ホーデン領と第三王女の暴走
セリカが学園に戻った頃浜辺ではリンダとユータ、数名の従業員が船を見ていた。
「何時もの貿易船よりもデカいな。ユータこれはモーターは1つで行けるか?」
「コンテナを積むのなら2つ欲しいですね」
「2つかぁ〜。前後バランスを考えないといけないな」
「コンテナはどの様に入れる予定ですか?」
「クレーンと言うのを使って落とし込む様にしたいとお嬢様が言っていたけどな。馬車から直接積み降ろしをしたいと言っていたよ。商会の方もその方が楽と言っていた」
「甲板に穴を開けると言う事ですね」
「そうなるな」
「モーターで試験してから甲板に穴あけですか?」
「いや、全部仕上げてから海に入れる。お嬢様を何度も呼ぶ訳には行かないから」
「1隻に2ヶ月位みておけば良いかもしれません」
「先にモーターを付けて舵をやってから甲板で最後に厨房だな」
「厨房ですか?」
「お嬢様からの要望で竈門を無くして魔導具にして欲しいと言っていたよ」
「あぁ〜火事の関係ですね」
「そう言う事だ。始めるか」
リンダ達魔導具師は船の改造を始めた。
◆
カゼットの甘味屋では、どのフルーツを輸入するのかを話し合っていた。
「アンリちゃんはどれが良いと思うの?」
「マンゴー、バナナ、キウイ、パイナップルをメインにして、後は初夏から初秋の期間限定とかの南国フェアで良いと思います」
「そうだね、作る商品も季節感を出さないとね」
カゼット、アンリ、店長の順で意見を言った。
「そうだね、余り数があっても大変だね。後で領事館に行って話しをして来るよ。船に冷蔵庫を積まないといけないよね。早くコンテナ船が出来ないかな」
カゼットが言って話し合いが終わった。
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話は学園の寺子屋存続後に。
セリカは料理部に顔を出したのだが新入部員の女子に囲まれていた。
「ホーデン先輩、王都で美味しい所は何処ですか?」
「東の門を出た外縁部を北に行った所の揚げ鶏と北の門を出た外縁部を東に行った牧場にある食堂かな」
「内縁部や他の外縁部には無いのですか?」
「無いのよ。王都で食べ歩きとかをしたのだけど塩胡椒が多すぎて素材の味がしないのよ。それに素材の品種の違いを見ないので全部同じ味付けしてるから美味しくないのよ」
「レシピはどれ位登録なさっているのですか?」
「余り覚えていないけど150以上あると思うよ」
「フソウ国ではどの様な物を作ったのですか?」
「最初に行った時はすき焼きの〆ご飯やすき焼き丼、イチゴ大福、枝豆、焼きうどんだったかな?」
「今回は何かやったのですか?」
「皇女様のお店の焼きうどんの改良位かな」
「そうなのですか、帰った時が楽しみです」
「セリカさんモテモテですね」
殿下が声をかけて来た。
「質問に答えてただけですよ」
「今日は何か作るのですか?」
「作りたい物が無いのです。牛乳のチーズ作りは必要な材料を仕入れていないので、まだ作れないのです。
それに暫く休日はやる事があるので」
「何をされるのですか?」
「掃除と修繕です」
その後は殿下を交えて話しをしたのですがやたら色々と聞いて来ます。段々ウザ絡みなって来ましたので話しを打ち切って寮に戻りました。
◆
寮に帰るとちょうどミウラちゃんと会いました。
「あれ? セリカちゃん今日は早いね」
「ちょっとね」
そう言って先程あった事を話しました。
「あっちゃーそっちに行ってしまったのかぁ」
「どう言う事?」
「皇女様の様にセリカちゃんの横に並びたいらしい」
「私はそんな事望んでないよ。皆と一緒に楽しんだり勉強したいだけだよ」
「そうなんだけど、なんと言うか王家の意地かな?
他国の皇女様よりも低く見られていると思っているのかもしれない」
「そう言う風に思っているなら突き放そうかな。ただの自己満足の世界じゃん。何かもうどうでも良いかも、明日から適当にあしらって終わらそうかな」
「セリカちゃんちょっと待って、後で殿下と話すから」
「ミウラちゃんがそう言うなら待つよ」
ミウラちゃんと別れて部屋に戻った。
◆
夕食後ミウラは第3王女の部屋に行きセリカとの話を伝えた。
「殿下のやっている事は逆効果です。セリカちゃんが困っています。今のままだとどうでもいい人になってしまいますよ。もしミラージュ殿下の様に横に立ちたいなら努力する方向が間違っています。ただミラージュ殿下に対抗しているなら今のうちにセリカちゃんから離れた方が良いです」
「どうして私は王女なのよ。他国の皇女よりも上のはずよ」
「セリカちゃんはこの国では貴族令嬢ですが、フソウ国の貴族です。この意味わかりますよね」
「くっ、そうね明日謝るわ」
「そうして下さい。ただ次は無いですよ。
今の殿下ではセリカちゃんの邪魔になるだけです」
そう言ってミウラは退出してセリカの部屋に行った。
◆
「セリカちゃんごめんね。明日殿下が謝りに来るから。一応次は無いよと釘は刺しといたけど」
「わかったわ、一旦手打ちにするけど、また同じ事が有ればやっちゃって良いわけね」
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翌日殿下が私に謝りに来て、手打ちとなった。
何か言おうとしたが「言い訳はいりません」と言って終わりました。
これで終わればいいけどな。
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