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嵐が、来た

 あと1週間程でお祭りです。

 屋台のメニューも決まりました。

 栗は甘露煮とペーストにしてから、クリームと混ぜて円盤焼きに使う事しました。

 昨日は昼過ぎから雨が降り出し、夕方からは風が強くなって、夜には台風が直撃したような暴風雨となりました。

 そして、夜が明け晴天となりました。


「領主様、大変です」

 役所の人が、飛び込んで来た。

「どうした。何があった」

「漁港の近くの浜辺に、大きな船が座礁しました」

「何だと。直ぐに兵士と救助用の人員を向かわせろ。私も直ぐに向かう」

「お父さん、私も行くよ。魔法が必要になるかも知れないから」

 私は、志願した。

「わかった。その代わり護衛を側に置くこと。いいね。」

「あとパレットさんに、ポーションを準備させてください」

「わかった。サラ、悪いがパレット嬢を呼んでくれ。

 サラさんが呼びに行ってくれた。

 少ししてからパレットさんが来た。

「失礼します。お呼びでしょうか」

「朝からすまん。至急中級ポーションを5本と初級ポーションを10本用意してくれ。

 料金は私に請求してくれ。そ

 れと兵士を用意するから渡して欲しい。研究室に向かわせる」

「わかりました。直ぐに用意します」

 パレットさんは、出て行った。

「セリカ、では行くぞ。サラ悪いが兵士1名を研究室に行くように言ってくれ」

 私とお父さんは、屋敷を出た。

 町に入り、漁港の近くの浜辺に到着し馬車から降り浜辺に入った。近くの住民も見に来ていた。 

 ここは、いつも行く浜辺と違い波が少し高い。

 サーフィンとか出来そうだ。

 船の側迄来た。とても大きな船だった。

 外国の外洋船なのだろうか? 

 マストが3本で、長さが50m位ありそうだ。

 お父さんは役所の人や兵士、発見者の人達から、話を聞いていた。

「では降りて来てはいないのだな」

「はい発見から、今までの限定でありますけど」

「わかった、ありがとう。セリカ、上迄階段を作れないか? 船の人に会って話を聞かないとな」

「わかりました」

 私は、イメージを作り始めた。段差とかはこれぐらいかな。手摺りも付けないと。

「よし「クラフト」」

 土魔法を使い、船の横に階段を作った。

「ありがとうセリカ。では行くぞ」

「はい」

 役所の人と兵士が付いて行った。私も付いて行った。

 階段を上がり、甲板迄来た。

「責任者はいるかね。私は此処の領主である」

 暫くすると、体格のいい男性が2名と、カリーナお姉ちゃんと同じ位の女性が出てきた。

 そして私達の前に来て女性が話し始めた。

「私は、フソウ・ヒシミツ連合皇国 第4皇女のミラージュです。私の左側がこの船の船長のスタリオン、右側が私の護衛です」

「紹介ありがとうございます。私は此処の領主のダイナ・ホーデンです。

 総員、皇女様に礼」

 お父さん、役所の人、兵士が、右手を左胸に当てた。

 皇女様が、右手を少し揚げた。

「なおれ」お父さんが、言った。

「ありがとうございます。領主様からの礼、受け取りました」

「ではお話をお伺いしたいのですが、先ずは怪我や病気の方はいらっしゃいますか?

