新しい料理と不機嫌なセリカ
「ユーナさん、シンディーさん、おはよう」
挨拶をしながらキッチンに入った。
「きたなお嬢」
「お嬢様おはようございます」
「何から作り始めるんだ?」
「肉じゃがとナスの揚げびたしから」
「ナスは、切ってアク抜き迄は終わっているぞ」
「油を温めてナスを揚げるのと出汁に調味料を入れて温めといて」
(今回は全てしいたけ出汁です。昆布と鰹節が間に合わなかったよ)
「揚がったら油を切ってから調味料を入れた汁に入れてひと煮立ちさせてから暫く休ませといて」
「肉じゃがは、最初に野菜と肉を炒めて、火が通ったら出汁と調味料を入れて沸騰したら火を弱めてアクを取って下さい」
(今回はじゃが芋、人参、玉ねぎ、オーク肉のシンプルなのにします)
「アクを取ったら落とし蓋をして煮詰めます。20分位かな、途中でかき混ぜて様子を見て」
「お嬢、ナス終わったぞ」
「竈から外して休ませて置いて、味が染み込むから。
次は豚汁だね。」
(豚汁の具はオーク、大根、人参、キャベツ、ネギ、出汁を作る時に使ったしいたけ)
「肉と野菜を炒めたら出汁に入れて沸騰したら中火にしてアクを取って下さい、10分程煮込みます」
「お嬢様、肉じゃが終わりました」
「竈から外してチキンステーキを焼き始めて下さい。
ある程度火が通ったら調味料を入れてある程度煮詰めますそれで完成です。
お米を水につけないと」
お米を洗ってから。水につけた。
「お嬢、豚汁の方は時間だぞ」
「1度竈から下ろしてから味噌を入れます。
お玉で味噌をすくい泡立て器で溶かしていきます、溶けきってかき混ぜてから味見して濃さを確認します。味が決まれば完成です」
「照り焼き終わりました」
「お嬢、味見してくれ」
小皿に入った豚汁の汁を受け取り、飲んだ。
「いいね。個人的にはもうちょっと濃い方が好きですね。2人も味見して濃さを確認して」
小皿に入れた汁を2人は飲んだ。
「もう少し濃くてもいいような感じだな」
「私はこれぐらいですかね」
「味噌は後でも足せるからこれでいこう」
4品を盛り付けて試食です
「まずナスから」
口に入れる。
「んーいいね美味しいよ。次が肉じゃがはどうかな」
じゃが芋を食べた。
「これもいい、ちゃんと味が染みている。
照り焼きにいってみよう」
1口に切り食べる
「美味しい照りも出ている、いいね。
ユーナさんマヨはあるの」
「あるぞチョット待ってくれ」
マヨを持って来てもらい、照り焼きに付け食べた。
「最高に美味しい。では最後に豚汁を」
豚汁を食べた。
「んーほっとするこの味いいね。2人はどーかな?」
「お嬢を見ていた、どんな顔をするのか気になった」
「私もです。凄くいい顔してましたよ」
「私の事はいいから食べて感想を聞かせてよ」
2人は食べ始め、試食が終わるまで喋らなかった。
「お嬢これいい。醤油って凄いな煮物は味が薄めだけど味がしっかりしてる素材の味もちゃんと感じるよ」
「初めての味でしたがとても美味しいです。
醤油とマヨって合うのですね。
豚汁はお嬢様が言った様にほっとする味です」
「気に入ってもらえてよかったよ。これで昼食は決まりだね。さてお米を炊きますか」
釜が無いので今回は鍋でやります。
水の量は確か入れた米の上から人差し指のひと関節分だった様な気がする手の厚さ分だったかな?まぁやってみよう
鍋をセットして火を点ける。最初は強火で沸騰したら弱めるだったかな。
「ユーナさんおかずはこれだけ?」
「そのつもりだけど何かあるのか?」
「刺身があれば出して欲しい、醤油をつけて食べて欲しい」
「そうだったな忘れてたよブリがあるからそれを切るよ」
「ありがとう」
ユーナさん達は昼食の準備を始めた。
シンディさんが照り焼きを作り、ユーナさんがブリを切り始めた
沸騰してから火を弱め、炊けるのをウキウキしながら待っていた
「炊ける匂いがしてきたもうちょっとだ」
・
「炊けた!やったぜー」
無事上手く炊けました。
「お嬢様、はしたないです」
サツキさんが入ってきて注意された
「すみません、はしゃぎすぎました」
「お嬢は米だと人が変わるようだアハハハ」
「ユーナさん笑いすぎ」
「悪い悪い」
昼食の準備は出来ました
◆
ダイニングに全員が揃い、サツキさんより料理の説明があり食事が、始まりました
「美味しいね調味料が違うだけでこんなにも変わるんだね」お父さん言った
「お刺身に醤油が合うわ」お母さんが言った
「じゃが芋がホクホクで味が染みて美味しい」カリーナお姉ちゃんが言った
「・・・・・」コロナお姉ちゃんは黙って食べていた。照り焼きは3枚目だそうだ。早い。
ルバス家の方も好評である皆笑顔で食べている
よかったよかった。
◆
昼食後、自室で昨日の続きを考えているとサツキさんが呼びに来た。
「お嬢様、ダイナ様と辺境伯様がお呼びです」
この作業すると邪魔が入る。
「行かないとダメなの?」
「行かないとダメです」
