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辺境の転生三女 田舎暮らしを満喫したい  作者: トシボー


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王都での鉄道会議

 国王は宰相との話の後でこれからの鉄道の広げ方を考えていた。

 ホーデン家を使わずに工事運営をする方法、サンニッチの様な事が無い様にする事、王家主導にしない事、赤字路線を作らない事を含めて考えて1ヶ月後に東西南北の公爵家、辺境伯家、ホーデン家を王城に集まる様に書状を出した。


       ー・ー・ー・ー・ー

 王城の会議室に東西南北の公爵家、辺境伯家、オブザーバーとしてホーデン家が集まった。

 南の公爵であるサンニッチは欠席だった。

 王城からは国王陛下、宰相が出席。


 国王からの言葉から始まった。

「国の南部方面から西部方面に鉄道が出来たが、これから国が発展する為には必要だと思っている。

 先ずは皆からの意見を聞こうと思い集まってもらった」

 各公爵家からはホーデン家が工事運営を行うのか聞いたりしている。

 国王がホーデン家抜きでやって欲しい、サンニッチが試験運転迄やっているので出来ない事は無いと伝えた。

 サンニッチの計画が中止になった事を聞かれ宰相が中止になった経緯を説明した。

 ホーデン家が出来ない理由はダイナが説明した。

「そう言う事だから各地域で工事運営を行って欲しい。

 先ずは人の往来や物流の多い所から進めたいと思っている。

 ただ全ての領都を通す事は辞めてくれ。

 それをやると馬車の方が早い所が出てくる。

 最短距離で計画をしろと言うわけではないが、例えば辺境伯領領都から公爵領領迄、最大8日程度を目安にして欲しい。

 簡単な計算としては馬車1日の移動距離を160キロで鉄道は1時間で80キロとする。

 ホーデン領−西の公爵領領都が最大6日半になっている。

 例えば辺境伯領都から次に人口が多い領都を通って公爵領領都でも良いし、北部方面なら海産物を載せてから公爵領領都でも良い、その辺は各方面の事情が有るからな。

 先ずは簡単な計画、路線図を作ってみてくれ」

「はっ」

 全員が返答した。


 国王の話の後は質疑応答になった。

「南と西で鉄道によって変わった事はあるか?」

 北部の辺境伯が聞いて来た。

 ダイナが質問に答えた。

○ 王都迄の時間短縮

○ 物流が変わり経費の削減が出来た。

  何台もの荷馬車を長距離で運んでいた物を貨車に

  切り替えた事で人件費、宿泊費が減った。

○ 街道を行く馬車が減った事もあり宿屋が減った。

○ 地方からの終着駅の公爵領領都でも列車の時刻に

  よっては宿泊せずに王都迄行ってしまう。

○ 特産品を別の領で売る事が出来る様になった。

○ 計画時に領都を通らないので抜けた領もあるが

  後悔していると聞いている。

○ 駅をわざと領都から離した所もある。

「以上です」

「何故領都から離したのか、わかるのなら教えて欲しい」

 東の辺境伯が質問してきた。

「現状では旅客より貨物が多いのがあるのですが、将来的にその方が都合が良いと言っていました。

 離した距離は1日分です。

 駅の近くに宿が数軒有るので旅客には対応して、列車を使う人も少しずつですが増えています。

 駅の周りは村も出来ています。

 これ以上は私ではわかりません」

 ダイナが返答した。

 「参考になった」

 他にもダイナに質問が続いた。

「一度持ち帰って考えてみてくれ。

 直ぐやると言う事でもない。

 宜しく頼む」


 ダイナが帰り支度をしていると、北の辺境伯が声をかけた。

「ちょっといいか、聞きたい事がある」

「何でしょうか?」

「南からは海産物を王都に送っているのか?」

「冷蔵庫と冷凍庫を貨車に積んでやっています。

 ただそこまでの漁獲量が無いので多くは出していません」

「例えば貨車自体を冷凍庫にする事は出来るのか?」

「可、不可で言ったら可でしょうね。

 後は断熱とかの問題をクリアすればいいので」

「魚を冷凍した場合どのくらい持つのか?」

「実際そこまで気にしてませんが1ヶ月位はいけると思っています。

 ただ解凍の仕方によっては水っぽくなったりもします。

 末娘が言っていましたが1本まるまる冷凍するよりも半身や切り身、フライの揚げる前の状態で冷凍すれば小売りでは売りやすいかもと言っていました。

 一度やってみようかなと考えていました」

「そうか、そう言うやり方も有るのか。

 参考になった。ありがとう」

 北の辺境伯は去って行った。

 第1回目の会議は終わった。

 ルバス邸で義兄上と話しをしていると義兄上が変な事を言い出した。

「今日の陛下はまともだったけど、何かあったのかな?」

「宰相閣下がセリカが言った陛下の新年の挨拶の感想を陛下に言った様だ。

 セリカにとって陛下はもうどうでもいい人になっている」

「陛下は父上と同じかぁ〜」

「サンニッチ公爵はそれ以下の扱いだよ」

「まぁあの人はそうなってもおかしくはないな」

「それよりもこのまま滞在か?」

「そうさせて貰えばありがたい。

 戻っても直ぐにこっちに来ないとならないから」

「俺も入学式が終わる迄居ようかな。

 その方が息子の勉強にもなるから」

「家もカリーナが後継ぎの勉強を始めたよ」

「セリカが継ぐと思ってたよ」

「セリカはどちらかと言えば参謀とか補助的の方が良さそうだ。今の私とセリカの立ち位置が領の発展に一番良いのでセリカは自由にさせとくよ」

 一方ホーデン家では夕食の時間だった。

「セリカ、入学の準備はできてるの?」

「バッチリだよ、お米に刺身用は柵で買ってる、調味料と炊飯器もちゃんと用意して時間停止のマジックバッグに入れたよ」

「はぁ違うわよ。寮で生活する用意よ」

 ルシーダはセリカの行動に呆れていた。

「そっちは殆どの物を入れて有るから大丈夫。

 自室はほぼ空です。後は布団位ですね」

「どんだけ持ってくのよ!!」

   

 

ご覧いただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
馬車すごいですね。1日160kmだと10台くらい乗り継ぎでしょうか。ポーションとかですかね
調味料と炊飯器もちゃんと用意してって、自炊する気満々。寮の食堂のテコ入れもして上げてほしい。
国王も、セリカちゃんや宰相の念押しで。サンニッチが今現在どんなことに成ったかの報告を見て、やばいとは思ってはいるでしょう。
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