海を見に行こう
只今、温度調整付きのポットの仕様書を作っております。朝食後から始めました。
(水の容量が、1.2リットル、温度の切り替えが、100度と85度の2種類、85度で保温、保温あり無しの切り替え、空焚き防止付き)
「機能的にはこんなものかな」
(持ち手の上側に、スタートスイッチを付ける。スタートスイッチを押すと、湯沸かしを始める。湯沸かしが終わるとスイッチが切れる。
湯沸かし中、保温中の動作をしている時は、ランプ等により分かるようにする。沸騰後の場合は、85度まで下がり、保温状態になったら分かる様にする。
水が入っていない時にスタートスイッチを押しても動作しない様にする)
「後は、水の補給とお手入れだね」
(水の補給、掃除等は、上部より行う。蓋は、固定の場合は、開閉できる様にする。開口部の大きさは、掃除用ブラシより大きい事、中の状態が、確認できること)
「こんなところかな。そうだリビングで使うから」
(今回はリビングで使う事を想定していますので、デザインは、落ち着いた感じでお願いします)
「できた。お父さんに見てもらおう」
部屋を出た。
◆
お父さんは、リビングで、お祖父様たちと話をしていた。
「お父さん、仕様書ができたので見て貰えてますか?」
「いいよ。見せてごらん」
お父さんに渡した。
「いいね。わかり易くなっているね。下に描いてあるデザインもいい。リビングに合いそうだ」
「どれ、わしにも見せておくれ」
お父さんからお祖父様に。
「ほう。わかり易くてよいのぉ。絵があるから想像しやすい」お祖父様に褒められた。
「お祖父様、私にも見せてください」
ステラお姉ちゃんがねだって来た。
「可愛いデザインだぁ。早く来ないかな」
「お父さん、これからリンダさんに渡して来ます。
昼食は外で食べて来ます。それとパレットさんを連れて行ってもいいですか?」
「パレット嬢に用事が無ければいいよ。
それと、サツキと護衛を1人連れて行きなさい」
「はい」
ステラお姉ちゃんから仕様書を受け取り、リビングを出てサツキさん、パレットさん、護衛に連絡して30分後に出発です。
◆
予定通り出発です。馬車になったので、護衛が2名となりました。
「私も一緒で、宜しかったのですか?」
「いいの。せっかく王都から来たならリフレッシュしないと。海も有るし」
「そうですね。まだ近くで海を見て無いです」
「じゃぁ。昼食が終わったら行こうか」
「はい」
リンダさんの工房に、付いたようです。
馬車から降りて。
コンコン 扉を叩いた。
「はい」
扉が、開いた。
「お嬢様、どうしました」
「仕様書を持って来ました。確認してください」
「お嬢様、早いなぁ。確認するので中に入ってください」
私達は中に入った。そして仕様書を渡す。
「んー。確認しました。これで大丈夫です。
後日、見積もりと納期の返答いたします」
「わかりました。じゃあリンダさん、宜しくお願いします」工房を出た。
◆
もうすぐお昼になりそうだ。
「護衛さん、女将さんの食堂に行って。交代で食事をしてね。お金はこっちで払うから」
「「ありがとうございます」」
食堂に着きました。
「女将さん、こんにちは」
「あらいらっしゃい。セリカお嬢様」
「3人と護衛さんが交代で。個室じゃなくてもいいです」
「こっちのテーブル2つで」
私は、いつもの刺身セット。パレットさんとサツキさんは、アジのフライセットを注文。
「お嬢様は、いつも刺身ですよね?なぜですか」
サツキさんが、聞いてきた。
「やっぱり、新鮮だから港町でしか食べれない。サツキさんこそ、タルタルソースのばかりだよね」
「見られてましたか。マヨ好きとしては外せません」
「マヨって、なんですか」
パレットさんが、聞いてきた。
「マヨネーズと言う調味料で、このポテトサラダにも、使っているんです」
私は答えた。
「私、ポテトサラダが好きなんですよ」
「女性陣は、ポテサラ好きな人多いよね。お母さんやステラお姉ちゃんも言ってたし。
タルタルソースもマヨに卵と玉ねぎ、ピクルスで、酸味を加えるだけなんです」
パレットさんは、タルタルソースだけを口にした。
「ん。本当ですね。でもこれだけだと味が濃いです」
「ソースだから。フライとかと一緒に食べる物だから」
今度は、アジフライと一緒に食べた。
「美味しいです。中がフワフワで、ソースとも合います。魚が美味しいと思ったのは初めてです」
