桟橋と壁
お父さん達が出発したので、皇女様の所に様子を見に行きます。屋敷は兵士さんにお願いしました。
私とパレットさん、サツキさん、メグさん、シンディーさんとでお昼を食べたら市場に行こうとなりました。馬車に乗っての移動です。(護衛2名付き)
まずは皇女様の家に行きましょう。
「皇女様、おはようございます」
「おはよう、今日は早いですね」
「修理の状況確認と桟橋を作ろうかと」
「修理は7日程で終わりそうです」
「そうですか。それで船を着水するのに水深何mあればいいですか?」
「それは船長じゃないと分からないですね」
皇女様がメイドに指示していた。直ぐに呼びに行った。
「領主のお嬢様、お世話になります」船長が来た。
「船長、船を着水するのにどれくらい深さが必要かしら?」
「そう言われると数字では分からないので実物の船でお教えします。」
「わかりました。では行きましょう」
船に向う。
船の側迄来ました。
「船長、今から人差し指から緑の光を下から上に向かって出します。水面になる所でストップと言って下さい」
レーザーポインターの魔法を発動する。
「この緑の光は見えますか?」
「見えます」
「下から行きますね」
緑の光を動かす。
「・・・・・・・ストップ」
「この位置ですね「鑑定」」
(地上からポインター迄の直線距離は・・・・・)
ポインターを解除する
「船長ありがとう、わかったわ。桟橋は真っすぐでいいかしら」
「それでいいです。出来れば船首を進行方向にして欲しいのですが?」
「いいですよ。皇女様、わかったので今から桟橋を作りますが、幅はどれ位必要ですか?」
「3mでお願いします」
「はい」波打ち際迄行き、150m分クラフトを発動する。浜辺側にスロープを作り海面より2.5m高くした。海側の端部に行き鑑定で水深を見る。
「もうちょっとだね」
端部から100m分クラフトする。伸びたら鑑定して確認する。
「いいみたいだね、余裕もある」
地面との一体化と強化、係船柱3カ所をクラフトしていく。
「皇女様、終わりました。確認お願いします」
皇女様は桟橋を端から端迄確認している。船長も同じ様に確認している。
「確認したけど大丈夫みたい。セリカさんありがとう」
海の中を覗きながら戻った。途中で、
「セリカさん、さっきの魔法は何ですか?」
「緑の光のですか?」
「そう、それ」
「ポインターですね。指差した所が判る様にする為の魔法ですね」
「難しいですか?」
「光が指から出るのをイメージすれば難しく無いですよ。さっき私がやったのを見ているのでイメージしやすいと思いますけど。人の目にだけは止めて下さい失明する可能性があります」
「はい、気をつけます」
皇女様は、船の側に行くとポインターの練習をし始めた。3分後には、しっかりと出来ていた。
「皇女様、早いですね。完璧ですよ」
「イメージしやすかったです」
「よかったです。お願いがあるのですけど、王都から移動の作業を見たいと言って来ているのですが、大丈夫でしょうか?」
「邪魔にならなければいいですよ」
「それなら船から帰る道の間に壁を作っていいですか? 船に行く扉は付けますので。何か邪魔されそうで、集中出来なくなるのが嫌ですから」
「私も船が大事ですから、セリカさんには集中して欲しいです。壁を作りましょう」
私は船から20m程離れる。海側を開口としてコの字で船から18m離れた壁をクラフトで作る。桟橋へはそのまま乗り入れが出来る様にして、中が見える様にガラス窓も付けてる。扉も横2m、縦3mで両開きで作る。魔法の攻撃をされた場合は反射させる(リフレクション)と反射が避けられたら追いかける(ホーミング)を付与しておく。地面との一体化も忘れずに。
「クラフト」
1分程で船を囲う様に壁が出来た。
「セリカさん早いですね。中も見れるのもいいです」
「無事終わりました。ありがとうございます。移動に関してはまた後日にお願いします」
「わかりました。移動は2日前迄に言えばいいかしら?」
「はい。それでお願いします。今日は此処までにします」
「結構魔力を使ったのかしら?」
