マグロ料理を食べよう
ユーナさんの号令で、夕食づくりがスタートしました。
まずマグロの頭と骨を大鍋に入れて、煮込みます。
さすがに頭は4分割しました。沸騰してから火を弱め、アクを取りながら煮込みます。ステーキ、フライは大きめでカット、竜田揚げは、2口サイズでカットしてきます。刺身もカットしてきます。
「シンディ、揚げ物を始めてくれ。お嬢、ハンバーグを頼む」
「「はい」」
ユーナさんは、ステーキを焼き始めました。
私は、ハンバーグのタネを作り、成形して片栗粉を付けて行きます。
「ユーナさん、成形終わったから焼いといて、タルタルソース作るよ。トマトソースは足りそうかな?」
「トマトソースは、大丈夫だ。タルタルソースだけ頼む」
・
「タルタル終わったから、サラダ作るよ」
「頼む」
レタス、キャベツ、きゅうりをを切って行く。
切り終わったら13人分の盛り付け。
終わったら、スープの方に行く。
まず味見。カップに入れ、塩をちょっと入れて飲んでみる。
「出汁は、出てるからいい。味付けをどうしよう。ん~~」
「お嬢どうした。シンディ、終わったらオレンジを絞っといてくれ。4個」
「味見して、ユーナさん」カップを渡した。少し飲んで。
「けっこう出汁が出るんだな。悪くは無いけど物足りない」
「そうなんだよね」
「あっこれどうかな。昨日入って来た魚醤」
私は、ほんのちょっと入れて飲んだ。
「味に深みが出た。これだったらいいかも」
「どれどれ」ユーナさんも飲んだ。
「本当だな。これだったら大丈夫だ。
今日使う分だけ濾して味付けしよう。
シンディも飲んでみろ」
私は3個のカップに 出汁のみ、塩ちょっと入れた物、魚醤を入れた物を渡した。
「塩のみでも、悪く無いですけど、魚醤入りがいいですね」
「スープの具は、あえて無しにするかな」
アサリが、このスープに、合いそうなのに。
ヨシ。スープを作って完成。
夕食の準備を終えて、ダイニングに行きました。
全員揃って、いるようです。
そうだ、ステラお姉ちゃんに、渡さなければ。
「ステラお姉ちゃん、これあげます」
「凄い綺麗。これ何ですか?」
「これは、珊瑚です。海にいました。綺麗だったので、お土産にどうかと思いまして。加工してアクセサリーとしても使えますよ」
「ありがとう、嬉しいです
「セリカ、私達のは?」
カリーナお姉ちゃんが、言ってきた。
「良いのが無かったので、取ってきませんでした」
「えぇー」お姉ちゃん達が、うるさいです。
「セリカ、海の中からどうやって取ったのかな?」
お父さんの笑顔が、怖い。
「魔法で」
「へっ」お父さんがビックリしている。
「[アポーツ]て言う無属性の魔法です。
お父さん、そこにあるスプーンを持って貰えますか」
「これだな。持ったよ」
私は、イメージして、魔法を使った。
「アポーツ」
お父さんの手から、私の手に。
「へっ」また、ビックリしてる。
「無属性って、便利ですよね」
「このような、魔法は初めて見るのじゃ」
お祖父様も、ビックリしたみたい。
「セリカちゃん、凄い」
ステラお姉ちゃんは、喜んでいる。
「他には、何かあるのかのー」
「今分かっているのは、[シールド]と[サイキックス]、[クラフト]、[モデリング]だけです」
「やってみてくれるかのぉ」
「では、私の1m前に、高さ2m、幅0.9m、厚さ0.1mの透明な壁を作ります。
「シールド」触ってみてください」
お祖父様とお父さんが触り始めた。ステラお姉ちゃんは、反対側から触っている。
「面白いのぉ」
「解除」
「消えた」
私は、5本のフォークを持って
「サイキックスをやるので、少し離れてください」
手のひらに、5本のフォークをのせて、動作をイメージして
「サイキックス」
フォークが、浮かび上がり自在に動き回る。
最後に、手の上に、集めて
「解除」
フォークが、手のひらの上に落ちる
「以上です。えっ」
皆が口を半開きにして、呆然としてる。
「皆、どうしたのですか」
「いや、最後のは予想以上だった。制御もしっかりとしていた」お父さんが、言った。
「そうじゃ。本当に4歳か?」
「酷いですお祖父様、どこから見ても4歳の子供ですよ」皆が、笑った。
「そろそろ、夕食にしましょう。せっかくのマグロづくしですから」
「そうだな。食べようか」皆が席に着いた。そして、料理が運ばれました。
サツキさんより、料理の説明がありました。
そして、食べ始めました。
「ステーキは、さっぱりとしているが食べごたえがある。マグロの味がいい」お父さん
「フライは、タルタルソースと合うわ」お母さん
「外が、カリカリで、中はさっぱりとしていい」
カリーナお姉ちゃん
「・・・・・」コロナお姉ちゃん、無言でした。
「全部、美味しいのぉ。スープは不思議な味じゃ、とても骨からとは思えん」お祖父様
「ハンバーグ、お肉が柔らかい。美味しい。」
ステラお姉ちゃん
「生は初めてですが、こんなに美味しいのですね」
パレットさん
皆、喜んでくれて良かったよ。
今日は、疲れました。メイドさん達にも好評でした。
◆
夕食後、執務室では、ダイナ、ルシーダ、辺境伯の3人が話をしていた。
「義父上、夕食の後、来て頂き申し訳ありません。」
「いいのじゃ、どうしたのじゃ」
「お父様、セリカの魔法を見て、どう思いましたか?」
「そうじゃのぉ。あの歳にしては規格外じゃの。無属性もだが、制御が素晴らしい。普通はあそこ迄出来んぞ」
「そうですよね。私達はほとんど魔法を教えていないのです。セリカ1人で訓練してたのです」
「そうなのか。すごいのじゃ」
「それで、お父様、これから言う事はお父様の心の内だけにお願いします」
「わかったのじゃ。なんやら深刻な問題みたいだしのぉ」
「はい、実はセリカには前世の記憶があるそうです」
ルシーダは、セリカの前世の話を 辺境伯に伝えた。
・・・・・
全てを聞いた、辺境伯は、
「真には信じられんが、セリカの実力を考えれば、納得が行く。
特に魔導具やキッチン用品等に関しては多分、前世で、使っていた道具を便利だから、使いたいのであろう。ただ、それが皆のためになると思っているのだろう。
ポットにしても、毎度、メイドに頼むと何度もキッチンへの往復になる。ポットがあれば、数回で済む。メイドを呼ばずに自分で入れれば良い。そう考えればメイドの負担が減る。
セリカが言った通りなのじゃ。それにまだ4歳じゃ。のびのびさせておけばよいの。悪いことや危ない事は、怒り、あとは、身を守る事を教えた方が、良いじゃろう」
「そうね。お父様の言う通りですね」
「義父上、ありがとうございます
「いいのじゃ、可愛い孫のためじゃ。それにさっきの鉄道と空飛ぶ船の話が、面白かったのじゃ。
此処とわしの領都であれば、鉄道であれば1日もかからんじゃろう。出来たら嬉しいのぉ。早く作ってくれんかのぉ」
あとは、楽しい話をして解散となりました。




