味見の会と王家Ⅱ
今日は学園の休日です。
先日約束したので食材の入ったマジックバッグを持って部活棟の{料理研究部}に行きます。
参加者は研究部の5人に私、ジェミニさん、ミウラちゃん、寺子屋メンバー、フソウ国の4人、コロナお姉ちゃん、ステラお姉ちゃんです。
ミウラちゃんと寺子屋メンバーの参加は寮で今回の事を話したら参加したいと言って来ました。
フソウ国の4人はそろそろお米が食べたいよね。
そう思って誘ってみたら即参加が決定しました。
コロナお姉ちゃんとステラお姉ちゃんは今日の事がバレたら、コロナお姉ちゃんのウザ絡みが発生しそうなので先に誘っておきました。
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料理研究部に着いてからは、先日の話で出た調味料に加えて香辛料やフソウ国で買った中華調味料、胡麻油、薄口とたまり醤油、赤と麦のミソも出しておきましょう。
部員の方が味見をして話しをいる間に米を研ぎ、炊飯器にセットをしてからスパゲッティの麺の準備をします。
麺生地を練ってから休ませている間に野菜やベーコン等を切っておきます。昆布出汁も作っておく。
(料理研究部に食材を提供してもらった)
メニューは白いごはん、ナポリタン、ミソ汁、サラダで簡単醤油のドレッシングです。マグロの赤身の刺身も出しておきましょう。
途中から部長ともう1人が手伝ってくれています。
料理をしていると、いきなりドアが開いた。
「セリカ、来たよ〜」
「セリカちゃん、私も来たよ〜」
コロナお姉ちゃんとステラお姉ちゃんが来た。
「お姉ちゃん達久し振り〜、もうちょっと待っていてね」
「わかった」
「先に言っておくけどおかわりは無いよ」
「え〜」
コロナお姉ちゃんが不服そうだ。
「材料が無いの。文句を言うならお姉ちゃんのは無しで!!」
「それはやめてー、我慢するから」
「はいはい」
出来上がったので調味料を片付けてから配膳していきます。
「ホーデンさんこの赤いのは何?」
「マグロと言う魚の切り身です。醤油をつけて食べると美味しいですよ」
全員分を配り終えて、イザ実食です。
先ずはミソ汁を1口飲んでから白いごはんを食べましょう。
そしてお刺身を食べます。
「ん~~久し振り、美味しい」
皆にも美味しいと言われた。
フソウ国の4人も久し振りのごはんで喜んでいた。
コロナお姉ちゃんは何時もの如く無言で、早い。
部員の皆さんは色々と意見を言っている。
食べ終わったコロナお姉ちゃんが。
「やっぱセリカのごはんは美味しい。
今日の夕食を食べたら物足りなく感じるかも」
「そうそう絶対そうなるよ」
ステラお姉ちゃんが言った。
「前に食べたナポリタンと違う。今日の方が美味しい。何で?」
ミウラちゃんが言った。
「部長、夏にホーデン領に合宿して食べ歩きしましょう」
「いいね〜そうしようか」
「やったー」
片づけをして終了となった。
部長にはお礼を言われた。
今回の味見はとても貴重な体験だったらしい。
これから色々と作りたいと言っていたのでクオンさんの店を教え、一応紹介状も書いて渡しておいた。
「師匠〜、また作って下さい。美味しかったです」
「気が向いたらね」
「セリカ毎日私の居る寮で作って!!」
「嫌ですよ。毎日ポッコリお腹の写真を送るよ」
「それはやめて、本当に」
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途中でお姉ちゃん達、先輩達と別れた。
フソウ国の4人にはお礼を言われた。
ずっとパンだったのでお米が食べたくてしょうがなかったと言っていた。
それは同意する。
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寮に戻りお茶を飲みながらジェミニさんと話しをします。
「セリカさんは色々出来るのですね」
「そんな事は無いよ。やれる事をやっているだけ」
「それで部活はどうするのですか?」
「魔導具と料理のかけ持ちにしようかな」
「私はまだ迷っているから考えを纏め中」
「入部期間はまだ1週間あるしね」
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何時ものメンバーで夕食を食べているとお姉ちゃんが言った事が良くわかった。物足りない。
「味が足りない」ボソッと言ってしまった。
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王宮の陛下執務室では国王が第3王女を呼び出していた。
「第3王女はホーデンの3女との面識はあるのか?」
「クラスが違うのでありません」
「そうか、近づいて仲良くする事はできないか?」
「何の為にですか?」
「こちら側に引き入れて王家と王都を繁栄させるためだ」
「それは陛下の仕事であり、王家の仕事である筈です。何故他家の人に押し付けるのですか?
先日の会議でお兄様とお姉様が1つの案を出して進めております。
陛下には王都をどの様な方向性にもって行くのかと言われています。
先にそちらを考えた方が良いのでは?
そんな人任せてでは駄目だと思いますよ。
自分達の領地です。自分達でやらないといけないと思います。このままでは実権は上のお兄様で陛下は椅子に座っているだけの飾りになりますよ。
私も今は何が出来るか模索中です。
下のお兄様も何か始め様としています。
陛下も他の人に押し付けるのではなく、御自分でお考えになった方が良いと思います」
「椅子に座っているだけの飾り・・・・・」
「一つだけ言っておきます。ホーデン家3女にどうでもいい人判定された人は幽閉されるそうです。
親族である、前ルバス辺境伯は現在幽閉されています。そうならないと良いですね」
「・・・・・・幽閉」
「それでは失礼します」
第3王女が退出した後国王は第3王女に言われると思っていなかったので呆然とした。
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先にお兄様方とお姉様方と話しをしといて良かった。報告しとかないと。
ご覧いただきありがとうございます。




