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辺境の転生三女 田舎暮らしを満喫したい  作者: トシボー


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魔導具研究会の工場見学

 本日は鉄道の工場見学ですが料理部は食べ歩きに行きました。

 工場見学と聞くとワクワクしますね。

 工場に着くと私からの挨拶から始まりました。

「本日はようこそ、工場見学ですが作業中な所もありますので、こちらの指示に従って下さい。

 怪我なく終わりましょう。

 案内は社員のレイが行います」

 レイさんが見学順を考えて順番に見ても行きます。

 最初にH300の旅客用車輌からです。

 レイさんが説明をして質問が有ればその場で受付ます。

 質問が多いのはルーチェ先輩でその他の先輩も色々としていて、ジェミニさんとケターダさんは先輩方においていかれています。

 私も簡単な質問には答えています。

 ルーチェ先輩は制御系迄聞いてきますので大変です。

 企業秘密の部分迄聞こうとしてきますので上手く躱しながら説明してますがあまりにもしつこいので注意させていただきました。

「会長これ以上は止めていただけますか? 企業秘密になりますのでお答えする事は出来ません。

 これ以上踏み込むなら工場見学は中止となり魔導具工房への見学も中止とさせていただきます」

「私は知りたい事を聞いただけよ?

 それの何がいけないのよ!!」

「企業秘密だと言った筈です。

 言っている意味はわかりますか?

 これ以上秘密を探るなら産業スパイとして拘束をして実家には損害賠償請求をさせていただきます。

 部活も退部しますので後で退部届けを出します。

 列車の見学は此処で終了となります」

「ちょっと待ってまだ聞きたい事はあるの」

 ルーチェ先輩はまだ質問が出来ると思っていますが、どうしてこうなったのかわかっていない様だ。

「終了です。学園魔導具研究会は出入り禁止とさせていただきます。

 それとフィット講師、こちらが注意してるのにどうして止めないのですか?」

「生徒が自発的に疑問点を聞くのは良い事だと思いますが?」

「ある一線を越えなければ良いですけど、今回は見逃せないところ迄来ました。

 貴方もルーチェ先輩とグルになってのスパイでしょうか?」

「どうしてそうなるのですか?

 生徒の自主的な質問はいけないのでしょうか?」

「企業秘密と言いました。他には言えない我が社の独自技術を暴こうとしています。

 そしてそれを顧問として止めないので産業スパイとして認定しましょうか?」

「申し訳ありません。見学は此処で終了して合宿も終了します」

「賢明ですね」

「どうしてこうなるの?

