セリカと話す
「セリカすまなかった」
「すまなかったのじゃ」
朝、ダイニングに行くとお父さんとお祖父様が謝ってきた。
「何ですか?朝からどうしたのですか?」
「此処のところセリカに頼りにしすぎて、セリカ自身の事を考えていなかった」
「此処では何ですから朝食後にでも話をしましょうか」
「朝食後、執務室で話そう」
朝食後、執務室に集まりました。お母さんも一緒です。
お父さんとお祖父様は、また謝ってきました。
「それはもういいです。ユーナさんと話してスッキリしてます、クールダウンもできましたから」
「そうか」
「謝ってきたと言う事は、どの様な原因か分かっていると言う事ですね」
「貿易の件とフソウ国の調味料の件」
「半分位そうですね」
「半分?」
「1ずついきましょうか。貿易品にしたい魔導具ですが、私は作りたい魔導具の案、仕様の決定、発注、最初の納品の試験、合否迄のはずです。販売はクオンさんです。まずクオンさんと話をして、必要ならリンダさんと話す。それで解決しないなら私のはずです。状況を纏めてからでないと決定も出来ません。今回はたまたまリンダさんの状況を、私が知っていたからリンダさんのところで増員、領営工場の話ができました。知らなかったら何も決まって無いと思います。
フソウ国の調味料の件ですが、先ずクオンさんのところにどれくらいの量が販売されるかわからない状況です。多分私のお願いした分は、皇女様は販売してくれると思います。外洋病や船の移動、拠点の設置をやりましたから。もし私の分しか売れませんとなればどうなりますか、お祖父様の分は無いということです。まるでお祖父様の分が有ると勝手に決めての話し合いはおかしいです。これも状況を確認してからでも遅く無いと思いますよ。反論はありますか?」
「無い、その通りだ。販売してもらえると思っていた。貿易の話もそうだ」
「ワシもそう思っていたのじゃ。セリカの料理が美味しくて直ぐにでも持ち帰りたかったのじゃ」
「わかりました。次にレシピの事です。新規の登録から領内の店舗のみの販売にして欲しいです。元々領内の発展が目標だったはずです。全国に広める予定はなかったはずです」
「どうしてじゃ」
「料理人のためです」
「どういう事じゃ」
「料理人は職人です。新しい商品を自ら作る事も料理人の醍醐味です。このままではただ料理を作る人になってしまします。お祖父様のところの料理人はレシピ登録はやっていますか?新しい食材を見つけたので入れて欲しいと相談された事はありますか?料理人自ら探しに行った事はありますか?登録をして無いけどオリジナルの料理はありますか?そこに行かなければ食べれない料理があっても良いと思いますけど、どうですか?」
「全て無いと答えておくのじゃ。そうかただ料理を作る人か」
「難しく考え無くてもいいですよ。例えば見た目が同じ肉料理でも味がチョットでも違えば別の料理ですから。それに私の様に何種も登録しなくても、1つでも2つでも登録して極めればそれは料理人です。うちの場合は基本私が案を出しレシピを書いて3人で味を作るのです。味見や試食を行なった時に味の変更をします。レシピはいつも変更します」
「セリカはそこまで考えていたのか」
「見本市の頃から、王都や周辺の料理人が探っているようなんです。今では此処を食の都と言っている様です。たかだか家庭料理に何を言ってるやら」
「あれが家庭料理なの?」お母さんが言ってきた。
「そうですよ。キッチンに有る物を組み合わせただけです。高級食材なんて使ってませんから」
「そういえばそうね」お母さんが納得している。
「この話はもういいですか?もう1つ有るのですが」
「まだあるのか?」
「これが最後ですよ」
「わかった」
「今スバル姉妹に私の開発した無属性の魔法を教えている事ですが、親戚でもあり南部統括の寄親ですので無料で教えていますが、以前お祖父様が「考えるきっかけになればいい」と言ってましたが、ステラお姉ちゃんはまだ今の訓練でいっぱいいっぱいの様ですが、シフォンお姉ちゃんはそろそろ1つや2つ位挑戦してると思っていたので話が聞けるかなと思っていました。これは私が勝手に思っていたので気にしないで下さい。お祖父様からグラビティ、お母さんから空を飛んだ話を聞いたので、詳しく聞きたいと私の所にきました。私はやっと出来た時間で魔導具の仕様を考えていた最中でした。そのことでストップしてしまい、その日は自分の事が何も出来ませんでした。多分ステラお姉ちゃんが、新しい魔法を教えてもらえると思ったかも知れません。結局はグラビティと軽量化の魔法を教えました。しかしスバル姉妹が、他の属性魔法をイメージでやる様になった事だけは嬉しかったですね。まぁこの4つの事があり、私はイライラの不機嫌だったということです。以上何かありますか?」
「そうかこれだけあれば不機嫌にもなる」
「わしも簡単に考えておったのじゃ本当に悪かったのじゃ」
「私の話も発端になるとは思わなかったわ」
「もう終わった事がです。これから改善すればいいだけですよ。これで手打ちです」
「そうだねもう少し気をつけるよ」
「セリカ、話変わるけどお祖母様の事嫌いなの?あまり話さないけど」
「嫌いではありません。ただなんていうか波長が合わないのです。私の性格の問題ですね途中で「早く」って言いそうになります。なのでこちらからは行かない様にしてます。申し訳無いですけど嫌な思いをするよりは良いと思って」
「お祭りの時「早くして邪魔」とか言いそうにならなかった?」
「なんでわかるのですか?後5分遅かったら言っていたかもしれないです」
「あなたの母親だからよ」
「お母さんは言いそうにならないのですか」
「なるわよと言うか、言った」
「その後気まずくならないですか」
「なるわよでも親子だから大丈夫」
「私は無理。だからこのままでいい」
「その辺はわしが話しておくのじゃ」
その後は雑談をして終わった。お父さんがへこんでいた。お父さん頑張って。
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