 昨日の暴風雨で相当揺れたと思いますので」

「船長どう?」

「はい、昨日の揺れで怪我人が出てます。

 そしていつもの外洋病が数人います」

「そうですか。領主殿この様な状態です」

「わかりました。先ず怪我人を集めて貰えますか」

「わかりました。船長お願い」

「わかりやした」

 船長は怪我人を集めに行った。

「ポーションは来ているか。確認してくれ」

 お父さんは、兵士に指示を出している。

「ポーションは、今研究室より届ました」

「此処に持って来てくれ。皇女様、怪我人の治療の為に船に入っても宜しいですか」

「はい、お願いします」

「では、失礼します」

 私達は船の甲板の乗った。

 救護の人が5人、護衛兵士が8人、役所の人が2人あとは、階段での待機である。

 怪我人は10名程でした。思ったよりも少なかった。

 順番にポーションを飲ませて、復帰させて行きました。重症者がいなかったのは幸いです。

「皇女様、とりあえず怪我人の治療は終わりました。

 それで外洋病と言うのは、どの様な症状でしょうか?」

「そうですね。外洋病と言うのは、長い間の航行で発生します。

 これにかかってしまうと、生命に、危険な事になってしまいます。症状としては、皮下での出血、歯茎からの出血、肌がとても荒れてくる。

 疲労、筋力低下、貧血等があります」

 私はこの話を聞いて、もしかしたら壊血病ではないかと思い、お父さんに話をしました。

「お父さん、ちょっといいですか」

「どうした?」

「もしかしたら、よっぽどの重症じゃ無ければ治るかも知れない」

「何か、わかったのかい?」

「うん。多分、船の食事での野菜不足かも知れないです」

「どう言う事かい?」

「野菜のある成分を、摂取しないと血管が、弱くなってしまうのです。

 それで体内で破損してしまうのです」

「私には、話を聞いてもよくわからないが、野菜を食べれば良い方向に行くであろうと言うことだね」

「そうですね。柑橘類やトマト、じゃが芋、ブロッコリー、ピーマン、ピクルス等がいいですね」

「皇女様、今の話を聞いておられたと思いますが、どうでしょうか」

「そうですね、確かに船の食事では、どうしても、野菜不足になってしまいます。

 もし、直せるのであればお願いしたい」

「セリカ。どうだいできそうか?」

「出来ますけど、ただ、症状次第では無理である事をわかってほしいのですけど。

 それに、ポーションを飲んで直ぐに治るというものでも有りません。長期の治療も考えて欲しいです」

「皇女様、どうでしょうか」

「私は、了承する。船長はどう考える」

「はい。私も姫様に同意致します」

「領主殿、お願いする」

「皇女様。承りました。

 先ずは地上に拠点が入りますよね。

 それとこの船には何名程の乗員がいますか?」

「そうですね。船に近い所にお借り出来れば、助かります。乗員は、私達を含めて38名です。」

「セリカ、浜辺の入り口の所に一軒建ててくれないか。研究室と同じ大きさで」

「わかりました。間取りに関しては相談させて下さい」

「わかった。一旦降りて建てる場所へ行こうか。

 皇女様、船長も一緒に来て頂けますか」

「わかりました」

 私達は、一度船から降りて、建てる場所に向かった。

「セリカ。此処にお願いしたい」

 私は、イメージの為のメモ書きを始めた。

(1階は、治療場所兼ざこ寝用の部屋、2段ベッドが、4台入る部屋が、3部屋で)

「皇女様のお付のメイドさんは、何名いらっしゃいますか?」

「メイドが2名で、女性の護衛が2名です」

「その4名は同じ部屋でもいいですか?」

「構いません」

「わかりました。間取りとしてはこの様な感じですね。皇女様、お父さん確認をお願いします」

「セリカ。これでいい」

「了承します」

「キッチンとお風呂は後日で、お願いします」

「わかりました」

 私は、メモ書きを見て、イメージを膨らませて、

 地面に手を当て「クラフト」と言って、魔法を使う。数分で出来上がった。

 皇女様と船長さんは、口を半開きにして、驚いている。

「船長、家ってこんなに早く出来るものですか?」

「そんな事は、無いと思いますが」

「それでは、中を確認しましょう」

 表の玄関から入り、1階の奥から見ていく。

「1階の奥3部屋は、8名で1部屋になっています」

 扉を開けて確認する。

「玄関寄りが、治療出来る用に大部屋となっています。空いたスペースがあれば、そこで寝起きして下さい」大部屋を確認して、2階へ行く。

「2階は、手前が皇女様の部屋で、奥がメイドさんと女性の護衛の部屋になっています」

 確認したあと、1度外に出た。

「皇女様、此処をご使用下さい。外洋病の方を優先的に1階の方に入ってください。私達は一旦戻ります。

 後程またお伺いさせていただきます。

 私達の兵士を警備の為に5人置いて行きます。

 何かあれば兵士に伝言して下さい」

「ご配慮、ありがとうございます」

 皇女様から、お礼を言われた。

 お父さんは、役所の人と兵士に指示を出したあと、私と一緒に屋敷に戻った。


 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

ご覧いただきありがとうございます。

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