 魔導具工房も行けないの?」

 ルーチェ先輩が入って来た。

「えぇそうです。人の話し全く聞かない貴方が全てを壊しました」

「そんなぁ〜どうにかならないの? ホーデンさん」

「なりません。自業自得です。

 これ以上騒ぐならホーデン領への出入りも禁止しますよ」

「冗談よね?」

「割と本気ですよ。私は人の話を聞いて理解出来無い人とは付き合わない様にしています。

 それに産業スパイを領に入れるつもりもありません」

 その後は見学は中止となり帰っていただき、明日の列車で王都に帰る事になりました。

 ジェミニさんとケターダさんはホーデン領に残ります。


       ー・ー・ー・ー・ー

 魔導具工房の見学は私とジェミニさん、ケターダさんの3人になりましたけどリンダさんのところに行きましょう。

 歩きながら話をしています。

「セリカさん魔導具研究会は辞めるの?」

「そうなりますね。残念ですけど」

「男爵様は御自分では作らないのすか?」

「作りたいけどリンダさんがいるから特には気にしてないです」

「そうなのですね。それでリンダさんはどんな人ですか?」

「魔導具オタクかな。ポットを作っていて気分転換にドライヤーの開発をする人で面白そうな物は直ぐに作りたがる」

 リンダさんの話をしながら魔導具街に行きました。

「リンダさんこんにちは」

「お嬢様いらっしゃい。あれ? 少ないですね」

「鉄道の見学会でバカやったから中止」

 リンダさんに見学会の事を言った。

「でもその子は馬鹿な事をしましたね。

 お嬢様を怒らせるなんて、どうでもいい人認定ですね」

「それを誰から聞いたのかな?」

「えっ、カリーナお嬢様ですよ」

「お姉ちゃんですか、まぁ良いです。

 なので見学は2人でお願い」

「良いですよ。フィットが来ないのでほっとしてます」

「仲は良くないの?」

「どちらかと言えばそうですね」

「向こうはそう思っていないみたいだけど」

「そうですか、相変わらずですね。

 それで今日は何を見たいのですか?」

「出来れば男爵様の考えた工事用の魔導具を見せていただきたいのですが?」

 ケターダさんが希望を言って来たので先日の置き場に行き、実際に動いているところを見てもらった。

「人がやる何倍の早さでやってしまうなんて凄いですね」

 ケターダさんが関心していた。

「魔力量が少ない人でも使える様にしていますので訓練すれば簡単に動かせますが、危険が伴いますので初期の導入の時には必ず教育とルールが必要となります」

「教育とルールと言うのはどの様な事ですか?」

 私は、バックホーを例えにして説明した。

○ 旋回範囲に入らない。

○ 周囲の確認。

○ 動作の過信をして無理な事をさせない。

○ 第3者を巻き込まない。

○ 計画以外に使わない。

○ 変更時は打ち合わせをして全員に周知させる。

 等を話した。

「以前講師が言った法律等ですね」

「そうです、でもこれだけでも足りないと思っていますので、やりながら改善ですね。

 ジェミニさんは何かありますか?」

「車輪の部分が変わっているのですがあれはどうしてですか?」

「あれは泥濘んだところでも走れる様にしています。

 馬車の様な車輪では嵌ってしまいますから」

「確かにそうですね」

 工事用を見た後はポットの製造を見たりして2人の質問に答えたりしていました。

 工房の打ち合わせ用の部屋に行き、今日の感想等を聞きました。

「リンダさんはセリカさんの商品をどう思っているのかしら?」

 ジェミニさんが聞いて来た。

「とにかく面白い物を考えてきますね。

 最初の時に作らせて下さいと直ぐに言いましたね。

 それで実際に作業に入ったのですが仕様書がとても解り易いですね。

 それと相談しながら2人で考えた事もあり、出来る出来無い等、こちらの意見も尊重してもらっています」

 リンダさんはポットの仕様書を持って来て。

「こちらを見ていただくと、お嬢様の仕様書は図解入りになっていてイメージしやすくなっていますのでリテイクが殆どありません。

 此処迄やれとは言いませんが魔導具師にとってはとてもやり易いですね。

 お嬢様に魔法を使ってもらった事もあります」

 2人は話を聞きながら仕様書を見て実際にどの様に書くのか見ている。

 暫く話しをして終わった。

「終わったので昼食に行きましょうか。

 リンダさんもどうですか?」

「行きます行きます」

 工房を出てシンディさんの店に行く事にした。

 リンダさんは常連になっていると言っていた。

「シンディさんお久で〜す」

「お嬢様いらっしゃい、お久し振りです」

 店の中に入り席に座る。

「私はお任せと肉蕎麦のセットで」

 3人も食べたい物を注文した。

「シンディさん、最近お店が流行っていると聞いたけど?」

「おかげさまで皆さんに良くしてもらっています」

「それは良かったよ」

「お嬢様のおかげで楽しく作っています」


 注文したのが全部来たので食べ始めた。

「男爵様、此処はフソウ国の食材を使っているのですか?」

「そう、シンディさんは家の元コックなんだよね。

 一緒にフソウ国にも行っているの」

「凄く美味しいです。ホーデン領ではフソウ国の食材が根付いているのですね」

「そうね、レシピ登録もいっぱいしたから。

 それにシンディさんの頭にはフソウ国の調味料は全て記憶されてるから」

「そんな事はありません。レシピとか見ないと全部は出来ません」

 シンディさんからのツッコミがあった。

「でも時々ユーナさんと試作してるって聞いてるよ」

「たまにやってますよ。2人でお嬢様を驚かせ様としてます」

「それは楽しみだ」

 シンディさんのところで食べた後はリンダさんと別れて海を見に行き今日の日程は終わりました。

 王都行きの列車の中では。

「フィットちゃん何がいけなかったの?

 一晩考えたけどわからない」

 ルーチェは頭を抱えていた。

「やりすぎたって事ね。企業秘密に関しては特にね」

「知りたい事を聞いただけなのに、どうして〜?」

「企業秘密はその会社の財産だからね。

 秘密保持の契約をしないと普通は教えてくれないわ。

 私もそこまで考えていなかったわ

 ホーデンさんには一度謝った方が良いわね」

「何故謝るの? わからない」

 ルーチェは考えられなかった。

 


 



 



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― 新着の感想 ―
「知りたい事を聞いただけ」ですか なら「教えたくない事を教えない」のも認めましょうね それが「アナタの理屈」なんですからw
ルーチェさんは具体的に金貨何千、何万という数字を出さないと理解できないかな フィットさんも日和って見学と合宿中止にしたけど人格的に怪しそうだね
うーんどっかの奴隷になった馬鹿みたいな思考回路なのかな…
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