食事での治療
屋敷に戻り、私はキッチンへ。
お父さんは、王城とお祖父様に報告書を書くそうです。
◆
「ユーナさん。今いいですか?」
「いいよ。どうした?」
ユーナさんに、座礁した船の話をした。
そして、外洋病の話をした。
「わかった。何からやればいい?」
「先ず柑橘類の飲み物を作って欲しい」
「今はみかんだけだな」
「それで、いいからお願いします。
それと、じゃが芋を30個茹でて、20個をマッシュポテトにして欲しい。
10個はそのままで、マヨを付けさせる。
ブロッコリーがあれば、軽く茹でて欲しい。
それから空いてる瓶詰め用の瓶あるかな?
出来れば大きめが良いんだけど」
「瓶は、倉庫にあった様な気がする。
お嬢が探してる間に作っとくよ」
「わかった。お願いします」
私は、倉庫に向かった。
◆
倉庫に着いた私は、ゴソゴソと瓶を探し始めた。
「ん~。これだと小さいな。奥にもあるかな」
今度は奥の方を探し始めた。
「あったー。これなら良い。もう2つあるぞ。
そうだ、みかんジュースの瓶もだった。
さっきのでいいかな」
大きめが合計3個、ジュース用を10個を見つけた。とりあえずはこれでいい。
倉庫の外に出て水魔法で綺麗に洗い、風魔法で乾かした。さてキッチンに戻ろう。
◆
キッチンに戻り大きめの鍋を借りて、瓶と蓋を煮沸消毒した。
消毒した後は、風魔法で乾かした。
「ユーナさん、小さい方にみかんを搾ったのを入れといて。後、キャベツの千切りと塩が欲しい。」
「わかった。シンディ、キャベツ3個千切りして」
「はい」
シンディさんが始めた。ユーナさんが、ジュースを瓶に入れ始めた。
・
「千切り終わりました」
シンディさんから声が、かかりました。
「ありがとう。1度ボウルに入れて塩を入れて揉み込んで下さい。私もやります」
「わかりました」
「お嬢、こっち終わったぞ」
「揉み込んだキャベツを瓶に隙間無く入れて下さい」
「わかった」
揉み込みと瓶詰め作業を、して行った。
・
「終わったー」
無事に作業が終わった。
「お嬢、このキャベツは何だ」
「これは保存食。船の上では、野菜が満足に取れなくなって病気になりやすいので、それを出来るだけ防ぐ為の野菜の保存食。後ピクルスでもいいよ」
「よく知ってるなぁ。お嬢」
「何となく、どっかで聞いた様な気がしたんだよね。本だったかなぁ?」
「とりあえず、終わりで良いのかい?」
「うん。ありがとう。後でまた取りに来るよ。
後みかんを1個貰いますね」
キッチンを出て、執務室に行った。
「お父さん、セリカです。宜しいですか?」
「いいよ」返事が来た。
「失礼します。お父さんこちらは準備出来ました。
物はまだキッチンにあります」
「お父さんは、もうちょっとかかるから、少し休んでいなさい」
「はい。では、リビングか研究室にいます」
「わかった。後で呼びに行くよ」
研究室に、行こうかかな。
◆
「パレットさん、こんにちは。
今朝は、ありがとございます」
「セリカさん、いらっしゃい。どうしました」
「ちょっとした、実験をしてもらおうかなと」
「実験ですか。どんなのですか」
「ポーションにみかんをいれると、ただのみかん味になるのか?
