

「条件は、全重量500tの船を350m先迄浮かしての移動出来る事、船体に傷等の損傷を与えない事、積み荷を壊さない事が出来る人間を1名、こちらが出発する1週間前迄に派遣してくれ、費用は王都持ちで。 

 返答がない場合や魔法師の到着が期日迄に来ない場合は、3女が行かない事を了承したとします。以上」

「これを考えたのはセリカじゃろ」

「よくわかりましたね義父上」

「嫌味が入っているからのぉ!」

「何処がですか」

「費用が王都持ちと返答がなかった場合がじゃ。普通は貴族持ちじゃ。

 セリカはやらないといけない事を止めるのだから責任感を取れよと言いたいのじゃ。

 無視すればこちらの条件でやりますよ。

 そっちの事等知りませんと言うわけじゃ。

 本当に頭の回る子じゃ」

「私よりも義父上のほうがセリカの事を分かっているのではないですか。」

「そんな事はないのじゃ、ワシは目先の事にとらわれ過ぎるので本質を見逃すのじゃ。

 先日のサンマがいい例じゃ。

 ルシーダからの説教が終わった後サンマを食べたのじゃ。

 セリカの言う通りであった旬のサンマは違うとな。それに醤油の使い方もあったようじゃな。」

「義父上言い忘れましたが、フソウ国の販売ですが、セリカの分と町で販売した分のみだそうです」

「わしが購入する分は無いのじゃな。これもセリカの言った通りになったのぉ」

「セリカをほめてますが何なんですか?」

 レックスが入って来た。

「セリカは、周りを観察して分析もしている。

先ず全体を見て必要な物を上げていく、それを並べて順番を決めて実行する。こんな感じじゃな」

「付け加えるとするなら事実のみで他の情報は無視してる」

「残念なのはセッカチな性格じゃの」

「許容範囲は広く、深いが一線を越えるとガラッと変わりますね。

 あんなセリカを見たのは初めてです。

 義父上は、お祖父様から辺境伯様になりました」

「そうなんじゃな。身内から外れているのかのぉ」

「義兄上も同じになりそうです。こればかりは対峙しないと分かりません」

「この話はいいじゃろ。それより王都はどう出てくるかのぉ。一応、親王派じゃからのぉ。

 セリカの取り込みが始まるかも知れんのじゃ」

「そうですね。今回は本人は行きませんが、何らかの話はあるでしょうね。

 最悪の場合は王子との婚約ですか? 家格が足りませんが」

「移動の魔法も聞いて来るじゃろう」

「属性のみは言ってもいいとは思いますけど」

「言っても属性までじゃな。

 後は魔法室で考える様に持っていかんといけんのじゃ」

 男性陣はこれからの事を話合うのであった。

 一方の女性陣は

「セリカは来ないのね」

「セリカは、フソウ国の事をやっているわ。

 船の移動があるから」

「そうなのね。淋しいわね」

「その代わりにセリカからのプレゼントがありますよ。新しい甘味とフソウ国の櫛です」

 ルシーダがレオーネに渡す。

「嬉しいわ! 何かしら」

 レオーネが包みを開ける。

「まぁ綺麗。これは何?」

「羊羹と寒天ゼリーですね。

 羊羹はフソウ国の豆を使った甘味で、寒天ゼリーは海藻を使った甘味です。

 最近出来た新作ですよ」

「嬉しいわ。食べるのが勿体ないわ」

「美味しいですよ。食べて感想をセリカに伝えて下さい、喜ぶと思いますよ」

「そうね、そうするわ」

「櫛はお母様、義姉様、シフォンちゃん、ステラちゃんのが1個づつあります。

 柘植と言う木で作っているので髪に良いと言ってました。お手入れ用の油も置いていきますね」

「セリカちゃんからのプレゼント。嬉しい」

「嬉しいです」

「私もいいのですか?」

 ステラ、シフォン、トレジアも喜んでいる。

「私も買ったよ。髪が少しツヤツヤになるよ」

 カリーナが言ってきた。

「甘味は皆で食べましょう。美味しいですよ」

 食べ始めると

「美味しい!!」

「不思議な感触です。甘くて美味しいです」

「美味しいわ。孫の手料理が食べれるのは、嬉しいわ」

「馬車の時は栗が無かったわ。どうしてかしら?」

「お祖母様用の特別品だよ」コロナが言った。

「特別品。余計に嬉しいわね」

「私のも特別品にしなくてわ」ルシーダがボソッと言った。

 女性陣が楽しく食べている所に男性陣が来た。

「楽しそうじゃの」

「あなた。セリカからの贈り物よ。とっても美味しいの」

「わしにもくれ」

「お父様もう無いわよ」

「なんじゃと、もう無いのか」

「とっても美味しかったわ」

「食べたかったのじゃ」

 ドミンゴがへこんだ。

「海藻の新作のゼリーかい?」

「そうよ、お母様のは栗が付いていたの」

「それは美味しそうだね」

「でも不思議よね。海藻がこうなるなんて」

 楽しく話が続くのでした。

 その頃のセリカは、皇女様が炊飯器が見たいと遊びに来ていた。

「これは便利ね。竈の火を気にしなくていいのだから。精米機の他にも作っているのですか?」

「試作をお願いしてるのですけど、ポットの生産で目一杯なんですよ。

 生産の間に作ってもらう感じですね。

 籾摺り器と竈の代わりのコンロとか10種類位ですね。船ですと竈の火が怖いですよね」

「そうですね。火の当番がいますが、火事の危険はありますね」

「今度来られる時には見せられるといいのですが、今はお米優先でやってます。

 新しい甘味が出来たので良ければどうぞ」

「ありがとうございます。これアンコですか?」

「そうですよ。海藻の煮汁で固めています」

 皇女様が食べ始めた。

「美味しですよね。何の海藻を使っているのですか?」

「天草ですね。乾燥させてから煮出しています。

 ただ最後の工程で魔法で無理やり作ってます」

「その最後の工程はどの様に魔法を使うのですか」

「カラカラになるまで水分を抜きます。

 本当は凍らせてから乾燥の繰り返しなのです」

「やっぱり魔法は凄いですね」

「そう言えば船員の方は見て貰ったのですか?」

「希望者だけですね。それでも2/3は見てもらいましたよ。

 今は魔力の移動ですね。皆真剣にやってます」 

「皇女様が教えているのですか?」

「今はそうですね」

「そう言えば皇女様は幾つなのですか?」

「12です」

「今度の春から長女のカリーナが、魔法学園に入学しますので、留学とかどうですか?

 魔法を覚えたいなら良いと思うのですが選択肢の1つとして」

「本国との調整が必要ですが、考えてみます」

 皇女様との話は面白いです。魔法以外にも海や皇女様の国の話をしました。いつか行きたいな。

 

 

 

 

 

ご覧いただきありがとうございます。

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