四歳になりました。
私は四歳になりました。両親は私をとても可愛がってくれて、お姉ちゃんズも一緒に遊んでくれました。おかげで、この世界の事や言葉、領地の事を少しずつ理解していきました。
この国は、エンジプト王国と言い結構大きな国だそうです。お父さんの領地は国の南部に有り、国の中央に有る王都から馬車で三週間程かかります。
領地は、海あり山あり川ありで風光明媚なところです。海の魚がいっぱい食べれます。私はこの領地が大好きです。
私は、最近屋敷の図書室で魔法の本をよく読んでます。もちろん魔力量を増やす事や循環、制御の訓練も皆に隠れてやってます。実は半年程前にバッグをいじっていたら、マジックバッグを作ってしまいました。時間停止はないけど。一畳分の面積に高さ三mぐらいの容量です。まだ皆には内緒だけどね。
さて、今日は何をしようかと一人で、庭に出ました。(お姉ちゃんズは、町へ剣の訓練に行ってます)
少し歩いていると、ルーナが洗濯物を干していました。
「ルーナご苦労さま」
「セリカお嬢様、ありがとう御座います」
「いっぱいだね、手伝おうか?」
「いえいえ大丈夫ですよ」
「そお。これだと風の強い日は飛んでかないの?」
「風の強い日は飛んで行ってしまう事がありますが、穏やかな日はこれで大丈夫ですよ」
植えてある木から木へロープを渡している。そのロープに跨ぐ様に干しているだけ。バランスが悪いと落ちてしまいそうだ。何か改善策を考えた方がいいかな? 私はその場離れ部屋に戻った。
「ヨシやってみようかな。まず簡単な絵を描いて お父さんに相談しよう」
机から木の端材で作った三角定規、線引き、コンパス、分度器を出した。(チョット前に隠れて作ってしまった)
まずは紙に物干し竿と支柱の絵を書き出した。
物干し竿は、直径4cmで長さ3m。支柱はTの字形で、竿が2本隙間を開けて並べる様にする。
洗濯バサミは、普通のタイプとY字タイプの2種類で、普通の洗濯バサミが20個ついたハンガーの絵を書き出した。
お昼を食べてしばらくしてから執務室に向かった。
コンコンと、ドアを叩く。
「ハイ」
「お父さん、セリカです。相談があるのですがよろしいでしょうか」
「いいよ入っておいで」
「はい失礼します」ドアを開け中に入る。
「今日はどうしたんだい」
「はい。実は今日ルーナが洗濯物を干しているところを見たのですが、大変そうだったのでなにか改善出来ないものかと思って絵を描いて来ました。見ていただけますか?」
「いいよ見せてごらん」
「はいこれです」
それから お父さんは、私の絵を見ていろいろと質問してきました。私も質問に答えて行きました。
「ちょっと待って、メイド長を呼んでくる」
お父さんが、出ていった。
しばらくするとお父さんとメイド長のサラさんが来た。
「サラ、悪いけどこれを見てくれるか。セリカが、洗濯物を干すのに便利になるのではないかと考えた物だけど」
お父さんは、絵を見せながら説明していた。
「そうですね。あればとても便利になって嬉しいですね。風が吹いても飛ばされる心配がありませんから」
「そうか。では試験的にやってみるかね」
「そうですね。実際使って見ないとわかりませんから」
「わかった。下がっていいよ。ありがとう」
「はい失礼いたします」サラが退出した。
「ではセリカ」
「はい」
「まず一式作ってみよう。町の木工細工の職人さんに頼んでみよう。明日一緒に行ってみようか」
「はいよろしくお願いいたします」と言って執務室を出た。
「はー緊張した」と執務室を出て緊張が溶けた後、"グー"とお腹がなった。