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市場に行こう

 昨日でお米用の魔導具は大体の仕様が決まりました。後はリンダさんに相談です。

 お父さんに許可をもらって、サツキさんと一緒にリンダさんの工房へ行きます。


 コンコン、ドアをノックします。

 「リンダさんいますか?」

 ガチャ。ドアが開く。

 「お嬢様どうしましたか?」

 「新しい魔導具のお願いと仕様で教えてもらいたいところがあるの」

 「では中にどうぞ」

 中に入り椅子に座った。

 「何を作るのですか?」

 「お米と言う穀物用に籾摺り器、精米機、炊飯器の3種類をお願いしたい。1づつ説明すると・・・・・」

 用途や仕様、動作、操作方法等を説明した。

 「優先は炊飯器から精米機、籾摺り摺り器の順番でお願いします。精米と籾摺りは魔法で出来るので、この順番で作って下さい」

 「炊飯器のタイマーと言うのは出来ます。1時間、30分、使用しないの切り替えも出来ます」

 「よかったー」

 「精米と言うのを見せてもらえますか?イメージがわかないのです」

 「いいですよ。お米も持ってきてますから」

 お米をバッグから出し風魔法を発動して精米を始めた。15分程で終了した。お米と糠を分別してリンダさんに見せた。

 「よくわかりました。それにしても器用ですね制御も素晴らしいです。これでイメージが出来ます」

 「籾摺りの方は籾付きが無いので入り次第見せます。この前頼んだのは一旦止めていいから」

 「わかりました。これで進めます。それで試験運転させる時にお米が欲しいのですが」

 「その時に連絡を頂戴、その時は立ち会うから」

 「わかりました。それでお願いします」

 「では発注の件は終わりです。それでポットの方はどうですか」

 「これ以上の生産が出来ませんね。目一杯です」

 「人を増やす予定は無いですか?」

 「今考えてます。王都の友人の何名かが来たいと言ってました」

 「それはリンダさんの下請けになるということですか?」

 「それも含めてです。私が頭になって一緒にやる事も考えてます」

 「例えばですけど領営の魔導具工房を作ってその中でやると言うのはどうですか?個人の事業主では無くなりますが」

 「条件次第ですね」

 「来たいという方もそうですか?」

 「はっきりは言えませんがそうだと思います」

 「そうですか。ありがとうございます参考になりました」

 「お嬢様何かあるのですか?何か怖いのですが」

 「そのうちクオンさんから話があると思います。話は此処までですね。では帰りますね」

 リンダさんの工房を出た。

 「さてどうしましょうお昼迄まだ時間がありますね。サツキさん、市場って行った事がありますか?」

 「ありますよ。行きますか?」

 「いいの?行きたい行きたい」

 「ではご案内します」

 市場に向かって歩いて行きます。もうウキウキです。初めての市場です。


 「着きましたよ」

 「結構大きいね。何があるかな?」

 「お嬢様目の色が変わりましたね」

 「気のせいだよ。何があるかな?楽しみだな」

 サツキさんがクスクス笑っている。

 周りの店を見ながら歩く

 「サンマ、サンマがある。おじさんサンマ見せて」

 「嬢ちゃんいいぞ」

 「ありがとう」サンマを見始めた。

 「おじさん、これ脂のってそうだね」

 「嬢ちゃんわかるのか、凄いな今が旬だから美味いぞ!」

 「20本頂戴」

 「嬢ちゃんありがとな。これ20本な」

 お金を払いサンマを受け取った。

 またお店を見ながら歩き始めた。貝を売っている店があった。

 「おばちゃん、チョット見せて」

 見るとアサリやハマグリ、サザエ等があった。

 「うわ、いっぱいいる。これ砂抜きしてあるのですか?」

 「今日取った貝だからまだして無いよ」

 「そうですか残念」ふと見ると後ろに海藻が積んであった。

 「おばちゃん、後ろの海藻は売り物なの?」

 「貝を取る時に一緒に付いてきちゃうんだよ。だから売り物じゃないよ」 

 「見せてもらってもいいですか?」

 「もの好きだね。いいよ入っておいで」

 お店の奥に入って行った。そこには昆布、ワカメ、天草があった。

 「おばちゃん、これ欲しい全部じゃないけど」

 「いいよ。持ってきな」

 「ありがとう」バッグから大きめの袋を出し昆布、ワカメ、天草を入れていった。

 「おばちゃん、ありがとうもらってくね」

 「いいよ、少なくなって助かるよ」

 お店を出た。

 「これ以上持てないから帰ろうか」

 「お嬢様その海藻どうするのですか?」

 「美味しいものにするの」

 「えー捨てちゃうものですよ」

 「いいからいいから楽しみにしていてよ」

 屋敷に帰りました。


 キッチンの勝手口から 

 「ユーナさんいいかな?」

 「あれお嬢いないから昼食は町で食べると思ってた」

 「その予定だったけど荷物が出来ちゃって」

 「食材か?」

 「サンマと海藻」

 「サンマはわかるが海藻は何に使うんだ?」

 「イロイロと使う。午後から下準備するよ。それと夕食のメニューは決まってるの?」

 「まだ決めて無い。サンマにするか」

 「塩焼きでお願いします。あと醤油で食べるので大根おろしもお願いします」

 「わかった。後で食べ方だけ教えてくれ」

 「はーい」


 昼食後はキッチンの勝手口の側でシートを敷いて、海藻を出して種類別に並べていきます。

 (昆布と天草はそのまま干しておいて、ワカメはどうしようかな?増えるやつに加工出来るかな?)

