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辺境の転生三女 田舎暮らしを満喫したい  作者: トシボー


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北との話し合い ダイナ編

 北の辺境伯と男爵はホーデン領に着き、列車を降りて駅を出ると駅前は賑わっていた。

 此処迄活気がある所は見た事は無い。

 王都よりも活気がありそうだ。

「やっと着いたな。それにしても活気のある街だな」

 辺境伯が街の様子を見ながら言った。

「そうですね。羨ましいですね。

 セリカ嬢が4歳から始めて8年ですか?

 何をすればこうなりますかね? 魚とレシピだけではこうなりませんよね」

「そうだな、領主に聞かねば分からんからな」

 2人は一旦宿に入り、ダイナに面会の手紙を護衛に渡して持って行ってもらったら返事が直ぐ帰って来た。

「明日会えるそうだ」


       ー・ー・ー・ー・ー

「本日は良く来てくださいました」

 ダイナが挨拶をした。

「急に来て悪かった。色々と話し合いをしたくて来てしまった」

 辺境伯が返答した。

「それでどの様な事でいらしたのですか?」

 ダイナが今回の事を聞いた。

 北の海産物を冷凍庫の荷馬車で王都に運び、学園祭で売り午前中で完売させる程の人気だった。

 その販売の結果で王都で店を出そうと言う事になったので荷馬車用の冷凍庫を販売もしくはレンタル出来ないかを確認しに来た。

 ただそれだけでは無いが、他の事では。

○ スクリュー式の船。

○ 鉄道の事。

○ 王都で料理店を開く際のレシピの販売等

「現状では以上だな」

 辺境伯が説明した。

「冷凍庫に関してはどのくらいの出荷量と輸送の間隔によるので一概には言えませんが荷馬車のみなら最低8〜12台と言う所でしょうか。

 もし鉄道が出来ても貨車にこの冷凍庫を積める様にすれば無駄にはなりませんね」

「セリカ嬢もそう言っていたな。途中で降ろして内陸の領に販売出来ると言っていた。

 それで鉄道は何処から手をつけたら良いのか教えて欲しい」

 ダイナは西に関してしては塩の緊急輸送があったので出来るだけ最短距離で計画をして各領主と話し合いをしましたと伝え、北はどの様な感じにするかを聞いたが余り良い答えが帰ってこなかったので、男爵領から公爵領迄真直ぐ引き、そこから人口の多い伯爵領に寄るとかにすれば良いと思いますが、各領の人口や状況を確認してから路線図を変更した方が良いと言った。

 そして現在、セリカがいない状況での工事が出来るのか実験中の話をした。

「その東の工事が終われば空くと言うことか?」

「いえ、西の工事の前倒しです。整地と微調整が時間がかかるので整地用の魔導具を作りましたよ。

 後、計画はしっかりとしておいた方が良いですよ」

「西の工事は何時終わるのだ?」

「今回の東の実験次第なので何とも言えません。

 一応東3領分で2年半の工事を見ています。

 その後の西に関してはまだ未定と言う事で。

 後、丸投げされても出来ませんよ。工事のみは状況次第ですね」

「出来ればやって欲しいのだが無理か?」

「もし家がやるとすると完成迄15年先位になりますよ」

「そうなのか?」

「東、西を終わらせて資材の移動で半年以上かかりそうですね。計画を作るのに2年程かかるかな?

 全く知らない土地での計画ですから」

「西も知らなかっただろう」

「やる事は決まっていたので時間がある時に調べていたのですよ。それと辺境伯もサンニッチ公爵と同じ事をするのですね。

 申し訳ありませんが帰ってもらえますか。

 これ以上話しても時間が無駄になりそうです」

「此処迄来たのに追い返すのか」

「セリカがいなくて良かったですね。

 居れば二度と付き合いは無くなりますよ。

 陛下とサンニッチ公爵に貴方の首から上は飾りですかと言った位ですから。公爵にはもっと凄い事を言っていますよ」

「飾りとはなんだ」

「これを言ったら家との付き合いは無くなる覚悟が有れば言いますよ」

「言ってくれ」

「貴方の首から上の頭は乗っているだけですね。

 考える事もせず人に押し付けるだけ」

「確かにそうだな、セリカ嬢にはぶっ飛ばすと言われたよ。

 少し頭を冷やすから先に帰るので男爵後頼むわ」

 辺境伯は宿へと帰って行った。

「ダイナすまん、こんな事になるとは」

「辺境伯はまだ大丈夫だよ。

 まだどうでもいい人にはなっていないから。

 実はセリカから連絡があってある程度わかっているから」

「そうか、辺境伯もやる事が多くなってしまって困っているみたいだ」

「北の公爵家は手を出さないのか?」

「あの人はやる気が無いから」

「例えば北から西に繋げたらどうなる?」

「北の門を使わないと言う事だよな」

「そうなんだ。実は南は東に持っていかないと赤字になってしまうんだ。

 北は先ず領地の状況を調べて遊びでもいいから何本か路線図を引いてみろ。男爵、子爵領は領都でなくても良い、人が乗ることも少ないし貨物メインになる。

 鉄道は先ず此処迄やってくれ」

「わかった」

「小型船の外部取り付けスクリューは後で見積もりをお前の所に送るよ。

 後レシピだけど、どの程度迄公開したいんだ。

 例えば魚だとフライ、塩焼き、ソテー、ムニエルまでか?

 カニは解凍生、焼き、茹で、フライまでか?」

「その辺は息子を交えて煮詰めるよ」

「そうした方が良い」

 暫く話し合いをして宿に帰って行った。

 ついでに女将の食堂を紹介した。

「セリカにも話しておくか」

「辺境伯、戻りましたよ。

 それと少し話して来ました。

 美味しい食堂を紹介してもらいましたから行きましょう」

 女将の食堂に行った2人はメニューのあまりの多さにびっくりしている。

 おすすめを2品と食べてみたい物を各々注文した。


 注文が来て食べ始めると北との味の違いにびっくりしている。

「調味料が豊富なだけはある、とても美味しい」

「王都には少し入っているそうですので使っても良いのでは?」

「それは男爵の次男と話そう、今決める事でも無かろう。

 それでダイナはどうだった?」

「大丈夫ですよ、セリカ嬢からも連絡が来たみたいで、話の内容は聞いているそうです」

 食事をしながらダイナと話した事を伝えた。

 辺境伯の機嫌も落ち着いた様だ。

 食事をしながらダイナとの話し合いの内容を報告した。




ご覧いただきありがとうございます。

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