新学期と悩む第3王女
「おっはよー」と言いながら教室に入ると、殿下とローレルさんがいた。
「2人はAクラスに来たんだね。昨日言ってくれれば良いのに」
「驚かせようと思って黙っていました」
ローレルが答えた。
「十分驚いたよ。これからよろしくね」
殿下の方を向き話しかける。
「殿下、おはようございます。昨日から余り喋らない様ですが?」
「えぇちょっと考え事を」
「そうですか、余り悩むと肌と髪に悪いですよ」
「セリカさんは考えて分からなかった時や問題が出た時はどうするのですか?」
「状況によりますが、基本人に聞く、もしくは色々試す、他は問題点を個条書きで書き出して整理する事ですね。「人に聞くことは一時の恥、聞かぬは一生の恥」と言いますからね」
「何ですかそれは、でも言いたい事はわかります。
あのぉ放課後時間がありますか?」
「補講は明日からなので大丈夫ですよ」
放課後に殿下と話す事になった。
(SIDE 第3王女)
最近セリカさんの事で悩んでいます。
最初にセリカさんの事を知ったのは父親で有る上王陛下がよくセリカさんの事を言っていました。
「どうすればこちらに引き寄せる事ができるか?
王都の発展に必要だ。全ては王都からで無ければいかん」と言っていた。
この人は何を言っているのだろうと思っていて、下のお姉様に聞くと新しい料理のレシピや魔導具、便利な道具類等を作っていると聞いた。
「貴方が良く使っているシュシュやバレッタもそうね。辺境の地で色々と作っているのがお父様は気に入らないみたいなの」
その時は「ふ~ん」と思っていた。
段々と興味が出てきたのが2番目のお兄様が上王陛下に領地を与えられ、その後上妃殿下に叱られた時だった。
「有る王女は貴方よりも年下ですが外交をしています。国内に於いては領地を豊かにする為に色々とやっている子息がいます」
そう言っていたのでまた下のお姉様に聞いてみたら、別の大陸から来て辺境のホーデン領に座礁した船が有り、乗っていたのが皇女と呼ばれる人が乗っていて貿易をしてると言っていて、領地の事をしているのが私の1つ上の女の子と言っていた。
2人はどんな人達だろうと思って考えていた。
そして上姉様が学園に入学してからお父様に呼ばれ叱られていた。
私達家族も一緒にいた。
「お前は皇女と比べられている」と言われていた。
その皇女と言うのがフソウ国のミラージュ皇女殿下と言うのを後で聞いた。
話しだけを聞くと、何ですかその完璧さはと思ってしまいます。
それから上姉様が変わっていきました。
ミラージュ皇女殿下やホーデン家の姉妹、ルバス家の姉妹と花火魔法をきっかけに交流が出来た様です。
そこから新しい魔法を覚える為に訓練をしています。時々上姉様が皇女殿下やホーデン姉妹の話をしてくれます。その話しの中で皇女殿下とセリカさんの仲が良いのを聞いています。
ですが皇女殿下は上姉様と一緒の年齢で領内の事をやっているホーデン家の3女は1つ上なので接点が有りません。
でも色々と話してみたいと興味は出て来ます。
西の公爵家のミウラはホーデン領に行って戻って来ていないと聞きました。
ミウラやローレルとは小さい時からの付き合いで良くお茶会とかをしていました。
ミウラはいったい何をしているのでしょう。
私が学園に入学するとセリカさんも入学して来ました。あれっと思い噂を聞くと鉄道をやっていて1年遅れて入学したと聞きました。
そして放課後に魔法の訓練を教えていると聞いたので、これはチャンスだと思い、声をかけてその訓練に参加する事にしました。
初めて話しをした時は気さくな方だと思いました。
魔法の訓練では親切でとても丁寧に教えてくれます。自分がドンドンと上達していく事がわかります。
それからは話しをする様になり、物凄く知識が有る方だと感じました。
良く話しをする様になり仲良くなったのは料理部に入ってからです。
王都を発展させる為に料理長と一緒に頑張っていますが、まだまだ足りません。
そして学年末、セリカさんはフソウ国に行ってしまった。何故と思った。皇女殿下と仲が良いけど其処迄する必要があるの? と思った。
