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辺境の転生三女 田舎暮らしを満喫したい  作者: トシボー


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北の幸を手に入れよう

 授業が終わり、久々の部活への出席です。

 部活棟に入ったらルーチェ先輩に会いまして、謝ってきましたが何で謝ってきたのか聞くとフィット講師に言われたからと言っており本人は反省もしていない様なので、そんな謝罪は要りませんと言っておきましたが、本人は魔法具工房の見学をさせて欲しいと言っていますがスパイは要らないと言ってその場を去りました。

「お久し振りで〜す」

 と言って料理部の部室に入ったら、殿下のエプロン姿が目に入り思わず「可愛い」と言ってしまった。

「何言ってるの?」

 と殿下は言っていた。

 皆さんには合宿の時はありがとうと言われました。

 そういえば男子部員は北の海産物が捕れると言っていたので色々と聞いてみる事にした。

「先輩、北の海ではどの様な海産物があるのですか?」

「北で捕れるのは魚だとサケやサーモン、タラ、ニシン、シシャモ、ホッケが多いかな? 貝だとホタテ、ホッキが多い。

 変わったところだとカニかな」

「もしかして毛の生えたのですか?」

「それとタラバかな」

「本当ですか、今すぐ取り寄せて下さい。

 食べたいです」

「凄い必死だね。生だから無理だよ」

「すみません、カニと聞いて取り乱しました。

 冷凍すれば持って来れるかな?

 先輩のところでは冷凍して王都に出荷してないのですか?」

「していないよ。出来れば嬉しいね」

「大衆魚が高級魚に変わりますね。

 そうすると冷凍庫の荷馬車サイズが必要かな?

 ちょっと考えよう」

「顔つきが変わったね」

「そんな事は無いです。

 上手くいけば学園祭に出品出来るかも。

 ちょっとやってみようかな。

 先輩も協力して下さいね」

「えっ何をするの?」

「荷馬車サイズの冷凍庫を作るので魚とカニの確保をお願いします」

「わかったよ。上手くいけば面白そうだ」

 寮の夕食の後にお父さんに荷馬車サイズの冷凍庫の1台発注した。

 セリカからメールが来ていたので読んでみると荷馬車サイズの冷凍庫だった。

 北の海の海産物が食べたいのでと書いてあり、上手くいけば学園祭で使うかもと書いてあった。

 そういえばあいつの息子が2学年上にいたな。

 セリカまだ早いぞ。お父さんは許しません。

 取り敢えずリンダに発注しておこう。


       ー・ー・ー・ー・ー

 半月後、寮に冷凍庫を載せた荷馬車が届いた。

 直ぐに先輩を呼び出して海産物の確保をお願いした。

「えっ僕が集めるの?」

「違いますよ、実家に連絡して魚とカニの確保をお願いします。

 大きい魚は半身に加工して下さい。

 イクラと筋子は今回は諦めます。

 これから運送会社にいきますよ」

「えっ、えっ、えっ」

 運送会社に着き話をするとOKと言う事で冷凍庫の馬車を貸すことになりました。

 北に行く時にこちらからの荷物を積むことで料金は半額で済みました。

 上手くいけばレンタル料金を貰えるかも

 6週間後には届くので楽しみです。


      ー・ー・ー・ー・ー

  (SIDE 先輩の実家の男爵様)

 息子から早馬で手紙が来たので読んでみると冷凍庫を積んだ荷馬車が行くから魚とカニの確保をお願いすると書いてあった。

 ホーデン領で荷馬車サイズの冷凍庫を作ったので北の海産物が食べたいと後輩に言われたそうだ。

 そういえばダイナの3女は息子の1つ下だったよな。

 同じ部活なのか? 通常なら接点はないからな。

 まぁそれはいいとして、手紙の続きを読むと大きいサイズの魚は2枚におろして冷凍で、ホッケは開いてから冷凍と書いてあった。

 今回は実験を兼ねていて学園祭で使えれば王都で高級魚として売れるかもしれないと書いてあった。

 ホーデン家と組んで面白そうな事を始めたもんだ。

 一応辺境伯にも報告しておこう。

 あの人はこういうのが好きだからな。

 息子には確保しとくと返事をしておこう。


       ー・ー・ー・ー・ー

 料理部に行くと先輩に声をかけられた。

「ホーデンさん、父親から返事が来て確保して送ってくれるそうだ」

「本当ですか〜、これでカニ食べ放題だ」

「何言っているの? そんな訳ないよ。

 それでメニューとか決めてるの?」

「まだこれからです」

「出来れば北で出来る様にして欲しい。

 ホーデンさんはフソウ国の調味料を好んで使うと聞いたから」

「わかりました。その様にしましょう」

「助かるよ」

「セリカさんどうしたのですか?」

 殿下が話に入ってきた。

「先輩に頼んで北の海産物を送ってもらう手配をしたのでこれからメニューを考えるとこです」

「北と南では捕れる魚は違うの?」

「はい、冷たいところを好む魚もいますから」

「楽しみになってきた。

 それで王都でも販売はするの?」

「今回は実験ですので学園祭で売ってから考えます。

 荷馬車用の冷凍庫は1台だけですから」

「じゃぁ料理部で学園祭の露店をやれば面白いかも。

 部長呼んで来る」

 殿下が部長を呼びに行った。


「なになにどうしたの?」

 部長が聞いてきた。

「セリカさんが北の海産物を頼んだのでその魚とかで学園祭で露店を出したらどうかなと言う話です」

「面白そうな企画ね。

 今までは露店とか屋台とかやった事がないから」

 部長が言ってきた。

「今まで学園祭には出店して無いのですね?」

 私は部長に聞いた。

「そうね、出店して無いの」

「全員で相談しましょう」

 殿下がやる気になっている。


 部長が部員全員を集めて学園祭に出店するかを聞いたら私以外全員やってみたいと言っていた。

「ホーデンさんは反対なの?」

 部長に聞かれたので。

「先日の餃子の件がありますよね。

 それをどう回避すれば良いのか考えていました。

 例えば学園祭前に全員で1品作ってからやればどうかなと思ったのです。

 ただメニューが多いと時間がかかるなと思っています」

 「そうねその件があったわね。

 でもその案は良いかもしれないわね。

 あの時はホーデンさんの作っていた物を見たいと言う所からなので1度見て確認すれば大丈夫だと思うわ。皆はどうかな?」

「多分大丈夫です」

「それと全員が同じ作業と言うわけでは無いのでその辺りも考えた方がいいかなと思っています」

「役割分担はちゃんとやりましょう。

 先ずは出す料理を見てそれから決めましょう」

「わかりました。メニューを作ってレシピを書きますね」

「それでお願いします」

 取り敢えず方向性が決まって良かった。

 

ご覧いただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
kozouさんありがとうございます。そのことをすっかり忘れてました。
>どちらかが勘違いしているか、早生まれ的なアレでしょうか 148話「12歳になったよ」に 「本当は今年から学園に通うのですが、鉄道事業をやっていたため1年遅れて入学させようと両親が決めました」 とい…
北のお魚が王都で食べられると、王都が活性化して良いのでは無いでしょうか。
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