そんな話をしながら、食事しました。
◆
食事の後は、近くの浜辺に来ました。ここは、遠浅で、波が静かです。波の音が心地よいです。
「ん~~、気持ちいい!波の音はいいね。落ち着くよ」
「海風が気持ちいいです」
パレットさんが、喜んでいます。
「もう少し海の中まで行ってみない?」
「海の中に入るのですか?」
「違うよ。海の上に道を作るから50メートルくらい」
「行ってみたいです」
パレットさんが、のってきた。
じゃあやりましょう。イメージを固めて
「クラフト」
幅1.5メートル、長さ50メートルの桟橋できた。
「行ってみよう」
3人で、桟橋を歩きました。
「お嬢様の魔法は凄いですね。橋を作っちゃうなんて」
「本当ですね。でも海の中が良く見えます。綺麗な魚も泳いでます。
王都にいたらこの様な経験出来ません。感動です。
此処に来て良かった」
私は何か面白い物が無いか探していた。
「あっ。綺麗なサンゴ。どうやって捕ろうかな。確か「アポーツ」」
来た。手の中に飛んできた。
他に無いか、また探し始めた。
あそこで跳ねているの、マグロっぽいよ。マグロの周りの海の水を使って
「ウォーターボール」
よし捕まえた。そのまま浜辺まで持って行って凍らそう。
「そろそろ、戻ろうよ」2人に声をかけた。
浜辺まで戻り、ウォーターボールを引き寄せ、魔法を解除して直ぐに。
「フリーズ」
マグロが一瞬で凍った。上手くいったようだ。
「お嬢様、どうしたのですかコレ」
「見えたから捕まえてみた」
「セリカさん凄い事するわね」
パレットさんが驚いている。
サツキさんが、護衛を呼んで来て運んでもらった。
桟橋は、魔法を解除したよ。だから元通り。
馬車に乗り、帰宅した。
キッチンの裏口から入る。
「ユーナさん、コレ捌いて」
護衛に運んでもらった。ありがとう。
「珍しい方から来るなぁ。なんだー」
「マグロ。いたから捕まえた」
「捕まえたって言ってもデカいだろう。
とりあえず捌くか。
お嬢、領主様のところに行った後にまた来てくれ。
シンディ手伝ってくれ」
私は、お父さんのところに行きました。
リビングにいました。
「只今、戻りました」
「お帰り。まず魔導具の報告を聞こう」
「リンダさんに仕様書を渡しました。
後日連絡がきます」
「後報告する事は」
「マグロを捕獲しました。ユーナさんに捌いてもらってます」
「へ。捕獲。どうやって?」
「海の水を使ってウォーターボールで捕まえて、そのまま浜辺まで運び、解除した後[フリーズ]させました。運搬は、護衛さんにやって貰いました」
「わかった。じゃぁ護衛の方にも分けた方がいいな。ルーナ、兵舎の料理人を呼んで来てくれ」
「はい」
ルーナさんは、出て行った。
お祖父様が来た。
「ダイナ。すごかったぞ。あんなデカい魚初めてじゃ。ステラが興奮しておった」
「じゃぁ私も見てくるかな。」
お父さんが、出て行った。
「セリカ、ありがとうな。面白いものを見させてもらったのじゃ。おぬしがいると面白いのぉ」
「喜んでいただき、ありがとうございます。コックに、呼ばれているので行きますね。」
「わかったのじゃ。美味しいのを楽しみにしてるのじゃ」私は、キッチンに行った。
◆
「ユーナさん来たよ」
「おお来たか。やっと捌き終わったよ。まだ取るとこあるか」
「頭の脳天の部分と頬の部分、あと骨についているお肉」
「頭はやるから骨の方は、シンディとやってくれ。あとメニューも」
「わかったよ。考えておきます」
スプーンを持って骨周りの肉を取りました。
ある程度取って、終了です。
「やっと、終わった」
「ユーナさん、シンディさん、ありがとう」
「まぁいいよ。楽しかったから。こんなデカいの初めてだったよ」
「私も楽しかったです」
「そう言ってもらえて良かったよ」
「それで骨をどうする。鳥みたいにするか」
「味付けが塩だけになるけどいいかな」
「後のメニューは、何にする」
「刺身にオリーブオイルと柑橘の果汁、ステーキ 塩胡椒のみ、フライ、竜田揚げ、すき身のハンバーグ」
「竜田揚げは、片栗粉だったよな。ハンバーグどうやる」
「すき身に塩胡椒して成形して片栗粉付けて焼く、トマトソースをかける。です。」
「じゃやるか。そうだ兵舎の料理人に1/4程渡したぞ」
「はい。お父さんから聞いてます」
「じゃあ始めよう」
ユーナさんの声で、スタートです。
ご覧いただきありがとうございます。