 「レッツチャレンジやってみよう。まずは洗浄しないと」

 ワカメをサイキックスで浮かべて昆布と天草から離れる。そして水魔法で洗浄する。終わったら風魔法で水分を軽く水分を飛ばす。飛ばしたらキッチンへ

 「ユーナさん包丁とまな板、ボウル3個貸して」

 「いいぞ」

 借りた包丁で適当な大きさに切りボールに入れる。切ったあとは包丁とまな板を洗い返却する。

 また外に出て乾燥作業に入る。

 「乾燥だから火と風だよね。風は精米の時のようにして、下にファイヤーボールを置いてやってみよう」

 風魔法を発動してワカメを入れる。下にファイヤーボールを発動する。暫く放置。

 15分経過

 少し出してみる。

 「大分乾いてきたもうちょっとかな。縮みの方もいいみたいだ」

 また風魔法の中に戻す。

 15分経過

 少し出してみる

 「いい感じだねお湯に入れてみよう。その前に「解除」」

 キッチンに入りコップを借りた。お湯をもらいワカメを入れる。すると

 「元に戻ってる、成功だねやったー」

 「お嬢どうした」ユーナさんが来た

 「乾燥ワカメが成功した」

 「それは何だ」

 「これが乾燥させたワカメ」ユーナさんに見せた。

 「この黒のが」

 「そう。これをお湯にいれると元に戻る」

 乾燥ワカメをコップに入れる。段々と元に戻る。

 「本当だ戻ってる」

 ユーナさんがビックリしている。

 「これで保存が出来る」

 「それでこれは何に使うんだ?」

 「味噌のスープやサラダ、酢の物かな」

 「今日やるのか」

 「今日はやらない昆布が乾燥してないから」

 「昆布は何に使うんだ?」

 「出汁にする。煮物にも使える」

 「もう1つの方は何にするんだ?」

 「天草は甘味かな」

 「レシピを楽しみにしとくよ」

 「そうして」

 借りたボウルとコップを洗い返却した。乾燥わかめは別の容器に入れてユーナさんに預けた。

 キッチンから外に出て昆布と天草の乾燥具合を見る。

 「こっちはまだかかりそうだね」日が陰ってきたので1度昆布と天草を袋に入れてこれもユーナさんに預けた。その後は土魔法でおろし金を作り大根をすった。

 さて夕食です。サンマです。今が旬です楽しみです。サツキさんの説明が終わりさて食べましょう。

 まずはサンマを開きながら切ってから大根おろしと醤油をつけて口の中に入れた。

 「最高。脂がのっていて、でもおろしでさっぱり、醤油が味を引き締める」

 「セリカ美味しそうに食べるわね」お母さんがニコニコしながら言ってきた。

 「今が旬のサンマですよ。脂がのった身が最高ですよ。今しか食べれないのですよ」

 「セリカが考えたにしては地味じゃの」

 「お父様」お母さんが言った

 「嫌なら食うな」と言ってまた食べ始めた。

 私以外皆が止まった。

 「嫌とは言ってはおらん」お祖父様が言った。

 「言ったも同然ですよ。否定したのだから」

 「この前のチキンステーキ・・・・」

 「あんなの旬のサンマより格下ですよ」お祖父様の声に被せた。

 「ごちそうさまでした」私はバカらしいのでさっさと自室に戻った。

その頃ダイニングでは

 「お父様何をやったのか理解してますか?」

 「うむ」

 「あのサンマはセリカが自ら市場に行って買って来たのです。皆に美味しいものを食べて欲しくて、それを地味とか何を言っているのですか」

 「うむ」

 「明日の朝には帰って下さい。当分来ない方がいいです」

 「当分とはどれくらいじゃ」

 「それは分かりません。どちらにしてもセリカは、お父様を相手にしないでしょうから。すでにどうでもいい人になっていると思いますよ」

 「どうでもいい人」

 「そうです次はお祖父様では無く辺境伯様と言われるでしょうね」

 「叔母様、セリカちゃんとはもう遊べないの?」

 「ステラちゃんとシフォンちゃんは大丈夫ね。ただ無属性の魔法を教える事は無いかも知れないわ」

 「そうですか」ステラはシュンとしてしまった。

 「今日はもうお開きにしましょう」

 ルシーダは皆に伝えた。

 

 自室でボーっとしていたら

 コンコンとノックがした

 「セリカいいかしら」お母さんのようだ。

 「どうぞ」

 お母さんが入ってきた。

 「セリカ大丈夫?」

 「うん大丈夫どちらかというとほっとしている」

 「ほっとしたの?」

 「ずっとウザかったから」

 「ウザかった」

 「何でもかんでも私の知識を含めて物をただ同然で持って行く人。一応買ってはいるみたいだけど」

 「そんな風に思っていたのね。気づかなくてゴメンね」お母さんが抱きしめてくれた。

 「ステラお姉ちゃんやシフォンお姉ちゃんと遊べ無くなったのは、凄く残念」

 「また遊べるわよ。魔法を教える事は無いけど質問とかに手紙とかで答える事は出来るわ」

 「そうだよね」笑って答えた。

 「今日はもうゆっくり休みなさい」

 「はい」

 私はもう寝る事にした。おやすみなさーい。

 

 

  

 

 

 

 


ご覧いただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
キッチンで借りたのはボウルだよね? ボールとボウルはボーリングとボウリングみたいに全く違う言葉だから注意した方がいい
面白かったです もう読みません
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