自室を出て執務室に行く
◆
「セリカです。お呼びでしょうか」
「入りなさい」
執務室に入る
「なんでしょうか」
「義父上の方でも米と調味料を入れたいと言っておられる」
「良いんじゃないですか、クオンさんに言えばやってくれると思いますよ。
うちもクオンさん経由ですから私の許可は要らないと思いますが?それだけですか?」
「いやそうじゃ無くて」
「時間が勿体ないので簡潔にお願いします」
「セリカどうした」
「用事がないなら戻りますね」
そのまま執務室を出た。
執務室では、
「セリカはどうしたのじゃ」
「あんなセリカは初めて、いや2度目ですね」
「初めての時は川の工事の1日目の夕食の時ですね・・・・・」
その時の事を話した。
「そんな事があったのか、料理の事を知っているかいないかなの違いじゃな。それで今回はなんじゃ」
「わからないです」
◆
私は、キッチンに行きユーナさんにお願いをした。
「ユーナさん私の夕食は部屋で取るからパンにおかずを挟んだのと飲み物をお願いします」
「わかった、部屋に届けるよ」
「はーい」
キッチンから自室に戻った
「さて始めるか、わかり易い炊飯器からやるかな。
やっぱIH並の火力が必要だよね」
・
・
「タイマーは無理かな?その辺りはリンダさんと相談だね。今度は精米機だね風魔法でいけるかな?糠との分別をどうやるか」
・
・
「最大で5合を精米、糠は下に落ちる用のすれば分別が出来る」
コンコン ノックがした。
「はいどうぞ」
「お嬢持ってきたぞ」
「ありがとう。もうこんな時間なんだ」
「そうだぞ、相当集中してたみたいだな。
何をやっていたんだ」
「ご飯を炊く炊飯器と米を磨く精米機これから籾摺り器を考えるとこ」
「3っつ必要なんだ」
「そう炊飯器はお米と水を入れれば自動で炊ける、竈を1つ塞ぐ事も無くなる。
精米機は籾を取ったお米を磨いて白米にするの、籾を取ったお米は玄米って言うんだけど吸水時間が長くて3時間以上しないといけないの栄養はあるけど。籾摺り器は米の籾を取る為の道具。
白米や玄米だと保存が悪いと虫が着いたりカビが生える事もあるから必要な分だけ籾摺りをするの」
「それは直ぐ必要なのか」
「直ぐでは無いけど必要な物。
今からやらないと間に合わない最初の仕様がしっかりしないと作る人が困る。
料理だって同じでしょ」
「そうだなお嬢の言う通りだな。
それで今日はどうした、さっき来た時凄い不機嫌だったけど」
「昨日の朝からやりたい事をやろうとし始めると呼び出しとかがあって話を聞くと私関係無いじゃん、それに話を持っていく順番が違うと思って。
今日もお祖父様が、米と調味料を買うって言うからクオンさんに聞いてくれ私の許可は必要無いって言っちゃった。話す順番が違うでしょ」
「お嬢のせっかちな部分が爆発した感じだなアハハハ」
「ユーナさん笑うなんて酷いよ」
「ごめんごめん」
「それにお祖父様はレシピが欲しいって言って来たと思う食べて美味しいと思ったから屋敷でも食べたいと思っていると思う。
でも料理する人からすればどう思うのかな、いきなりレシピを渡されてこれを作れって言われたら。うちは私がユーナさんに相談してから始めるでしょ、
それに味も一緒に作ってる、試食がいい例だよねレシピも最終的には変えてるから」
「そうだな元はお嬢でも私とシンディーの意見が入っているな」
「私が不機嫌な理由はそういう事です。チョットすっきりした。レシピ売るのこの町だけにしようかな。王都は何かきな臭いし」
「お嬢、何か凄い事を言ってないか」
「大丈夫、クオンさんにも言ってるから。
それにホーデン領は食の都なんだって、たかだか家庭料理に何を言ってるやら」
「アハハハお嬢はやっぱおもしろいな、そろそろ行くよ邪魔して悪かった」
「ユーナさんだったら大歓迎だよ。ありがとう」
ユーナさんはセリカの部屋から出た。
セリカの部屋の前では両親と辺境伯がいた。
「だそうですよ」
「ユーナありがとう」
「いえいえ」
ユーナはキッチンに戻って行った。
◆
廊下の3人は、1度執務室に行く。
「やっとセリカの事がわかったよ私のせいだったのか。考え方が大人なんでつい頼ってしまう」
「そうねカリーナやコロナに比べて随分大人ね。
子供らしいところもあるけど、多分何処かで切り替えてる感じね」
「ワシもセリカに甘えていたのかも知れんの。
祭りの時言われたのじゃ、注文するのに20分程かかったのじゃ。
そしたらセリカはお祖母様と叔母様はのんびりされた方ですねとな」
「あの子我慢したわね、多分「早くして邪魔」と言いかけたと思うわよ、露店は回転が悪いと他の人に迷惑がかかるから」
「セリカの性格を考えるとそうじゃな」
「明日セリカに謝るよ」
「その方がいいわね」
その後も話し合いが続いた。
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