それともみかんの成分で外洋病に効くのか知りたくて」
「興味深いですね。初級でやってみましょう。
みかんの身のみと、身と皮の両方入れた物でどうですか」
「それで、お願いします」
「それでは、始めますね」
先ずは、身のみから始めました。
パレットさんが、作り始めました。
数分後。
「出来ました。もう1つの方も作りましょう」
身と皮を入れた物を作り始めた。
これも数分後。
「こちらも出来ました」
「では鑑定しましょう」
ーー鑑定結果ーー
○初級ポーションにみかんの身のみ
初級の効能はそのまま。壊血病には、初期症状を抑える。飲んだ後は食事療法で完治する。
消費期限は、冷暗所で、1カ月 飲用回数は、1回
○初級ポーションにみかんの身と皮
初級の効能はそのまま。壊血病には、初期症状は完治する。飲んだ後は食事による栄養補給する事。
消費期限は、冷暗所で、1カ月 飲用回数は、1回
「パレットさんできてるよ。初期症状用だけど」
「私も鑑定しました。出来てますね」
「身と皮を使った方を採用だね。これは登録が必要なのかな?」
「薬師ギルドに、登録になりますね」
「お父さん案件だね。これは」
その時、
「セリカ、居るのかい?」お父さんが来た。
「はいいます。ちょっと来て貰えますか」
お父さんが来た。
「どうした」
「外洋病の初期症状用のポーションが出来ました。
思いつきで実験したら出来ました」
「そうか。それは後で相談しよう。
それとパレット嬢、ギルドに出せる用に資料を纏めておいてくれるかな」
「はい」
「では行こうか。キッチンのは運ばせてある」
「はい。パレットさん、ありがとう」
研究室を出て馬車に乗り、今朝行った浜辺へ
◆
今朝、建てた浜辺の家の前に着きました。
「領主のダイナ・ホーデンと言います。
皇女様にお目にかかりたいのですが、いらっしゃいますか?」
「少々お待ち下さい」
少しして。
「領主殿、お待ちしておりました」
「こちらこそ、遅くなり申し訳ありません」
「では、大広間の方へ」
病人がいる、大広間へ
「今外洋病になっているのは8名です。1番酷いのが歯茎からの出血です」
「そうですか。今回の食事での治療用に作って参りました。ただ、ポーションの様に直ぐ治るものでは、ありません。ご理解下さい」
「それは先程了承しましたので、問題ありません」
「セリカ。治療食の説明してくれ」
「はい。先ずは、小さい方の瓶が、みかんを搾った物になります。
次にこちらが、じゃが芋を潰した物です。上手く噛め無いは、こちらが良いと思います。
もちろん、普通に食べられる方でも大丈夫です。
次に、じゃが芋を茹でた物です。これは、普通に、食べれる方に。
最後は、ブロッコリーを軽く茹でた物です。普通に食べれる方に。潰せば、そうで無い方にも食べて、頂けます。
マヨネーズと言うソースを付けて、食べて下さい。
こちらの大きめの瓶ですが、3日から4日したら食べて下さい。キャベツを塩漬けした、ザワークラウトと言うものです。
保存食となる物です。先ずこちらから試して頂けますか。それに、そちらのコックでも簡単に作ることができますよ。ソースに関しては、商業ギルドでレシピを入手出来ます」
「そうですね。この様な内容で、あれば私達のコックでも対応出来ます。」
「では、明日にキッチンと風呂場、応接間を作りましょう。それと明日の午後にでも、お話を伺わせて下さい。キッチン作りとかは、朝食後にでも伺います。
本日は、ゆっくりと休んで下さい。では私達は失礼します」
私達は屋敷に戻った。
私達が出て行った後皇女様達は。
「あの領主殿は信用出来そうですね。普通はここまでしてくれません。船長はどう思いますか」
「そうですね。信用出来そうですけど、少し様子見と言う事ですね」
「そうね。暫くは此処に滞在ですね。後は船の点検をどうするのかと貿易用の積み荷を確認しないと。
どっちにしても期限には間に合わないわ。此処で売れないかしら。今回は大赤字ですね」
「向こうの商人たちも、その所はわかっていますよ。来ればラッキー程度ですよ。前金を貰っていませんから」
「そうね。今日は、病人に食べさせて、ゆっくり休みましょう。久し振りの陸ですから。私達のご飯はあるかしら」
「船に行けばありますよ。やる事をやって仕舞いましょう」
「そうね」
皇女様達も動き出した。
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