「48%位ですね」
「セリカさんは魔力量が多いのかしら?」
「人と比べた事が無いので分からないです。話が変わるのですが、炊飯器の魔導具が完成しました」
「本当ですか、いつから買えますか?」
「屋敷に1台で、発注が3台です。2台は皇女様に回せます。精米機はまだ出来ていません」
「うちのコックが精米をしてるのだけど、あまり上手くいってないの。セリカさんは魔法でやったと聞いていますが、1度見せてもらえませんか?」
「いいですよ。食堂に行きましょうか」
「そうしましょう」
食堂に行き、風魔法で米を循環させながら米同士で削り合う様にする。15分程精米をする。
「終わりましたよ」
白米と糠に分けて容器に入れる。
「やっぱり綺麗ですね。手作業とは違います」
「白米の方が美味しいですから。これでも気を使いながらやってますよ、気を抜くと当たった時に割れてしまいます。上手く擦り合う様にしないといけないのです」
「私ではまだ難しそうです」
「やっているうちに慣れますよ」
「頑張ってみますよ」
皇女様のところが終わったので女将の食堂へ
「女将、こんにちは」
「お嬢様いらっしゃい。今日は多いね」
「5人と護衛さんが交代で、支払いは私」
「今日は多いから奥を使って」
「はーい」
各自好きな物を頼んだ。
「お嬢様が刺身ではないのは珍しいですね」
「魔法を使い過ぎてお腹空いたよ」
「お嬢様のエビフライ太くないですか」
「ジャンボエビフライ」
「そんなメニューないですよー」
「さっき作った」
「私のアジフライと交換して下さい」
「ダーメ」
サツキさんがうるさい。私は食べ始めた。
「エビが3本入ってる。ずるいです」
「サツキさん静かに食べよ」
「ムー」もうほおっておこう。
シンディーさんはミックスフライのセット
パレットさんが刺身のセット
メグさんがコロッケと唐揚げのセット
皆美味しそうに食べてる。いいことだ。
食堂が終わったので市場に移動です。
2度目の市場です。何かいいものあるかな?
「パレットさんは来たことあるのですか?」
「何度かあります」
「シンディーさんは?」
「私は初めてです」
「私は2回目、何があるかな?」
暫く歩いているとサンマを買った店があった。
「おじさん、この前のサンマ美味しかったよ」
「ありがとう。久し振りだな」
「今日のおすすめはなに?」
「今日はブリだな」
「ブリかー。ブリ大根もいいな」
「脂がのってるぞー」
「うー惹かれる。おじさんまた来るよ」
店を出て歩き始める。
「お嬢様、ブリ大根とは何ですか」シンディーさんが聞いて来た。
「ブリと大根を醤油ベースのタレで煮込んでいく料
理。大根にブリのうまみが入って美味しくなる。
口がブリ大根を求め始めた。違う店に行こう」
「お嬢様、物知りですね」
「そんな事、ないよ」
歩き始めると貝のお店があった。
「おばちゃん、この前はありがとう」
「この前の海藻のお嬢ちゃんだね」
「そう。上手くいったよ」
「何に使ったんだい?」
バッグから寒天ゼリーを出す。
「寒天ゼリー。良かったら食べて」
「綺麗だね、これの何処に使ったの?」
「みかん以外」
「へー。いただくね」口に入れ食べ始めた。
もぐもぐ ゴックン
「美味しい。これは何処で、売っているの?」
「売ってないよ。私達が作ったの。」
「もしかして、噂の3女様かい?」
「噂の3女って何ですか?」
「領主様の3女で、イロイロ作って、皆を楽しませているお嬢様。町中では有名だよ」
「そうですけど町中ですか。まぁいいです。砂抜きして有るのはありますか?」
「今日のは全部やってあるよ」
「アサリが1kg、サザエ5個、ハマグリ10個、おばちゃんこれ何?」
「それは牡蠣だよ」
「15個下さい。以上で」
「まいどー。今日は海藻はいいのかい?」
「まだ残ってるから。はい、お金」
「また来てね」
店を出た。
「何か買うものある人いますか?」
皆、首を横に振っている。
「じゃ帰ろうか」
今晩は貝づくしです
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