家庭教師とキッチン用品
朝食後、パレットさんと家庭教師の事で話し合っています。
先ずは、基礎知識からと言う事で、来週から週の前半の3日間の午前中となりました。
パレットさんは授業以外の時間は、しばらくの間、本などの資料、実験道具等の用品の購入、薬草の採取、等を行うそうです。
研究に関しては、手荒れの防止に関する事から、始める事になりました。
それと、薬草の畑を作るそうです。
ガーデニングしているパレットさん、絶対に可愛いと思う。
「ねぇパレットさん。どうしてホーデン領に来たの?」
「そうね。王都から遠く離れたかったのと、海を見て見たかったから。それとホーデン領の新しい料理をいっぱい食べたかったのもありますね。」
「実際に来て、どうでした?」
「来て正解でした。
これはセリカさんに会えたと言うのが大きいですね。会えていなければ、露店でポーションを売っていたままですね。
それかどこかの薬師のところで、働く事になったかもです。
面接の時、私のことを勿体ないと言われたことは、とても嬉しかったです。
それに新規の薬の開発の話を聞いた時、やってみたいと思いました。
錬金術のスキルがあると知らされた時は、何か新しい道が開けたと思いましたね」
「偶然に、たまたま会っただけなのに、縁が出来てしまったと言う事です。
鑑定で見た時に、こちらに直ぐに引き入れようと思いましたよ。
薬師からランクアップして、錬金薬師になりましょう。多分開発をやって行くうちに、錬金術が必要になって来ると思いますよ」
「錬金薬師ですか、いいですね。頑張ってランクアップします」
そんな話をしながら、打ち合わせを終えました。さて、昼食後に、報告ですね。
昼食後、お父さんに、家庭教師の件を報告中です。
「来週から、週の前半3日間となりました」
「それで、開発の方はどう進めるのかな」
「はい。先ずは、本等の資料の購入、最低限の研究に必要な道具の購入、薬草の採取、分布の確認等を行い、手荒れを防ぐ薬の開発です。
成分や効能の確認、人体への影響の確認等をするため 簡単には出来ないと思います。
それと、薬草の畑を作りたいとも言っていました」
「畑は許可しよう。それと開発に関しては分かった。とりあえず、今は様子見と言う事だな」
お父さんに、報告は終わりました。
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー
クオンさんに、キッチン用品をお願いしてから、1週間立ちました。
本日納品です。先ほどクオンさんが来ました。
お父さんと一緒に、話を聞いています。
「セリカお嬢様、こちらが発注されたキッチン用品です。御確認ください」
「はい。確認させていただきます」
私は、商品を持って上げ下げしたり、振ってみたりして、感触を確かめた。
「いいですね。実際に使ってみましょう」
全員で、キッチンに向かった。
◆
キッチンに入り、
「ユーナさん、ちょっと場所貸して」
「いいけど、どうしたんだ」
「新しいキッチン用品」
「おぉいいな。欲しい材料はあるか」
「溶いた卵に砂糖を入れといて、次がマヨを作る用意、その次がじゃが芋と人参を3個づつ」
「シンディ」
「用意してます」
全ての物が、揃いました。
「四角いフライパンからやります」
フライパンを、温めて油を入れてから、溶いた卵を入れました。
そして、焼けたら巻いていきます。
巻き終わったらもう1度卵を入れ、巻いていきます。
「はい。出来上がりー。やっぱり専用は使いやすい。お皿にのせて。はいどうぞ試食してください」
シンディさんが、カットしてくれた。
「うんいいね。バッチリだよ」
「川の時より、フワフワだよ」
「美味しいな。それにしても器用に巻いたなぁ」
「甘くて美味しいです」
「焼いて巻いただけで、食べごたえがある」
私、お父さん、ユーナさん、シンディーさん、クオンさんが言った。
「次は、じゃが芋と人参の皮を剥きます」
先ずじゃが芋を持って皮を剥く、あっという間に剥き終わる。
次に人参を持って剥く、あっという間に剥き終わる。
「これもいいね。剥きやすい」
「お嬢、貸してくれ」ユーナさんが言ってきた。
ピーラーを渡すと、直ぐに剥き始めた。
「うゎ、はやっ。簡単に剥ける」
「私にも、貸してください」シンディさんが、ウズウズしてる。
「次は、マヨ作ります」
泡だて器で卵をかき混ぜ、油を入れながらかき混ぜた。
(いつもより、楽にできる)
途中でやめて、ユーナさんに渡す。
かき混ぜ始めた。
「混ぜ易いし、楽だ。これはいい」
ユーナさんは、大絶賛。シンディさんと交代してます。
「うあぁ凄い楽です。混ぜやすいです」
こちらも、大絶賛。
「気に入ってくれて良かったよ。
じゃぁ最後は、トング。掴みやすいのでやってみて」
ユーナさんに渡した。サイズ違いをシンディさんに渡す。2人は色々と摘んでいた。
「お嬢全部いい、直ぐ導入してくれ」
「同じくです」
2人共、気に入ってくれたようだ。
「数は、大丈夫?」
「もう1セットで」
「お父さん、いいですか」
「分かった」
「クオンさん、1セット追加で」
「分かりました。こんなに評判ががいいなんて思いませんでした」
無事に、導入されました。良かったよぉ。
その後のキッチンでは、
「本当に、お嬢は良い物を作るよ。」
「他にも、作られたのですか?」
「洗濯物を干す道具を、見たことあるか?」
「はいあります。変わった干し方だなと」
「あれは、風が吹いた時に、飛びにくい様にと、お嬢が考えて作った。
ハンガーの方は、小さい洗濯物を干せる様に作った。
あとは髪飾りだな。サツキの頭の後ろに着けてるやつ。他にも3種類ぐらいあったかな?
サツキに聞けば分かるぞ。この間は魔導具を作ってもらうとか言ってたなぁ。
お湯を沸かすとか言ってた」
「お湯を沸かすのに、魔導具は必要無いのでは?」
「それだがなぁ。沸く温度が2つあって、普通に沸かすのと、85度で止めてその温度が、ずっと続くようだ。お茶が直ぐに飲める様にしてるらしい。それに、いちいちキッチンに来なくても良くなる」
「お嬢様は、色々考えているのですね」
「以前サツキが聞いたらしい。そしたら「道具で、楽出来る事は良いことだ。時短にもなる。別の仕事も出来る。余裕も出来て集中も出来る」とな」
「その通りですね。だから、今回はキッチン用品を作ったんですね」
「今回は、皮むき用と混ぜるのがメインで、フライパンはお嬢の欲しい物。トングはついでかな」
「そう言えば、そんな感じでしたね。
でも、卵焼いたのは、フワフワで食べごたえがあって、美味しかったです」
「あの卵だけど、お嬢の事だ。次は味を変えて来るぞ」
「味を変えるんですか?」
「そう、同じのも続く事もあるけどな」
「驚かせ無いでください。」
「そんな事ないぞ。円盤焼きだって、味変えたろ」
「そう言えば」
「そうだろう。面白いだろう」
「そうですね」
「じゃぁ。夕飯作るぞ」
2人は、仕事に、入った。
ご覧いただきありがとうございます。




