王都での年末と新年
スバル夫妻と一緒に特別編成の寝台列車と公爵領都から馬車に乗り王都に入りました。
今回は王都のスバル邸にお世話になります。
スバル邸にはステラお姉ちゃんとコロナお姉ちゃんがいましたので、学園の話しを色々と聞きました。
お母さんと一緒に学園の見学にも行きましたが、色々な設備があり楽しめそうだと思ってしまった。
寮も綺麗で2人部屋なので誰と一緒になるかわかりません。
でもそれも面白いかもしれません。
新年迄時間が有り暇だったのでお父さんと宰相閣下に相談して第1王女殿下と一緒に花火を上げようと企画しました。今回はゲリラ的に行います。
国王陛下には内緒です。
花火を上げる場所は内縁部の南の門です。
スバル邸から近いのでそこになりました。
花火を上げる3時間前にスバル邸に第1王女殿下をお呼びして、鉄道の売店で買ったお菓子を食べながら打ち合わせをしました。
王女殿下は100発迄は発動出来ると言っていましたが、今回は2人で160発にしました。先に私が80発上げてから王女殿下が80発ですが、王女殿下の気分で20発増やしても良いですよと言っておいた。
実際に上げている所を見てもらい、よりイメージしやすくする為です。
西の公爵の領都でもミウラちゃんがやると言ってました。
ホーデン領は寺子屋の子が3人でやるとパレットさんが言っていた。
そしてスペシャルなゲストがきましたが。
ミラージュ皇女殿下です。
「噂を聞きつけて来ちゃいました」
と言っていた。
30分前位に門の上で広範囲に[クリーン]をかけてから3人で仰向けで寝転びます。
3人で話をしていると、もうすぐ時間の様なので両手を空に向けて上げ、鐘がなるまで待機します。
教会の鐘がなり始めました。
イメージを固めて発動します。
「花火魔法80発、シュート」
私の両手から先ずは1発上げます。
ヒューと上がりドーンと音と共に光魔法が開きます。そして連続して上げていきます。内容的にはお祭と変わらないけどね。
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・
とりあえず80発上げました。
次は王女殿下です。
王女殿下は両手を上げ発動させます。
先ずは1発上げ、ドーンと音と一緒に大きく開きました。
その後は連続で上げたりちょっと間を開けたりと殿下のイメージで花火が上がっています。
とても綺麗だった。
結局王女殿下は100発撃っていたそうです。
最後には王都の人に花火でメッセージを出していた。
「王女殿下とても良かったです。
あのバラのを真似してもいいですか」
「初めて見たけど凄く良かったわ。
私も覚えてみようかな?」
皇女様は覚える気満々です。
「気持ち良かった。王都の人達は喜んでくれたかな?」
「きっと思い出になってますよ。
花火を見て喜ばない人はいません」
私はそう言った。
◆
「これで王女殿下も自信が持てたでしょうね。
とても良かった。
王都の名物が1つ出来ましたね」
宰相も喜んでいました。
◆
王都の外縁部では。
「何だあれ? とても綺麗だ」
「新年にふさわしいね。毎年やっても良いね」
「第1王女殿下がやっているみたいだ。
最後のに名前が入っていたよ!!」
「良い事やってくれたね」
王都の民達に大好評でした。
◆
王宮では。
ドーン
「何だ? 何があった」
国王が音でびっくりしている。
ドーン、ドーン
「外から聞こえるな」
窓を開けると音が大きくなって聞こえるけど何も無い。国王の寝室は北側に有った為音しか聞こえなかった。
部屋を出て南側の窓を開けると花火が上がっていた。
「あれが花火魔法か?
とても綺麗だ。
でも誰がやっているんだ?
第1王女はやる様な事を言ってなかったぞ」
国王はそのまま見入ってしまった。
◆
3人が下迄降りて来ると。
門の所にお母さんと一緒に女の子がいた。
「王女殿下ありがとうございます。綺麗でした」
女の子がお礼を言って来た。
後ろにいる大人達もお礼を言ったり、感想を言ったりしていた。
そして最後に王都の皆さんが。
「またやって下さい。楽しみしています」
と言っていた。
その言葉を聞いた王女殿下の目からは涙が流れていた。
「良かったですね。皆さん喜んでくれましたよ」
「はい、やって良かったです」
無事終わりました。
今年もいい年になりそうです。
◆
午後になり王城でも新年の行事が始まりました。
今は国王が話しをしています。
今年もどうでも良い話しをしていて、内容も薄っぺらい物です。きっと物事を表面しか見ていなのでしょうね。
それにしても話しが長いので寝ちゃいそうです。
・
やっと終わりました。
次に報奨で何人かが呼ばれていました。
今年はお父さんが呼ばれ国王の所に行っております。
鉄道を通した事が理由の様です。
商品の様なのを貰って来ていて、中身がとても気になります。
◆
最初の行事が終わったので、パーティーまでは南用の控室で休憩です。
お菓子を貰ってボーとしていたら寺子屋メンバーが来ました。
「師匠久し振りです。元気でしたか?」
「元気だよ。鉄道で振り回されたからあまり行けなくてゴメンね!」
寺子屋に行ける様になったのにサンニッチの事故のせいで殆ど行け無かったよ。
「大丈夫ですよ。パレット姉さんがやってくれましたから。
あの後から[バーニア]も練習してますよ」
他の2人も練習している様だ。
ただ高さを制限されていると言っていた。
3人と話しをしているとパーティーが始まった。
◆
会場に着くとお父さんと一緒に挨拶回りをしています。
今年は西の鉄道を通した領主と話しをしています。
皆さんは鉄道を通して良かったと言ってくれました。領の活性化になっているそうです。
今度は南の領主達と話しをしていますが、東側への延長の話しが多かったです。
昨年の事故の影響は大きいですね。
延長の話しは私が学園に入ってしまうので断っていた。
今年はお父さんの所にサンニッチ公爵は来ませんでした。
鉄道に追われて欠席した様だ。
とりあえず挨拶回りが終わったので食事タイムです。
昨年に比べて海産物が増えました。お父さんが頑張って出荷していますから。
でも私は肉が食べたいので肉を食べていたのですが、味はホーデン領の食堂の方が美味しいです。
味の調整をしていないと見た。
食事を堪能していると声をかけられた。
「ちょっとそこの貴方ホーデン家の3女ですよね」
「そうですが何か?」
「貴方のせいで家の領が寂れてしまっているのですよ」
「そうですか、大変ですね」
「何を他人事の様に言っているのですか!!」
「えぇ他人事ですよ。貴方の領が何処か知りませんが、寂れ無い様にするのが領主一家の仕事ですよ。
縁もゆかりも無い私に言われても困ります」
「キー貴方はサンニッチ家に歯向かうのですか!!」
「あぁサンニッチ公爵家ですね。昨年忠告したのに何もしなかったのですね」
「忠告? 何の事ですか?」
「昨年バイ何とかだか、バカ何とかサンニッチとか言う人に絡まれたので、その時に」
私は食べながら言った。
周りの人がクスクス笑っている。
「バイ何とかとはバイオレットお姉様の事ですか?」
「確かそんな名前だった様な気がすると思う。覚えておく必要性が無かったので」
「もういいです!!」
と言って何処かに行ってしまった。
「何だったのでしょうか? まぁ良いやうるさいのが居なくなったから」
周りの人が大笑いをしている。
こんな感じでパーティーは終了した。
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