宰相が2人の仲の事を教えてくれた。羨ましいと思った。私はまだ其処迄の関係を築けていない。
即位したばかりの陛下はこれからだと言ったが、何か納得出来無い自分がいる。
気を取り直して春の休暇中は寺子屋の事をやってどうにか始める事が出来た。王都としても第1歩が踏めたと思う。
特産品の方は余り上手くいっていない。孤児院で甘味を始めたのでそちらは一旦考え直しになってしまった。
進級して新学期になりローレルと一緒にAクラスに上がれた。多分フソウ国の留学生が抜けた分だろうと思っている。
昼休みに春の休暇の事をミウラとローレルとで話しをした。最後の方でセリカさんの話しになったので、ミウラに皇女殿下と私達の違いを聞いた。
その話を聞いて愕然とした。確かに私達は後追いで、セリカさんに何かを与える事が出来無い、教わるばかりだ。ショックを受けてしまった。
どうしたらセリカさんと皇女殿下の様な仲になれるのだろう。
夏の休暇前にセリカさんが休暇明けから登校すると聞いた。
実際に聞いてみようかまだ迷っている。
取り敢えずは休暇中は寺子屋に集中しよう。セリカさんの顔をみてから決めよう。
ーーーーーーー
放課後になりセリカさんと話す事ができますね。
一応ミウラとローレルにも付き合ってもらいました。
「それで話とは何ですか?」
「セリカさんと皇女殿下との関係で私達とどう違うのか知りたいのです」
「知ってどうするのかわかりませんが良いでしょう。
私と皇女様は方向性は違いますが良く似ていると言われます。そしてお互いの夢を叶える為に切磋琢磨していて何方かがいないと言うのは考えられないです。
小さい頃は一番話が合ったのは皇女様でしたね。
行ってしまう時はとても悲しかったです。でも来た時は料理や魔導具で驚かせようと思っていました。
皇女様の様に綺麗にはなりたいけど、同じにはなりたいとは思っていません。立場が違いますから。
でもあのカリスマ性は凄いですよね、私は今だに噂の3女様ですから。
国と国民を愛し、海の仲間を大事にしてきた人です。あの様な覚悟を持った人は今だに他で会っていません。
そして私の世界を広げてくれる人でもあります。
先日もその様な事がありましたので負けていられません。
一言では言い表せないですけど、しいて言えば友人であり、姉であり、ライバルで共通の夢を持っていると言う事でしょね。
それに皆さんには同じ事を求めていませんよ。
皆さんが同じじゃ面白くないので、人は十人十色と言いますから。勿論必要な時は協調性が無いと困りますけど。まぁそう言う事ですね」
「あ~なんとなくわかる、セリカちゃんが何かやると皇女様は「負けていられませんね」って言うからね。
お互い負けず嫌いなのかも」
ミウラちゃんが入って来た。
「私はこの国の人間ですけど、性格的にはフソウ国に近いのかもしれません」
「まだ納得していない部分があるのですが取り敢えずわかりました。後は多分自分の中の問題だと思います」
殿下が言った。
「じゃぁ終わりですね。帰りましょう」
◆
第3王女は寮に戻った後に王宮に行き、陛下、第1王女、宰相と今日セリカと話した事を言った。
「第3王女はセリカ嬢に皇女と同じ様に見て欲しかったと言う事だな。位置的には同じだからな。
出会いも違えば付き合いの長さも違う、それを同じ様には行かないだろう。そう思わないか宰相」
陛下が言った。
「そうですね、ミウラもセリカ嬢とは仲が良いですけど彼処迄はいっていません。ミウラはその辺を割り切っていますから」
宰相も続けて言って来た。
「私もミラージュ皇女と話をしますが其処迄の関係では有りません。考え方が私達と違うのよね、魔法を習った時にそう思ったわ」
第1王女が話した。
「そんなに深く考えるな、今のまま関係を深めて行けば良い。焦る必要は無いぞ」
「はい」
陛下に言われ返事をした。
◆
殿下はどうしたのだろう。
まぁ私が考えてもしょうが無いよね。
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