おじいちゃんとの夕食
執務室からキッチンへと来ました。
「ユーナさん、チョットいいですか」
「今度はどうしたんだ」
「お祖父様が来ているのだけど、じゃが芋の料理と海の物の料理が食べたいとリクエストがあったの。
それで、どうしようか相談しに来た」
「お客様って、スバル辺境伯だったのか。
そう言えば、コロナお嬢が女の子と遊んでいたな」
「女の子?」
「次期辺境伯の次女だったかな。
奥様のお兄さんの子供で、セリカお嬢の従姉妹で、年はコロナお嬢と一緒だった様な気がする」
「そうなんだ」
「それでどうする」
「じゃが芋は、コロッケとポテトサラダ、ポタージュスープ」
「芋の方は大丈夫だ。海の方はどうする」
「何があるの?」
「今日来たのがエビとイカと言う物。
イカは初めて来たな。
私は扱った事が無いよ」
「エビとイカ。大きさは?」
「チョット待ってて、出してくる」
ユーナさんが、取りに行った。
「大きいのだったらフライにしようかな」
「お待たせ、これだよ」
「2つとも大きいね。これだったらフライにしようか」
「コロッケと同じようにするんだな」
「そうそう。タルタルソースはあるの?」
「マヨネーズはだいたいいつもあるよ。
サツキがやたらと使うから」
「サツキさんはマヨラーになったんだ」
「マヨラーってなんだ」
「マヨネーズが大好きで、何にでもマヨネーズをかける人の事」
「サツキはマヨラーか、面白いな」
「まず試食を作ろうか。イカからやろうかな。
まず頭と足に分けます。
この部分でくっついているので指を入れて剥がします。
そして頭を押さえ足をゆっくりと引っ張ります。
抜けたらここに薄い骨があるので取ります。
取れたら、一度水洗いしてから足の方は墨袋を上にして内臓の根元で切ります。
そして、目と足の付け根にある口を取り、取ったら足の長さを揃えて切ってから、塩をつけてゴシゴシと吸盤を取り水洗いします。
頭は先端から足のあった方へと皮を剥きます。
そしてもう一度水洗いをして綺麗にします。
ユーナさん、どうですか?」
「おー、どうにかできた」
「じゃぁ片方は開いて、もう一方は輪切りにしよう」
切ってイカの下ごしらえを終えた。
「エビは、殻を取り背中の細い背ワタを取り下側に切れ込みを入れて、真っ直ぐにします。
尻尾に切れ込みを入れます」
下ごしらえが終わりました。
「イカは、塩胡椒をかけて馴染ませます。
そして、小麦粉、卵、パン粉をつけます。
エビは、剥いた部分のみにつけます。
終わったら揚げます」
タルタルソースを作って置きます。
揚げ終わったようです。試食をしましょう。
「お嬢、イカは食感がいいな。
エビはプリップリで美味しいな」
「美味しいね。コロッケが普通ので、イカは、足を含めた3種、ポテトサラダ、じゃが芋のポタージュで行こうか」
「そうだな、後は葉野菜のサラダにしよう」
「じゃあ、それで決まり」
「お姉ちゃん手伝いに来たよ。
あれ、セリカお嬢様。もしかして新作ですか?」
「そうだよ」
「もしかして、試食は終わちゃいましたか」
「終わったけど、少し残ってるから食べて良いよ」
「ありがとうございます」
私達は夕食の準備を始めた。
その頃、お父さんと辺境伯は物干し場にいた。
「これが洗濯物を干す道具です。
風が吹いたときに飛ばされ難くするために挟む物を作りました。
小さめの物を干すのにこのハンガーを作りました。
メイド達からは評判がいいですね」
「セリカは良くこんな事を思いついたのぉ」
「本人はメイドの仕事を楽にしたいと言っておりましたが」
「よい心掛けじゃ。メイドも家族同然だからのぉ。
これは土産で買って行くかのぉ」
「それとですね。屋敷の裏に魔法の訓練場を作ったのですけど、一度見てもらえますか」
「あぁ」
裏へと歩き始めて訓練場をみた。
「これは、凄い立派じゃのー」
「これは、セリカ1人で作りました」
「えー。本当にか?」
「えぇ。土魔法使って作りました。
あそこにある小屋と横の休憩所もです。
的がある壁は私の最大火力でも倒れませんでした」
「そうなのか。わしもやっても良いか」
「えぇ。試して下さい。
25mと50mに記しがあるのでそこからで願いします」
「わかったのじゃ。ではファイヤーボール」
魔法が放出され的に当たる。
ドッカンーと大きな音がした。
「ほー。ほんとに倒れんのー」
「壁自体は薄いのですが、地面と一体化して尚且つ杭まで打ってあるそうです」
「そりゃ凄いのぉ。杭があればなかなか倒れんのぉ」
「義父上、ソロソロ夕食になるので戻りましょう」
「わかった。夕食が楽しみじゃ」
◆
夕食の準備はだいたい終わったので、あとはユーナさんに任せリビングに行った。
リビングに入ると、お姉ちゃんズと従姉妹の子がいた。
「セリカお帰り。夕食の準備は終わったの?」
コロナお姉ちゃんが言って来た。
「もしかして新作?」
カリーナお姉ちゃんが言って来た。
「はい、新作ですよ」
「「ヤッター」」2人は、大喜びである。
従姉妹さんは、何事かと口をポカンと開けている。
「ステラちゃん、セリカの料理は美味しいよ」
コロナお姉ちゃんが、従姉妹さんに言った。
「コロナ、まずは紹介しないと」
「セリカ、辺境伯のお孫さんで従姉妹のステラ・ルバスちゃんです」
「初めまして、3女のセリカ・ホーデンです。
よろしくお願いします」
「初めまして、ステラ・ルバスです。よろしくお願いします」お互いに挨拶をした。
「ではステラお姉ちゃんですね」
「お姉ちゃんだって。嬉しい私1番下だったからそう言って貰えて嬉しいわ」
いきなり抱きしめられた。
「ステラちゃん。さっき見た髪飾りは、セリカが作ってくれたの」と、カリーナお姉ちゃん
「そうなの、凄く可愛かった。帰りに買ってくの」
「喜んでいただけて嬉しいです」
しばらく話をして、夕食になった。
◆
夕食になり席に付きました。
サツキさんの説明が終わり、食べ始めました。
「セリカ、エビが美味しいプリップリで、タルタルソースとも合うわ」
コロナお姉ちゃんが、大興奮である。
「義父上、どうですか」
「とても美味いのじゃ。じゃが芋だけで、3種。
それも、スープにもなっておる。
気に入ったのじゃ。
海の物もとても美味しい。
孫が作ってくれたのも嬉しい。長生きはするもんじゃな」
「ステラちゃんはどぉ」お母さんが、聞いた。
「とても美味しいです。このポテトサラダが好きです」
ステラお姉ちゃんが、ニコニコしてる。
「セリカ、いろいろと見さして貰ったのじゃ。
洗濯物の道具とか、魔法の訓練場とか、おまえさんは、凄いのー。
わしの相談役になって欲しいくらいじゃ」
「いえ、私なんてまだまだです」
「まあ、相談役は冗談じゃが、これからも頑張ってのぉ」
「はい、ありがとうございます」
楽しい、夕食を過ごしました。
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